中卒の俺が偶然出会った有名配信者とコラボしたらトップランカー入りしてしました。学がなくても大バズりできる裏技でランキング一位を取ります。

ニゲル

文字の大きさ
27 / 57
二章 天才探偵

26話 本音と建前

しおりを挟む
「シャーロット探偵事務所……ここか」

 面接の日。俺はシャーロット探偵事務所まで足を運ぶ。事務所は中々大きく石階段を登って茶色のドアをノックする。

「はい。面接に来た人でしょう……か……」

 ドアを開けてきたのは助手のベラドンナで俺の顔を見て驚き少しの間固まる。

「こちらへどうぞ」

 しかしすぐに業務態度に戻り私情を挟まず淡々と応接間に通す。

「所長。バイトの面接を受けに来た者です」

「おや……君は確かこの前の。ふふっ。そういうことか。この前のお礼代わりに雇って欲しいってところかな?」

 シャーロットは応接間のソファーに足を組みながら座っており、堂々と所長としての風格を出そうとしている。
 小柄な体型のせいか子供が背伸びしている感じが拭えないが流石に口には出さず大人しく向かいのソファーに腰をかける。

「いやこの前の件とは関係なく……ちょっと色々あって仕事を探してたからだ……です」

 つい先日のことがあったせいかタメ口で話しそうになってしまい、ギリギリのところで軌道修正する。

「別にタメ口でいいよ。正直日本語にそこまで慣れてないから敬語を使われても分かりにくいだけだしね」

「そうか……分かった。じゃあそうさせてもらうよ」

 世間話もそろそろにして面接に入ろうとした時にベラドンナが紅茶を二杯持ってきてくれる。

「ありがとうベラドンナ君。さっ、紅茶を飲みながら優雅にいこうじゃないか」

 ベラドンナは何か別の仕事があるのか裏に下がり、俺とシャーロットの二人で面接が始まる。
 とはいえやけに西洋風な室内の雰囲気と話し方以外普通のバイトの面接と大差なく、順調に面接は進んでいく。

「じゃあ……最後に一つだけ個人的な質問をしてもいいかな?」

 数分の質問と出勤時間等の書類の書き込みの後空気が一変する。真面目で重苦しいものとなり、真剣な眼差しがそれが勘違いではないことを確信させる。

「君にはどうしても叶えたい夢のようなものがあるとする。しかし病気により余命がもうあまりない。
 そんな状況だったら、君だったらどうする?
 この質問は採用とは何にも関係ない。君自身の考えで答えてほしい」

「余命があと少しだったらか……」

 採用とは関係ないということで直感的に答えを出そうとするものの少し考え込んでしまう。
 もし自分が死んだら残される者達はどうなるのだろうか。フォルティーや敷島さんは俺なんていなくても自分の力だけで道を歩んでいくタイプだから問題ではない。
 しかし心配なのは霧子と花華だ。

 霧子は最近成長してきたもののまだ危なっかしいところがあるし、花華にとって俺は数少ない友達だ。
 死ぬわけにはいかない。しかし余命宣告を受けたら果たしてどうしたらいいのか。

「ならその余命が一日でも延びるように、無駄だとしても抵抗しますかね。もちろん夢も叶える前提で」

「そうか……分かった。今結果を決めたよ。君は……不採用だ」

「そんな……!!」

 一体何がいけなかったのだろうか。シフトかそれとも俺自体の何かしらの要因か。
 それとも先程の質問の採用に影響しないというのが建前だったのか。

「と言いたいところだが、採用に影響させないと言ってしまったからね。約束を破りたくはないし採用という形にしておくよ」

「よ、よかったぁ……」

 しかしシャーロットの気前のおかげでバイト探しを振り出しに戻す必要はなくなった。
 
「でも、君の実力次第ではクビもありえる。頑張ってもらわないと」

「じ、実力?」

「そうだよ。ベラドンナ君! 例の件頼んだよ!」

「では夜道さん。こちらに」

 彼女がひょっこりと顔を出し、俺は紅茶を飲み干してからその後をついていく。
 
「ではまずは洗濯からお願いします」

 連れて行かれた先は洗面所。そこの洗濯機の前に案内され指示だけされ放置される。

「この中にある洗濯物にしかるべき処置をお願いします」

「なるほどね。了解」

 多分これはバイトの研修に当たるものなのだろう。何ができるか試されている。なら存分に自分の実力とやらを見せるしかない。
 洗濯物を掴み、傷つけないよう引っかかりなどを考え持ち上げ籠に入れる。

「ハンガーとかはある?」

「はい。二階の干すスペースに。こちらです」

 二階のベランダで俺は渡されたハンガーなどを用い手際良く次々と洗濯物を干していく。
 中には女ものの、二人の下着等もあったが俺は慣れているしベラドンナも何も言わないので特に構わず干す。

「なるほど……まぁ合格でしょう。手際もかなり良いですし、なによりわたくし達の下着などに変な気を起こす素振りすら見せなかったですしね」

「合格? これって試験か何かも兼ねてるのか?」

「えぇ。ちなみに下着を手に持った時変な気を少しでも起こしていたら即クビでしたよ」

 俺の背中に悪寒が走る。
 もちろんそんな卑猥なことなど考えてはいなが、クビという二単語に体が震え上がってしまう。

「ま、まぁ俺は妹とかで慣れてるしそういうことは絶対しないから安心してくれよ」

「そうですね。では次はこちらに」

 そうして俺は次のテスト? とやらに向かうのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

疎遠だった叔父の遺産が500億円分のビットコインだった件。使い道がないので、隣の部屋の塩対応な美少女に赤スパ投げまくってる件

月下花音
恋愛
貧乏大学生の成瀬翔は、疎遠だった叔父から500億円相当のビットコインが入ったUSBメモリを相続する。使い道に困った彼が目をつけたのは、ボロアパートの薄い壁の向こうから聞こえる「声」だった。隣人は、大学で「氷の令嬢」と呼ばれる塩対応な美少女・如月玲奈。しかしその正体は、同接15人の極貧底辺VTuber「ルナ・ナイトメア」だったのだ! 『今月ももやし生活だよぉ……ひもじい……』 壁越しに聞こえる悲痛な叫び。翔は決意する。この500億で、彼女を最強の配信者に育て上げようと。謎の大富豪アカウント『Apollo(アポロ)』として、5万円の赤スパを投げ、高級機材を即配し、彼女の生活を神の視点で「最適化」していく。しかし彼はまだ知らなかった。「金で買えるのは生活水準だけで、孤独は埋められない」ということに。500億を持った「見えない神様」が、神の座を捨てて、地上の女の子の手を握るまでの救済ラブコメディ。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。

みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。 勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。  辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。  だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!

処理中です...