パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第63話 戦後の混乱

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 王が倒れた瞬間、戦場は静まり返った。
 十万を超える兵の咆哮も消え、ただ風が旗をはためかせる音だけが響いていた。

 やがて、王都軍のあちこちから武器が地面に落ちる音が広がる。
「……王が……敗れた……?」
「そんな……追放者が……」

 兵たちは顔を見合わせ、信じられないという表情で膝をついた。



 追放者連合の仲間たちは傷だらけで立ち尽くしていた。
 リナが俺のもとへ駆け寄り、涙を浮かべて叫ぶ。
「カイル! 生きて……!」

「ああ……何とか、な」剣を突き立てて息を整えながら答えた。

 グレンとガンツは大剣と鉄槌を杖代わりにして笑った。
「勝ったんだな……」
「ハッ、これでようやく寝られるぜ」

 フィオは杖を握りしめ、震える炎を小さく灯した。
「暴発じゃなく……ちゃんと役に立てた……」

 ロディとマリアは互いに肩を支えながら歌い続けていた。
「終わったんだ……」
「でも、これからが始まりだよ」



 戦場の外れから兵の代表らしき者が歩み出てきた。
 年配の将軍、血に濡れた鎧をまとい、剣を地に突いていた。

「追放者ギルドの長……カイル殿」
 彼は深く頭を垂れた。
「王は倒れた。我らはもはや戦う理由を失った。……降伏を受け入れていただきたい」

 その声に兵たちの間に安堵が広がった。
「……もう戦わなくていいのか……」
「生きて帰れる……」



 だが中には混乱と怒りに震える者もいた。
「ふざけるな! 追放者ごときに国を渡せるか!」
「反逆者を認めるなど……!」

 叫び声が上がり、兵士同士で殴り合いが始まった。



「やめろ!」俺は剣を掲げ、全員に叫んだ。
「俺たちは王を討つために戦ったんじゃない! 追放された仲間の居場所を守るために戦ったんだ!」

 兵たちの視線が一斉に俺に集まる。

「だからもう、無駄な血は流させない! 剣を下ろせ!」



 リナが声を張った。
「ここには子どもも老人もいる! これ以上殺し合うなら、ただの地獄よ!」

 セリウスが続けた。
「王を失った今、国は空白だ。このままなら崩壊する。だからこそ交渉が必要なんだ!」

 エレナとミーナも叫ぶ。
「傷を癒やすために、戦いをやめて!」
「もう誰も死なないで!」



 やがて将軍が腕を上げ、怒りに震える兵を押し止めた。
「……分かった。剣を収めよ」

 ざわめきが広がり、次々に兵が武器を地に置いた。



 こうして、戦場にようやく静寂が訪れた。
 だが、それは終わりではなく始まりだった。

「……これからどうする?」グレンが呟く。
「王を失った王都と、俺たち追放者連合。両方が生き残る道を探さなきゃならねぇ」

「ああ」俺は剣を握りしめた。
「戦いは終わった。だが、本当の試練はこれからだ」



 ――戦後の混乱の中で、追放者ギルドと王都の民との交渉が始まろうとしていた。
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