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一章 四人の配信者
3話 真反対
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「あ、あの……先日は助けていただきありがとうございました!」
お互いに偶然ここで鉢合わせたことに困惑しながらも、彼女は声をどもらせつつこちらに感謝の意を伝えてくる。
「いやその件は別にいいよ。人間助け合いだろ? じゃ、仕事に戻るから元気でな」
「えっ……」
品出しに戻ろうとするが、彼女に服の裾を掴まれそうはさせてくれない。
「どうしたの?」
「あっ……えっと……その……ここで話すのも……」
彼女は顔を段々と紅潮させ、また声を震わせ言葉を詰まらせ始める。
頑張って話そうとしているので話を切り上げることもできずにいると、彼女は俺の手からメモ帳を取り上げてまたそこに素早く何かを書く。
「こ、これっ! 仕事が終わったらここに!」
彼女は住所が書かれたメモ帳を返し、息苦しそうにしながらそそくさと退散する。
「これ……まさかあの子の家か?」
まともに話さず住所だけ渡してきた彼女に不審感を抱きつつも、俺は仕事に戻りその日は早めに切り上げる。
「さて……と。無視するわけにもいかないし、晩飯までまだ時間はあるから行ってやるか」
俺はあまり気は進まないがメモ帳に書かれた住所まで向かう。
「ここ……だよな?」
辿り着いた先はアパートの一室で、表札にはメモ帳に書かれているのと同じ影夢という名字が書かれている。
俺がインターホンを押せばすぐにそこから声が聞こえてくる。
「あっ……すぐに開けます」
相変わらずボソボソとした話し方でよく耳を傾けなければ聞き取るのは難しい。
すぐに扉が開かれそこからはスーパーの時のようにフードを深々と被ったフラウが……いや影夢が現れる。
「ど、どうぞ……」
「いや男の俺が上がってもいいの?」
「あっ……いやどうなんだろ……と、とにかくいいから上がってってください!!」
あたふたとしながら瞳をグルグル回すが、最終的に強引に俺の手を引っ張り家の中に引き込む。
「お邪魔しま……うわっ!!」
彼女に続いて玄関を通り部屋に入るが、入るなり彼女は横に履ける。俺は彼女が避けたものにつまづき転んでしまう。
「これ……ゴミ袋? ってか部屋汚いな!」
部屋にはゴミ袋がいくつも置いてあり、部屋着も散乱している。飲みかけのペットボトルやお菓子の袋も散らばっている。
「ご、ごごごめんなさい!! これでも片付けた方なんですけど……あっ、クローゼットは開けないでくださいね。さっき下着を無理やり詰め込んだので」
「お、おう……」
相変わらず距離感がよく掴めず、こういうところからもコミュニケーションが苦手なのだろうということが見て取れる。
「それで何か用があるのか?」
「えーっと、まずお礼……はさっき言いましたよね。その……まぁもう分かると思うんですけど、私人と話すのが苦手で……」
正直彼女は俺が今まで会ってきた人の中で間違いなくダントツでコミュニュケーション力が低い。
まず目を合わせようとしないし、ハキハキ喋ることもできていない。昨日の配信時ではそんなことなかったというのに。
「でも配信中は普通に話せてたじゃないか」
「アーマー越しとか、顔を覆っていればまだ話せるんですけど……流石に外で仮面を着けるわけにもいかないですし」
ハロウィンとかなら被り物していても違和感ないが、日常的にしていたら通報されてもおかしくない。被り物等による解決策は現実的じゃないだろう。
「あれ? でも今俺とは結構普通に話せてない?」
「本当だ……どうしてですかね?」
スーパーで会った頃はオロオロしていてまともに会話すらできなかったが、今は普通に話せている。
しかし本人に自覚はなかったらしく、本人もそのことに関して首を傾げる。
「あなたとは何だか話しやすい……波長が合うって感じですかね?」
「波長……? それで、その波長やら話すのが苦手とやらが俺を呼んだことと何か関係があるのか?」
急にオカルトチックな話になりついていけなくなるが、ここにあまり長居もできないので話を軌道修正する。
「その……お願いしたいことがありまして」
彼女は改まって少しは俺と目を合わせてくれる。そしてもじもじしながらも数秒間を置いた後口を開く。
「私と友達になってくれませんか?」
お互いに偶然ここで鉢合わせたことに困惑しながらも、彼女は声をどもらせつつこちらに感謝の意を伝えてくる。
「いやその件は別にいいよ。人間助け合いだろ? じゃ、仕事に戻るから元気でな」
「えっ……」
品出しに戻ろうとするが、彼女に服の裾を掴まれそうはさせてくれない。
「どうしたの?」
「あっ……えっと……その……ここで話すのも……」
彼女は顔を段々と紅潮させ、また声を震わせ言葉を詰まらせ始める。
頑張って話そうとしているので話を切り上げることもできずにいると、彼女は俺の手からメモ帳を取り上げてまたそこに素早く何かを書く。
「こ、これっ! 仕事が終わったらここに!」
彼女は住所が書かれたメモ帳を返し、息苦しそうにしながらそそくさと退散する。
「これ……まさかあの子の家か?」
まともに話さず住所だけ渡してきた彼女に不審感を抱きつつも、俺は仕事に戻りその日は早めに切り上げる。
「さて……と。無視するわけにもいかないし、晩飯までまだ時間はあるから行ってやるか」
俺はあまり気は進まないがメモ帳に書かれた住所まで向かう。
「ここ……だよな?」
辿り着いた先はアパートの一室で、表札にはメモ帳に書かれているのと同じ影夢という名字が書かれている。
俺がインターホンを押せばすぐにそこから声が聞こえてくる。
「あっ……すぐに開けます」
相変わらずボソボソとした話し方でよく耳を傾けなければ聞き取るのは難しい。
すぐに扉が開かれそこからはスーパーの時のようにフードを深々と被ったフラウが……いや影夢が現れる。
「ど、どうぞ……」
「いや男の俺が上がってもいいの?」
「あっ……いやどうなんだろ……と、とにかくいいから上がってってください!!」
あたふたとしながら瞳をグルグル回すが、最終的に強引に俺の手を引っ張り家の中に引き込む。
「お邪魔しま……うわっ!!」
彼女に続いて玄関を通り部屋に入るが、入るなり彼女は横に履ける。俺は彼女が避けたものにつまづき転んでしまう。
「これ……ゴミ袋? ってか部屋汚いな!」
部屋にはゴミ袋がいくつも置いてあり、部屋着も散乱している。飲みかけのペットボトルやお菓子の袋も散らばっている。
「ご、ごごごめんなさい!! これでも片付けた方なんですけど……あっ、クローゼットは開けないでくださいね。さっき下着を無理やり詰め込んだので」
「お、おう……」
相変わらず距離感がよく掴めず、こういうところからもコミュニケーションが苦手なのだろうということが見て取れる。
「それで何か用があるのか?」
「えーっと、まずお礼……はさっき言いましたよね。その……まぁもう分かると思うんですけど、私人と話すのが苦手で……」
正直彼女は俺が今まで会ってきた人の中で間違いなくダントツでコミュニュケーション力が低い。
まず目を合わせようとしないし、ハキハキ喋ることもできていない。昨日の配信時ではそんなことなかったというのに。
「でも配信中は普通に話せてたじゃないか」
「アーマー越しとか、顔を覆っていればまだ話せるんですけど……流石に外で仮面を着けるわけにもいかないですし」
ハロウィンとかなら被り物していても違和感ないが、日常的にしていたら通報されてもおかしくない。被り物等による解決策は現実的じゃないだろう。
「あれ? でも今俺とは結構普通に話せてない?」
「本当だ……どうしてですかね?」
スーパーで会った頃はオロオロしていてまともに会話すらできなかったが、今は普通に話せている。
しかし本人に自覚はなかったらしく、本人もそのことに関して首を傾げる。
「あなたとは何だか話しやすい……波長が合うって感じですかね?」
「波長……? それで、その波長やら話すのが苦手とやらが俺を呼んだことと何か関係があるのか?」
急にオカルトチックな話になりついていけなくなるが、ここにあまり長居もできないので話を軌道修正する。
「その……お願いしたいことがありまして」
彼女は改まって少しは俺と目を合わせてくれる。そしてもじもじしながらも数秒間を置いた後口を開く。
「私と友達になってくれませんか?」
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