パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第70話 追放者の国

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 王を失い、残党を討ち払い、隣国の干渉を退けてからさらに一年。
 谷はもう「谷」と呼ばれるだけの場所ではなかった。
 街道は整備され、市場には人があふれ、子どもたちの笑い声が朝から響いていた。

 追放者と王都の民が共に働き、暮らし、支え合っていた。
 誰も切り捨てられない。誰も追放されない。
 それが新しい国の形となっていた。



 リナは相変わらず大鍋を振り回していた。
「今日はシチューだよ! ほら、早く並んで!」
 子どもたちが歓声を上げ、兵士も農夫も一緒に列を作る。

「リナさんの料理があるから、この国は大丈夫だな」
 そんな声に、リナは得意げに鼻を鳴らした。



 グレンとガンツは大工仕事に精を出していた。
「この橋ができれば、交易がもっと楽になる!」
「おうよ! 剣より斧のほうが役立つとはな!」

 かつて戦場を駆けた二人が、今は笑いながら木材を組んでいる。



 フィオは街の灯火を管理し、炎の魔導士として尊敬を集めていた。
「暴発なんてもう言わせない。私の火は、みんなを照らす火だから」
 その言葉に子どもたちが「フィオ先生!」と駆け寄ってくる。



 ロディとマリアの歌は街の広場を満たしていた。
「この国に居場所がある限り!」
「誰も無駄じゃない!」

 民は手を叩き、笑いながら声を合わせる。歌は法律よりも力強く人々を繋げていた。



 エレナとミーナは大きな診療所を開いていた。
「誰でも来て。薬も治療も、ここでは平等よ」
「追放者も王都の人も関係ないわ」

 その姿に人々は感謝し、涙を流して頭を下げた。



 セリウスは机に向かい、文官たちと議論を続けていた。
「交易路の安全は確保した。次は学校の整備だ」
 彼の冷静な言葉は国の柱となっていた。



 そして俺は、高台から国を見下ろしていた。
 旗はもう破れていない。新しく織られた布に描かれたのは――「追放者ギルド」の紋章。
 風に力強く翻り、人々の笑顔を照らしていた。

「……段取りを間違えなければ、ここまで来られる」
 静かに呟くと、隣でリナが笑った。
「これからも、私が味見してあげるから」

 その言葉に思わず笑い、剣を腰に収めた。



 ――追放者ギルドは国となった。
 誰も切り捨てられず、誰も追放されない国。
 血と涙と笑いで築いた新しい秩序の中で、人々はようやくスローライフを送れるようになった。

 かつて追放された者たちの旗は、今や新しい国の旗となり、風に高く翻っていた。



 物語は終わる。
 だが、追放者たちのスローライフは、これからも続いていく。
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みんなの感想(1件)

A・l・m
2025.08.25 A・l・m

第5話
『盛り上がらない成功』は、主人公の得意技だろ!

うーん、『かっこいい物語より』?かな?

解除

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