パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第45話 王都の切り札

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 森の大爆発から数時間後。焦土にはまだ煙が立ち込め、焼け焦げた木々が黒い影のように立っていた。
 王都軍の第二陣は壊滅し、森に足を踏み入れた兵の多くが倒れた。

「勝った……!」
「本当に撃退したんだ!」

 追放者連合に歓声が広がり、疲れ切った仲間たちが地面に座り込む。
 リナが鍋を抱えて笑った。
「これで少しは息をつけるね……」

 だが俺の胸には重苦しい予感があった。
「いや……王都がこの程度で諦めるはずがない」



 その頃、王都の軍営。

「第二陣、全滅……!?」
 報告を聞いた将軍は怒りで顔を歪めた。

「追放者どもが……爆薬など卑劣な手を!」

 そこへ聖職者が一歩前に出る。
「ならば、切り札を投入すべきです。王国の威光を示す時が来ました」

「……あれを使うのか」

「はい。“聖獣部隊”を」



 翌日、谷の空に不気味な咆哮が響いた。

「な、なんだ!?」
「鳥……いや、魔獣!?」

 空を覆ったのは巨大な飛竜の群れだった。背に聖騎士を乗せ、銀の槍を構えている。
 さらに地上からは、鎖に繋がれた巨人の魔物が兵士に導かれて進軍していた。

「く、くそっ……あんなの反則だろ!」グレンが吠える。
「王都……本気で潰しに来たのね」リナが青ざめる。



 空から飛竜の炎が降り注ぎ、森の残り火をさらに広げた。
「うわああ!」
「避けろ!」

 フィオが炎で迎え撃つが、数が多すぎる。
「だめ……全部は防げない!」

 地上では巨人が丸太の柵を踏み潰し、兵士が突入してくる。
「城壁もない谷など、一息で潰せる!」聖騎士が叫んだ。



 俺は剣を握り、仲間たちに叫んだ。
「迎撃だ! 空も地上も同時だ! 段取りを守れ!」

 ガンツが鉄槌を振り上げ、巨人の足を叩きつける。
「でかいだけの化け物がぁ!」

 グレンが巨人に飛びかかり、大剣を突き立てる。
「俺が斬る!」

 空ではロディとマリアが声を張り上げ、村人を奮い立たせた。
「恐れるな! 槍を突き上げろ!」
「歌え! 生き抜け!」

 村人たちが必死に槍を掲げ、飛竜を迎え撃った。



 だが――戦況は圧倒的に不利だった。

「カイルさん!」セリウスが叫ぶ。
「飛竜は十騎以上、巨人も三体! このままでは持ちません!」

 リナが涙を浮かべる。
「もう限界……どうすれば……!」

 俺は息を呑み、剣を構え直した。
「……まだ諦めるな。段取りは必ずある」



 その時。森の奥から一団が姿を現した。
 旗を掲げ、粗末な装備を纏った集団――かつて交渉に赴いた、周辺の追放者たちだった。

「おい! 加勢するぞ!」
「追放者連合に加わらせてくれ!」

 仲間たちの目が見開かれ、歓声が広がる。

「来てくれた……!」リナの声が震える。
「まだ戦える!」グレンが笑う。



 旗が風に揺れ、追放者たちの数は倍に膨れた。
 だが空を覆う飛竜と、進軍する巨人はなお健在。

 俺は剣を掲げ、叫んだ。
「――次の段取りだ! ここからが本当の戦いだ!」

 谷全体に声が響き渡り、士気が再び燃え上がった。

 ――王都の切り札を前に、追放者連合の反撃が始まろうとしていた。
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