中卒の俺が偶然出会った有名配信者とコラボしたらトップランカー入りしてしました。学がなくても大バズりできる裏技でランキング一位を取ります。

ニゲル

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二章 天才探偵

36話 切り捨て

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 フォルティーはこの泥濘があるというのに構わずバイクを出現させ飛び乗る。しかしすぐにオーブを嵌め込みバイクを二足歩行の形態へ変形させる。
 この状態なら力強く踏み込み動けば泥濘に足を取られることもない。

「良いねぇそういう精神。大っ嫌いだよ!!」

 シャーロットは動きにくいこの空間で、遠距離攻撃手段を持ったフォルティーに無策にも突っ込んでいく。
 ガラ空きの全身に蜂の巣を作るべくロボットの両手からエネルギー弾が乱射される。

「頼んだよベラドンナ君!!」

 剣で数発弾くものの限界がくる。彼女は剣を横に回転させながらフォルティーの方へ放り投げる。
 本来の物理法則なら慣性がなくなり地面に落ちるはずだが、剣はそれを無視しシャーロットを守るように低速飛行する。
 ロボットの懐に入ったところで彼女は剣をキャッチしボタンを三回押す。刀身が先からパッカリと割れ中からビーム砲が出てくる。

「わたし達の……勝ちだ」

 先端に黄緑色のエネルギーが溜まり、ロボットの胴体に触れた途端それは爆発し発射される。
 熱を帯び吐き出された柱にロボットは押し上げられ、フォルティーの体は焦がされ宙を舞う。
 数秒経った後彼は地面に叩きつけられ打った箇所を手で押さえる。

「おっとそろそろ時間のようだね」

 このタイミングでこの場にいる五人全員の体が光に包まれ出す。目標値にはまだ達していないし俺と霧子は擦り傷すらないというのに。
 そして本当におかしなことは転送後に起きる。俺と霧子は人気のない路地裏に出るはずだがそうならなかった。
 
「やぁ。そっちの三人は初めまして……かな?」

 広く様々な機器が置かれた空間に数人の研究者と思われる白衣を着た人達。その中の一人、白衣を着て色付きのサングラスをかけたなんともミスマッチな服装の女性が前に出てくる。

「ワタシは三井美里。一応ここサブネルソンのダンジョン研究全般を任されている者だ」

 白衣のポケットから名刺を三枚出し俺と霧子とフォルティーに手渡す。
 三井美里。俺でもその名前はニュースなどで耳にしたことがある。ダンジョンを発見しパティシーを開発した偉大な研究者だ。

「おや……君は確か霧子くんじゃないか? 永瀬教授から話は常々聞いているよ。高校生だというのに名門大学を卒業できるほどの学力があるとか。それに……」

「おい!!」

 フォルティーが床を強く殴りつけ美里さんの言葉を防ぎ止める。怒りを隠す気もなく顔に出している。服はところどころ焼けてしまったのか焦げており、素肌が見える範囲でも生傷が目立つ。
 
「お前か……? あいつを倒すのを邪魔したのは!!」

 特殊な装置を使ったのか転送先をここに設定したこと。シャーロットとベラドンナを知っているかのような振る舞い。
 この程度の推論は立つ。彼女が二人に依頼して邪魔をしたのだと。

「そうだよ。君には悪いがあの魔物は貴重なサンプルなんだ。殺すなんてとんでもない」

「サンプルだと……?」

「そうさ。敷島くんから色々話を聞いて夜道くんと君の映像データから調べたが、奴はただ強いだけの魔物ではない」

 まだ根拠も論理も聞いていないのに、この場にいる全員がその話を信じ込む。
 あの魔物を目の当たりにして感じた異質な雰囲気を理解していたから。

「あいつを研究していけばいつかはダンジョンの秘密について分かるかもしれない。だから君のような愚か者に台無しにされるわけにはいかないんだよ」
 
 美里さんはフォルティーの額を指で突き、彼は今にも手を出してしまいそうだったが怒りを堪え我慢する。

「おっ、ワタシを殴るかい? 別に構わないよ。あの魔物を倒すのも君の自由だ。
 でも君がダンジョンに行くのを許可しているのはワタシだ。それをくれぐれも忘れないでくれたまえよ?」

 嫌な感じがするやり方だ。相手の弱みを握り自分が優位に立つ。あまり好きなタイプの人間ではない。
 
「君達はあの魔物から手を引いてくれればこれからも普段通りに過ごしてくれて構わない。そういうわけで頼んだよ?」

 それだけ一方的に言いつけると用事があるのか足早に立ち去っていく。

「だそうだ。それにしても夜道君が下手に動かなくてよかったよ。君の腕前は中々だからクビにしたくなかったしね。
 これからもよろしくね」

 完全にしてやられた。被害や損失があるわけではないが、今回はシャーロット達の手の上で踊らされて彼女らの思い通りになってしまったのだった。
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