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穏やか(?)な日常

通り魔

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夕食も食べ終わり雪成ら四人は店を出た。
店を出て歩いていくとホテル街へ自然と足が向かっていた。
と、いうより連れてこられた、が正しいだろう。
ここで恋人同士の尾田と森末が口を開いた。

「センパイ方!悪いんすけど俺ら今日泊まっていくんで!」

笑顔で楽しそうに言った。

「んじゃ、ここで解散ってことで!また明日病院で会えたらね!」

なんと無責任な発言だろう。
これが院長の言うことか。
会えたら、ではなく通常ならば絶対に会うんだよ。
そんなこと思ったが、さすがにお世話になりっぱなしなので言うことはできなかった。
が、態度で伝わったのか、2人はぎこちない笑みを浮かべながら去っていった。
残された暁と雪成はどうしようもない気まずさに打ちひしがられていた。

「思ったんですけど、これ、病院に帰っていいんじゃないですかぁ?」

「あぁ……そうやね!帰ろっか!!」

そう言って歩き出そうとしたところドンッと雪成の肩に男の人がぶつかった。

「すいません」

そういうと男は足早に去っていった。

「気ぃつけてな~。ったく……雪成?」

ぶつかられてからなにも言わないのを不思議に思ったのか暁は少し後ろを歩いていたが横に来た。

「っ!」

暁が息を飲んだのがわかる。
それもそうだろう、雪成はお腹から血を流して踞っていたのだから。


「おい!雪成大丈夫か?!」

暁は雪成の肩を掴んだ。

「ぁっ……今、触らないで、くださいっ……」

雪成の体は快感を得ていた。
傷をつけられることで感じてしまうマゾな俺を暁は今どう思っているだろう。
そんなことを考えると雪成はとても顔をあげることができなかった。


「……雪成……感じとるん?」
そう問いかけられ、素直に頷いた。
あぁ……絶対に気持ち悪いって思われてる……。

次にかけられた言葉はとても以外なものだった。








「雪成……ホテルに行こっかぁ……。あ!大丈夫、手なんて出さんよ!流石にそんな身体で病院まで登るのはキツいやろうし」

そういうと暁は半ば無理矢理雪成抱き抱え、ホテルに入った。
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