中卒の俺が偶然出会った有名配信者とコラボしたらトップランカー入りしてしました。学がなくても大バズりできる裏技でランキング一位を取ります。

ニゲル

文字の大きさ
3 / 57
一章 四人の配信者

3話 真反対

しおりを挟む
「あ、あの……先日は助けていただきありがとうございました!」

 お互いに偶然ここで鉢合わせたことに困惑しながらも、彼女は声をどもらせつつこちらに感謝の意を伝えてくる。

「いやその件は別にいいよ。人間助け合いだろ? じゃ、仕事に戻るから元気でな」
「えっ……」

 品出しに戻ろうとするが、彼女に服の裾を掴まれそうはさせてくれない。

「どうしたの?」
「あっ……えっと……その……ここで話すのも……」

 彼女は顔を段々と紅潮させ、また声を震わせ言葉を詰まらせ始める。
 頑張って話そうとしているので話を切り上げることもできずにいると、彼女は俺の手からメモ帳を取り上げてまたそこに素早く何かを書く。

「こ、これっ! 仕事が終わったらここに!」

 彼女は住所が書かれたメモ帳を返し、息苦しそうにしながらそそくさと退散する。

「これ……まさかあの子の家か?」

 まともに話さず住所だけ渡してきた彼女に不審感を抱きつつも、俺は仕事に戻りその日は早めに切り上げる。

「さて……と。無視するわけにもいかないし、晩飯までまだ時間はあるから行ってやるか」

 俺はあまり気は進まないがメモ帳に書かれた住所まで向かう。

「ここ……だよな?」

 辿り着いた先はアパートの一室で、表札にはメモ帳に書かれているのと同じ影夢という名字が書かれている。
 俺がインターホンを押せばすぐにそこから声が聞こえてくる。

「あっ……すぐに開けます」

 相変わらずボソボソとした話し方でよく耳を傾けなければ聞き取るのは難しい。
 すぐに扉が開かれそこからはスーパーの時のようにフードを深々と被ったフラウが……いや影夢が現れる。

「ど、どうぞ……」
「いや男の俺が上がってもいいの?」
「あっ……いやどうなんだろ……と、とにかくいいから上がってってください!!」

 あたふたとしながら瞳をグルグル回すが、最終的に強引に俺の手を引っ張り家の中に引き込む。

「お邪魔しま……うわっ!!」

 彼女に続いて玄関を通り部屋に入るが、入るなり彼女は横に履ける。俺は彼女が避けたものにつまづき転んでしまう。

「これ……ゴミ袋? ってか部屋汚いな!」

 部屋にはゴミ袋がいくつも置いてあり、部屋着も散乱している。飲みかけのペットボトルやお菓子の袋も散らばっている。

「ご、ごごごめんなさい!! これでも片付けた方なんですけど……あっ、クローゼットは開けないでくださいね。さっき下着を無理やり詰め込んだので」
「お、おう……」

 相変わらず距離感がよく掴めず、こういうところからもコミュニケーションが苦手なのだろうということが見て取れる。

「それで何か用があるのか?」
「えーっと、まずお礼……はさっき言いましたよね。その……まぁもう分かると思うんですけど、私人と話すのが苦手で……」

 正直彼女は俺が今まで会ってきた人の中で間違いなくダントツでコミュニュケーション力が低い。
 まず目を合わせようとしないし、ハキハキ喋ることもできていない。昨日の配信時ではそんなことなかったというのに。

「でも配信中は普通に話せてたじゃないか」
「アーマー越しとか、顔を覆っていればまだ話せるんですけど……流石に外で仮面を着けるわけにもいかないですし」

 ハロウィンとかなら被り物していても違和感ないが、日常的にしていたら通報されてもおかしくない。被り物等による解決策は現実的じゃないだろう。

「あれ? でも今俺とは結構普通に話せてない?」
「本当だ……どうしてですかね?」

 スーパーで会った頃はオロオロしていてまともに会話すらできなかったが、今は普通に話せている。
 しかし本人に自覚はなかったらしく、本人もそのことに関して首を傾げる。

「あなたとは何だか話しやすい……波長が合うって感じですかね?」
「波長……? それで、その波長やら話すのが苦手とやらが俺を呼んだことと何か関係があるのか?」

 急にオカルトチックな話になりついていけなくなるが、ここにあまり長居もできないので話を軌道修正する。

「その……お願いしたいことがありまして」

 彼女は改まって少しは俺と目を合わせてくれる。そしてもじもじしながらも数秒間を置いた後口を開く。

「私と友達になってくれませんか?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。

みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。 勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。  辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。  だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...