中卒の俺が偶然出会った有名配信者とコラボしたらトップランカー入りしてしました。学がなくても大バズりできる裏技でランキング一位を取ります。

ニゲル

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一章 四人の配信者

2話 偶然

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「ふぁぁ……どうしたの兄さん? 朝からそんな大声出して?」

 俺がランキングの異様な上がり具合に驚き思考をグルグル回している最中、先程の大声で目を覚ました妹が部屋に入ってくる。

「あ、いや……何でもない! 起こして悪かった。今朝飯作るからちょっと待っててくれ」
「ん、別にまだ時間あるから急がなくて大丈夫だよ。いつもありがとね兄さん」

 この子は俺の妹の霧子。俺なんかとは違って学業優秀で今は有名な進学校に通っている自慢の妹だ。
 両親が亡くなった今彼女を支えられるのは自分だけ。将来の大学の学費のためにも俺は家事だけではなくアルバイトや配信活動でお金を貯めなければならない。

「あ、ニュースでダンジョン配信について取り上げてる」

 俺が弁当を作っている最中。着替えを済ませてテレビを見ていた霧子が画面を指差す。
 料理から目を離すわけにもいかないので俺はテレビに耳だけを傾ける。

「昨日トップランカーであるフラウを助けたとされるアレギィは前々から戦闘能力が高く評価されている配信者であり、今回の件もあり株式会社サブネルソンはアレギィの能力を高く評価したようです。
 そのような経緯がありアレギィをランキング上位に入れるという判断を下したそうです」

「これ……兄さんのことだよね?」

 霧子は目を見開き俺にテレビを見るよう促してくる。俺は卵焼きを皿と弁当に盛り付け、それからまだ俺のことを取り上げるテレビを妹と共に見る。

「へぇー。あの配信者、ランキング10位だったのか……知らなかった」
「兄さんそういうのあんまり気にしないタイプだからね。でも配信者として活動するならそういうのも知っておいた方がいいと思うよ」
「そういうもんなのかなぁ……」

 俺は今までアルバイトと配信活動を並行して行っていたためそういう世俗的なものには疎く、配信関係も自分以外の人なんてまず知らない。
 ランキングが上がって注目度が上昇し、よりお金が入ってくることになるのは嬉しいが、だからといって特段何かが変わることはない。
 俺達はいつもの朝を過ごし妹は学校へ、俺はスーパーへバイトをしに家を出る。

「兄さん……アタシ大学に入れたらバイトするから兄さんも兄さんのやりたいことをやってね」
「いやそれはダメだ。だってお前が行きたい大学はレベルが高いんだろ? だったらバイトなんてしてる暇ないだろ。
 心配しなくても俺は大丈夫だから任せとけって」

 正直バイトだけなら賄えるか怪しかったが、天からの助けのように最近はダンジョン配信の収入がある。
 霧子が大学を出るまでのお金はなんとかなるだろう。

「そう……でもお金はいくらでも稼げるけど、兄さんは一人しかいないから……怪我しないでよ?」
「分かってるって。霧子は心配せず勉強頑張るだぞ! じゃ、俺こっちだから!」

 俺は霧子と別れてバイト先の行きつけのスーパーまで向かう。

「あらおはよう夜道君。今日も元気いっぱいね」
「はい! 元気だけが取り柄ですから!」

 スーパー指定の制服に着替える際に、ここに長年勤めているおばちゃんと色々やり取りして、それから俺は仕事に移る。
 何も変化のないいつもの仕事内容。今日も今日とて普段と変わらない日常になる……はずだった。

「あ、夜道君? ちょっとこの子が探し物あるみたいなんだけど、私じゃ分からないから頼めるかしら? 歳もあなたと近そうだし」

 先程のおばちゃんに呼び止められ、俺は何か探しているらしい女の子の元まで代わりに向かう。
 彼女は室内だというのに深々とフードを被っており、髪を眉毛あたりまで伸ばしており顔はよく見えない。

「何をお探しでしょうか?」
「あぅ……えっと……その……」

 見た目通りと言っては失礼かもしれないが、彼女は小動物のようにおどおどした感じで昔飼っていたハムスターみたいだ。
 だが今は仕事中。思い出に浸っている時間ではない。彼女から言葉を引き出して探し物とやらを見つけてあげて早く品出しに戻らないといけない。
 
「あっ、言葉で伝えるのが難しいならこの紙に書いてくれるかな?」

 話すのが苦手なら紙に書かせようと俺はメモ帳とペンを彼女に手渡す。
  
「……ぁ…….ます」

 ボソボソと小声で何か口にしつつも、手を素早く動かしメモを俺に返す。

「えっと……あぁこの今配信者とコラボしてるスナック菓子ね。それなら二つ向こうの列の棚に……」
「あれ……その声、もしかしてアレギィさん?」

 彼女は先程まで黙り込んでいたが、俺の声をじっくり聞いた途端にハキハキと話し出す。
 その声に俺は聞き覚えがある。つい先日聞いたあの声だ。そして今朝テレビでも少しだけ流れたフラウの声のものだった。
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