53 / 70
第53話 神罰との最終決戦
しおりを挟む
黒い球体に取り込まれた指揮役の聖職者は、もはや人の姿をしていなかった。
肉体は黒雷と炎の渦に覆われ、虚ろな眼窩からは神の光とも魔の光ともつかぬ閃光が放たれている。
「我は神罰……秩序を乱す追放者どもよ、灰となれ」
その声は大地そのものを震わせ、谷の空気を切り裂いた。
◇
次の瞬間、黒雷が大地を貫いた。
「うわああっ!」
森の奥に築いた柵や砦が一撃で吹き飛び、爆炎と煙が立ち上る。
「カイル!」リナが叫ぶ。
「大丈夫だ……まだ死んでない!」俺は剣を支え、必死に踏みとどまった。
「だが……正面からは勝てません!」セリウスが叫ぶ。
「段取りを組み替えろ!」
◇
「じゃあ、私が……!」フィオが杖を握りしめ、炎を練り上げた。
「暴発で追放された私だからこそ、あいつの力とぶつかれる!」
「待て、死ぬぞ!」
「死ぬのは嫌! でも……みんなを守りたい!」
彼女の炎が放たれ、黒雷と正面から激突した。
轟音と共に衝撃波が走り、周囲の木々が吹き飛ぶ。
◇
巨人戦で傷だらけのグレンが大剣を振り上げた。
「なら俺は横からぶった斬ってやる!」
彼が突っ込むと、ガンツも鉄槌を構えて並んだ。
「俺の槌で叩き潰す!」
二人の武力が黒球の外殻を叩き、ひびを走らせる。
◇
リナは大鍋を抱え、熱湯を黒い鎖に浴びせた。
「これで……弱まって!」
ミーナとエレナは倒れた追放者たちを必死に救い、薬と包帯で繋ぎ止めていた。
「お願い……生きて!」
「みんながいないと、この戦いに勝てない!」
◇
ロディとマリアの歌声が広場を満たした。
「生きろ! 抗え!」
「追放者は無駄じゃない!」
その歌は、恐怖で震える仲間の足を再び前へと動かした。
◇
「カイル!」セリウスが叫ぶ。
「今だ! 全員の力を束ねろ!」
俺は剣を掲げ、仲間たちに叫んだ。
「ここにいる全員の力が無駄じゃないことを証明する! 剣も、炎も、歌も、薬も、布も、料理も――全部だ!」
旗が炎と雷の渦に揺れ、全員が声を上げた。
「「うおおおおお!」」
◇
俺の剣に、フィオの炎が宿る。
グレンとガンツの力が重なり、リナの熱とエレナの布が絡み、セリウスの知略が軌道を導く。
ミーナの薬が刃を輝かせ、ロディとマリアの歌がその剣を支えた。
「これが……追放者ギルドの力だ!」
◇
黒球が咆哮し、神罰が最後の光を放とうとする。
虚ろな声が響いた。
「無駄な者どもに未来はない……!」
「無駄なんかじゃない!」俺は叫んだ。
「俺たちは追放されて初めて、本当の居場所を得たんだ!」
◇
全員の力を束ねた一撃を振り下ろす。
「――斬り裂けぇぇぇ!」
剣が閃き、黒球を真っ二つに割った。
轟音と共に雷と炎の渦が四散し、夜空に光が走る。
◇
爆風が収まり、静寂が訪れた。
瓦礫の中に崩れ落ちたのは、人の姿を失った指揮役の骸だった。
「勝った……のか……」リナが涙を流す。
「やった……!」グレンが大剣を支え、笑った。
俺は剣を地に突き、荒い息を吐きながら呟いた。
「段取り通り、だな……」
◇
旗が夜空に揺れ、仲間たちが歓声を上げる。
――神罰兵器との決戦は、追放者連合の勝利で幕を閉じた。
だがまだ戦争は終わらない。王都そのものが、最後の敵として立ち塞がっている。
肉体は黒雷と炎の渦に覆われ、虚ろな眼窩からは神の光とも魔の光ともつかぬ閃光が放たれている。
「我は神罰……秩序を乱す追放者どもよ、灰となれ」
その声は大地そのものを震わせ、谷の空気を切り裂いた。
◇
次の瞬間、黒雷が大地を貫いた。
「うわああっ!」
森の奥に築いた柵や砦が一撃で吹き飛び、爆炎と煙が立ち上る。
「カイル!」リナが叫ぶ。
「大丈夫だ……まだ死んでない!」俺は剣を支え、必死に踏みとどまった。
「だが……正面からは勝てません!」セリウスが叫ぶ。
「段取りを組み替えろ!」
◇
「じゃあ、私が……!」フィオが杖を握りしめ、炎を練り上げた。
「暴発で追放された私だからこそ、あいつの力とぶつかれる!」
「待て、死ぬぞ!」
「死ぬのは嫌! でも……みんなを守りたい!」
彼女の炎が放たれ、黒雷と正面から激突した。
轟音と共に衝撃波が走り、周囲の木々が吹き飛ぶ。
◇
巨人戦で傷だらけのグレンが大剣を振り上げた。
「なら俺は横からぶった斬ってやる!」
彼が突っ込むと、ガンツも鉄槌を構えて並んだ。
「俺の槌で叩き潰す!」
二人の武力が黒球の外殻を叩き、ひびを走らせる。
◇
リナは大鍋を抱え、熱湯を黒い鎖に浴びせた。
「これで……弱まって!」
ミーナとエレナは倒れた追放者たちを必死に救い、薬と包帯で繋ぎ止めていた。
「お願い……生きて!」
「みんながいないと、この戦いに勝てない!」
◇
ロディとマリアの歌声が広場を満たした。
「生きろ! 抗え!」
「追放者は無駄じゃない!」
その歌は、恐怖で震える仲間の足を再び前へと動かした。
◇
「カイル!」セリウスが叫ぶ。
「今だ! 全員の力を束ねろ!」
俺は剣を掲げ、仲間たちに叫んだ。
「ここにいる全員の力が無駄じゃないことを証明する! 剣も、炎も、歌も、薬も、布も、料理も――全部だ!」
旗が炎と雷の渦に揺れ、全員が声を上げた。
「「うおおおおお!」」
◇
俺の剣に、フィオの炎が宿る。
グレンとガンツの力が重なり、リナの熱とエレナの布が絡み、セリウスの知略が軌道を導く。
ミーナの薬が刃を輝かせ、ロディとマリアの歌がその剣を支えた。
「これが……追放者ギルドの力だ!」
◇
黒球が咆哮し、神罰が最後の光を放とうとする。
虚ろな声が響いた。
「無駄な者どもに未来はない……!」
「無駄なんかじゃない!」俺は叫んだ。
「俺たちは追放されて初めて、本当の居場所を得たんだ!」
◇
全員の力を束ねた一撃を振り下ろす。
「――斬り裂けぇぇぇ!」
剣が閃き、黒球を真っ二つに割った。
轟音と共に雷と炎の渦が四散し、夜空に光が走る。
◇
爆風が収まり、静寂が訪れた。
瓦礫の中に崩れ落ちたのは、人の姿を失った指揮役の骸だった。
「勝った……のか……」リナが涙を流す。
「やった……!」グレンが大剣を支え、笑った。
俺は剣を地に突き、荒い息を吐きながら呟いた。
「段取り通り、だな……」
◇
旗が夜空に揺れ、仲間たちが歓声を上げる。
――神罰兵器との決戦は、追放者連合の勝利で幕を閉じた。
だがまだ戦争は終わらない。王都そのものが、最後の敵として立ち塞がっている。
23
あなたにおすすめの小説
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る
夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。
しかし、そのスキルには「容量無限」「時間停止」「解析・分解」「合成・創造」というとんでもない力が秘められていたのだ。
全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。
超高品質なポーション、快適な家具、美味しい料理、果ては巨大な井戸や城壁まで!?
万能すぎる生産スキルで、心優しい仲間たちと共に寂れた村を豊かに発展させていく。
一方、彼を追放した勇者パーティーは、荷物持ちを失ったことで急速に崩壊していく。
「今からでもレオを連れ戻すべきだ!」
――もう遅い。彼はもう、君たちのための便利な道具じゃない。
これは、不遇だった青年が最高の仲間たちと出会い、世界一の生産職として成り上がり、幸せなスローライフを手に入れる物語。そして、傲慢な勇者たちが自業自得の末路を辿る、痛快な「ざまぁ」ストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる