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第12話 迷子の少女は没落令嬢
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その日、追放者ギルドの広場に慌てた村人が駆け込んできた。
「た、大変だ! 森で子どもが迷子になった!」
周囲がざわめく。リナがすぐに立ち上がった。
「カイルさん! 助けに行きましょう!」
「よし。ギルドの仕事だ。全員出動!」
旗の下で仲間が集まり、俺は作戦を告げた。
「フィオは灯り役。火を小さくして合図を送れ。セリウスは薬草で匂いを消して狼避け。リナは食料を準備。グレンは先頭で斬り込みだ。俺は足跡を追う」
「了解!」
◇
森は夕暮れで暗く、風が木々をざわつかせていた。俺は地面にしゃがみ込み、小さな足跡を追った。
「この大きさ……子どもだな」
進むにつれ、枝に裂け目が増え、狼の足跡も混じり始める。リナが不安げに呟く。
「早く見つけないと……!」
そのとき、か細い泣き声が聞こえた。
「……お母さま……」
皆が顔を上げる。声のする方へ駆けると、大木の根元に小さな影がうずくまっていた。
「いた!」
白いドレスが泥に汚れ、金髪が乱れた少女。十歳くらいだろうか。瞳は涙で濡れていた。
「大丈夫か!」
俺が近づくと、背後の茂みから狼が飛び出した。
「危ない!」
フィオが杖を振る。火の矢が放たれ、狼の進路を塞ぐ。グレンが吠えるように叫び、大剣で狼を薙ぎ払った。二匹、三匹が倒れ、残りは森に逃げていった。
「ふぅ……間に合ったな」
◇
少女を抱き起こすと、彼女は震える声で言った。
「わ、私はエレナ……元は貴族の娘。でも……家が没落して、追い出されて……」
リナが目を丸くする。
「没落令嬢……!」
セリウスが静かに頷いた。
「貴族の家が没落すれば、行く宛はない。しかもこの歳では……」
エレナは涙を流しながら呟いた。
「どこにも行けないの。役立たずだって……」
俺は頭を振った。
「役立たずなんてない。追放された者の居場所は、ここにある」
「……ここ?」
「追放者ギルドだ」
少女は信じられないように目を見開いた。
◇
村に戻ると、エレナは焚き火の周りに座らされ、リナがスープを差し出した。
「おいしい……」小さな声が漏れる。
「役に立たないなんて言うなよ」グレンが笑う。「食って笑って生きてりゃ、それで十分だ!」
「……エレナさん。裁縫や読み書きはできますか?」セリウスが尋ねる。
「は、はい……」
「それなら文書作成や衣服の修理に役立ちます」
フィオは小さく手を挙げた。
「わ、私……友達になってもいい?」
エレナの瞳に涙が光り、こくりと頷いた。
◇
俺は旗の下に立ち、皆に宣言した。
「今日からエレナも追放者ギルドの仲間だ。貴族じゃなくても、生きる権利はある。ここで一緒にやっていこう」
「うん……!」
小さな声だが、力強い返事だった。
――こうして追放者ギルドに新たな仲間、没落令嬢エレナが加わった。
追放者たちの寄せ集めは、少しずつ“家族”のような形になり始めていた。
「た、大変だ! 森で子どもが迷子になった!」
周囲がざわめく。リナがすぐに立ち上がった。
「カイルさん! 助けに行きましょう!」
「よし。ギルドの仕事だ。全員出動!」
旗の下で仲間が集まり、俺は作戦を告げた。
「フィオは灯り役。火を小さくして合図を送れ。セリウスは薬草で匂いを消して狼避け。リナは食料を準備。グレンは先頭で斬り込みだ。俺は足跡を追う」
「了解!」
◇
森は夕暮れで暗く、風が木々をざわつかせていた。俺は地面にしゃがみ込み、小さな足跡を追った。
「この大きさ……子どもだな」
進むにつれ、枝に裂け目が増え、狼の足跡も混じり始める。リナが不安げに呟く。
「早く見つけないと……!」
そのとき、か細い泣き声が聞こえた。
「……お母さま……」
皆が顔を上げる。声のする方へ駆けると、大木の根元に小さな影がうずくまっていた。
「いた!」
白いドレスが泥に汚れ、金髪が乱れた少女。十歳くらいだろうか。瞳は涙で濡れていた。
「大丈夫か!」
俺が近づくと、背後の茂みから狼が飛び出した。
「危ない!」
フィオが杖を振る。火の矢が放たれ、狼の進路を塞ぐ。グレンが吠えるように叫び、大剣で狼を薙ぎ払った。二匹、三匹が倒れ、残りは森に逃げていった。
「ふぅ……間に合ったな」
◇
少女を抱き起こすと、彼女は震える声で言った。
「わ、私はエレナ……元は貴族の娘。でも……家が没落して、追い出されて……」
リナが目を丸くする。
「没落令嬢……!」
セリウスが静かに頷いた。
「貴族の家が没落すれば、行く宛はない。しかもこの歳では……」
エレナは涙を流しながら呟いた。
「どこにも行けないの。役立たずだって……」
俺は頭を振った。
「役立たずなんてない。追放された者の居場所は、ここにある」
「……ここ?」
「追放者ギルドだ」
少女は信じられないように目を見開いた。
◇
村に戻ると、エレナは焚き火の周りに座らされ、リナがスープを差し出した。
「おいしい……」小さな声が漏れる。
「役に立たないなんて言うなよ」グレンが笑う。「食って笑って生きてりゃ、それで十分だ!」
「……エレナさん。裁縫や読み書きはできますか?」セリウスが尋ねる。
「は、はい……」
「それなら文書作成や衣服の修理に役立ちます」
フィオは小さく手を挙げた。
「わ、私……友達になってもいい?」
エレナの瞳に涙が光り、こくりと頷いた。
◇
俺は旗の下に立ち、皆に宣言した。
「今日からエレナも追放者ギルドの仲間だ。貴族じゃなくても、生きる権利はある。ここで一緒にやっていこう」
「うん……!」
小さな声だが、力強い返事だった。
――こうして追放者ギルドに新たな仲間、没落令嬢エレナが加わった。
追放者たちの寄せ集めは、少しずつ“家族”のような形になり始めていた。
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