2 / 10
2話 野生のゴリラ
しおりを挟む
死の恐怖から腰が抜けた俺を馬鹿にするように笑う声が聞こえてきた。
「アハハハハハハ…‥…‥情けないわね~。そんくらいのことで『ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ』だなんて…‥」
そう言い終わったかと思うと、また俺を見て腹をかかえる。笑いで涙目になっているほどだった。
喧嘩っ早い俺なら間違いなくそいつをボッコしてしまうだろう。だが、そうもいかなかった。
何故なら相手が女子だったから…‥…‥
というわけではなく、相手が野性動物のゴリラだったからだ。
そいつの名前は、
『九十九 亜里沙』
俺の唯一の幼馴染だ。
身長は他の女子と比べると少し高い。髪はショートヘアーで、いかにも体育会系女子って感じだ。スタイルもなかなかに良いんで、こいつの本性を知らない馬鹿なオス達はよく求愛してたらしい。…‥…‥が、求愛したオスは、その翌日は必ず欠席してしまう。精神が弱い奴は一週間休むことさえあった。何があったかなんて、想像したくもない。
そんなゴリラに人間が勝てる訳がない。実質俺も昔、こいつにボコボコにされたわけだしな。
俺は一言、
「うっせーよ」
とだけ吐き出した。
「ちょっとだけからかってみただけじゃない?そんなに怒りっぽかったら嫌われるわよ?」
そう言いながらも、まだ亜里沙の唇は震えている。心の中ではまだ笑ってるのがバレバレだ。ホント馬鹿な単細胞は、嘘つけない。
俺は心の中でそう思いながらも、別のことを口にする。
「大体なんでお前がここにいるんだよ?ここは立ち入り禁止。しかも今は授業中じゃねぇか?」
そんなことを口にすると
「へぇ…‥…‥。あんたでもそんな真面目な言葉使えるんだぁ?」
亜里沙に驚いた顔をされながら言われた。いや、わざと驚いてみせているのが、まるわかりだ。要するに馬鹿にされてる訳だな。
まぁ、こいつのイジリをいちいち真に受けてちゃ、メンタルがもたない。
今日ほどイジリに来たのは滅多にないんだがな。
少し間を開けてから亜里沙はさっきの質問に答えた。
「私がここに来た理由なんてないわよ。強いて言えば、何故かここに来なくちゃって思った感じかしら?」
(きっと、野生の勘でも働いたんだろ?)
そう思ったが、そんな口を聞いた瞬間にグーパンチがとんでくるのは目に見えてるんで、心の中に留めておいた。
俺たちのそんな他愛もない話は続いていく。
だが、このときの俺は亜里沙に殺されそうになるなんてまだ思ってもみないのだった…‥…‥
「アハハハハハハ…‥…‥情けないわね~。そんくらいのことで『ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ』だなんて…‥」
そう言い終わったかと思うと、また俺を見て腹をかかえる。笑いで涙目になっているほどだった。
喧嘩っ早い俺なら間違いなくそいつをボッコしてしまうだろう。だが、そうもいかなかった。
何故なら相手が女子だったから…‥…‥
というわけではなく、相手が野性動物のゴリラだったからだ。
そいつの名前は、
『九十九 亜里沙』
俺の唯一の幼馴染だ。
身長は他の女子と比べると少し高い。髪はショートヘアーで、いかにも体育会系女子って感じだ。スタイルもなかなかに良いんで、こいつの本性を知らない馬鹿なオス達はよく求愛してたらしい。…‥…‥が、求愛したオスは、その翌日は必ず欠席してしまう。精神が弱い奴は一週間休むことさえあった。何があったかなんて、想像したくもない。
そんなゴリラに人間が勝てる訳がない。実質俺も昔、こいつにボコボコにされたわけだしな。
俺は一言、
「うっせーよ」
とだけ吐き出した。
「ちょっとだけからかってみただけじゃない?そんなに怒りっぽかったら嫌われるわよ?」
そう言いながらも、まだ亜里沙の唇は震えている。心の中ではまだ笑ってるのがバレバレだ。ホント馬鹿な単細胞は、嘘つけない。
俺は心の中でそう思いながらも、別のことを口にする。
「大体なんでお前がここにいるんだよ?ここは立ち入り禁止。しかも今は授業中じゃねぇか?」
そんなことを口にすると
「へぇ…‥…‥。あんたでもそんな真面目な言葉使えるんだぁ?」
亜里沙に驚いた顔をされながら言われた。いや、わざと驚いてみせているのが、まるわかりだ。要するに馬鹿にされてる訳だな。
まぁ、こいつのイジリをいちいち真に受けてちゃ、メンタルがもたない。
今日ほどイジリに来たのは滅多にないんだがな。
少し間を開けてから亜里沙はさっきの質問に答えた。
「私がここに来た理由なんてないわよ。強いて言えば、何故かここに来なくちゃって思った感じかしら?」
(きっと、野生の勘でも働いたんだろ?)
そう思ったが、そんな口を聞いた瞬間にグーパンチがとんでくるのは目に見えてるんで、心の中に留めておいた。
俺たちのそんな他愛もない話は続いていく。
だが、このときの俺は亜里沙に殺されそうになるなんてまだ思ってもみないのだった…‥…‥
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
どうぞ添い遂げてください
あんど もあ
ファンタジー
スカーレット・クリムゾン侯爵令嬢は、王立学園の卒業パーティーで婚約もしていない王子から婚約破棄を宣言される。さらには、火山の噴火の生贄になるように命じられ……。
ちょっと残酷な要素があるのでR 15です。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる