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1章 貴族の息子編
第12話 魔木の特徴
しおりを挟む私の屋敷に到着すると、父、ダーリックが入り口の前で仁王立ちをしていた。
え、なんでそんなところに立ってらっしゃるんですかお父様…
そんなことを思いつつ、馬車から降りると、お父様がこちらに近づいてきた。
なんか怒ってる?
「フターミ!王に向かって意見をぶつけたって?!それを聞いた時肝が冷えたぞ!」
クッソー…告げ口しやがったな…
心の中で告げ口しやがった者を心の中で呪った。といっても、ただの空想だ。本気で想像してしまったら本当に呪いが飛んでいってしまうからだ。
とりあえず、お父様を落ち着かせ、事の経緯を話すと、先程の怒りはどこへやら、ニヤッと笑った。
あー、これ良くないこと考えてますね!分かります!
父の思惑に察した私はその場を静かに去ろうとしたが、あっさり腕を掴まれ、捕らえられてしまった。
「フターミ、これは、王族の信頼を得る大チャンスだ!」
えー…なんか変に張り切ってない?
正直ダルい気持ちはよそに、お父様は張り切っていた。
ようやく屋敷の中に入り、自分の部屋のベッドに横になって魔木について考えていた。
すぐにお手伝いさんが魔木についての資料を持って来てくれるように頼んでいる。
「魔木か…あれにもなにか事情があるんだろうな…」
そんなことを考えていると、私の専属執事を初め、お手伝いさんが資料を持って来てくれた。彼らにお礼を言った後、早速机に向かい、置いてくれた資料を見ていくと、どれも王室で聞いた内容と変わらなかった。
なんの進展もないまま最後の資料を読んでいくと、驚くべき事実が書かれていた。
魔木は人間が栄えたのと同時に現れた。魔木は人間達に自身の皮や養分を分け与えていたが、時として暴走することがある。
それを止める方法は何も無い。
資料というより、昔話が書かれたものだった。
「暴走…やっぱりなにかあったんだな。」
残念ながらこれ以上有力な情報は見つからなかった。
どうしたものかと考えていると、竜輝時代に読んだ漫画を思い出した。
暴走したものには必ず原因となる「害」がある。というものだ。
「害…ねぇ…」
しばらく考えていると、もう遅い時間だったということもあり、段々と眠くなってきたので、湯浴みを済ませて、着替えてベッドに入り、眠りに入った。
「…けて」
「ん?なんて?」
視界が真っ暗な中で誰かがなにか言っている。思わず、聞き返すと、声が先程よりも大きな声で、
「助けて!」
と叫んだ。思わず「ひえっ」と情けなく声が出る。
助けてと言われても、姿が見えなければ何もならない。
「な、何を助けて欲しいの?」
「私は、人間達が作った施設のせいで魔力が上手く吸えないの…助けて…」
今にも消えそうな声でそう私に伝えた。
人間達が作った施設?なんだそれ?
そんなことを考えていると、段々と視界が明るくなってきて、周りを見てみると、どこかの森だった。辺りを見回して正面を見ると私は目を張った。
そこには大きいが、枝は折れ、所々穴が空いており、紫色に光っているボロボロの木があった。
まさか、これが魔木?!
そう察した瞬間私の足元が突然崩れ、まるで落とし穴に落ちていくかのように私は落ちていった。
気づいた時には自分のベッドの上だった。
夢…?
あれが魔木だとするなら、情報が少し整った。あとは、
「え?魔木の近くに施設はあるのかって?」
朝食の時間にお父様に魔木近くに施設はあるのかと言うことを聞いてみると、
「あー、あれのことだな。」
と呟いた。
ビンゴ!
詳しく聞いてみると、魔木が生えている北の方に、娯楽施設が建っているらしい。そこは魔力をふんだんに使っているとのこと。
あー、なるへそなるへそ。
そりゃ、魔木も暴走するわ
内心で納得しつつ、呆れていた。本来魔木に与える魔力をその娯楽施設が取っちゃって、魔木は養分とも言える魔力を上手く吸えないで、暴走に陥ってしまったというわけだ。
なら、やることは1つだな!
私は、朝食を終えて、早速、王様宛に推察などを記した文を書き、届けるようにお願いして、しばらくすると王様から返事が届いた。
内容はまた王城に来るようにとのこと。
えー…またあの嫌な空間に行くのー…
ああ、癒しが見守れない…
部屋1人で落胆している私だが、やるからにはやらないと意味がないなとも考え、仕方なく、王城へ行く準備をしてもらうようにお願いする。
早く終わらせて、物語を見守るぞー!
ていうか今更だけどこういうの大人がやらないといけないのでは?
「まあ、自分も前世じゃ大人だったからな…」
ため息を吐きつつ、王城へ向かうための馬車に向かった私であった。
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