中卒の俺が偶然出会った有名配信者とコラボしたらトップランカー入りしてしました。学がなくても大バズりできる裏技でランキング一位を取ります。

ニゲル

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三章 すいちゃんは可愛い‼️

46話 逃亡

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「なんで……味方だと……思ってたのに!!」

 彗星は俺を突き飛ばす。それだけなら尻餅を突くだけで済んだ。だが俺の体は勢いをつけ壁に打ち付けられる。
 鈍い痛みが背中に走り今の彗星の姿を視認するのが医者より遅れてしまう。

「ひぃぃぃっっ!!」

 医者が情けない声を出すのも納得な姿へと彗星は変貌を遂げていた。
 全身に無数の牙がついた口。そして蛇の頭部に灰色の鱗。見ただけで寒気を覚え鳥肌が立つ化物だ。

「あぁ……!!」

 彗星だったものは低い唸り声を上げ無数にある口から舌を飛び出させる。鞭のようにしならせ、当たった壁や天井は硬い材質だというのに簡単に抉られる。
 そしてその内の数本が医者の方へと向かっていく。

「危ないっ……!!」

 俺は医者を抱え部屋の外へ飛び出る。その際に背中に舌先が擦り服を裂き肉にまで達する。すぐに逃げようとするが背中が痛みそうはいかず、彗星は扉を壁ごと破壊して廊下に出てくる。
 
「フー……フー……!!」

 頭部の口から低い唸り声を溢し、全身の口から荒く呼吸をする。舌をうねらせ今にもこちらの命を刈り取ろうとする。

「彗星ちゃん……なの?」

 しかしそこに友也が駆けつける。場所と状況から目の前の化物が彗星だという推測を立てるが自分でその仮説を疑っている。
 
「友也逃げろ……!!」

 この場に彼が居たとしても何もできることはない。死人を出してしまう可能性を上げるだけだ。
 だが友也は逃げようとはせず見覚えのある物を、霧子が着けていたあのパティシーを取り出し装備する。

「溶接……」

 オーブをセットして注射器をカプセルに溶接し赤い液体が注射器に溜まっていく。

「変身!!」

 カプセルに液体を注入し、赤い花弁を撒き散らしながらアーマーを身に纏う。霧子と似ているが色違いの赤色のアーマーだ。
 彗星は標的を俺から友也へと移す。うねらせている舌を高速で友也に向かわせる。

「危ないっ!!」

 俺がつい声を上げてしまうが心配は杞憂で終わる。友也は舌と舌の合間を縫うように体を入り込ませて避ける。そして段々距離を詰め彗星の腹に拳を叩き込む。
 殺す気はなく彗星を俺達から引き剥がすだけだ。彼女は数メートル飛ばされた先で着地する。

「そうだったな……お前は霧子と同じ教授のところの……」

 俺も立ち上がりパティシーを装着する。あの舌の攻撃を弾くべくソードのオーブをセットして二刀流で防御を高める。

「あなたは逃げて!」

 俺は医者を逃し、友也と二人で彗星の前に立ち塞がる。とはいえいつものように戦い殺すわけにはいかない。
 その意見は友也も一致しているようで、俺達は倒さず捕まえる方針で彼女に挑む。

「ぐっ……」

 しかし躱し受け流す俺達に不利を感じたのか、彗星は重い一撃を放ち俺達を後退させた後に踏ん切り良く背を見せ駆け出す。
 
「待って!!」

 彼女に人殺しをさせるわけにはいかない。俺と友也も追いかけるが角を曲がったところで見失ってしまう。

「くっ……逃げられたか」

 俺は唇を噛み締めパティシーを外し変身を解除する。
 考えてみれば彼女は通常の魔物とは違い人間同様の知能がある。逃げる判断力も地の利も普段の魔物とは段違いというわけだ。 

「兄さん!」

「夜道君!」

 どうしたものかと二人で頭を悩ましている時会場の方から花華と霧子が走ってくる。

「何があったの? すごい跡があったけど……」

 先程彗星と戦った廊下の跡のことだろう。舌が何回も壁や天井に当たり抉っていたはずだ。きっと修復にうんと金がかかる現代アート風な見た目になっている。 

「信じられないかもしれないけど、彗星が魔物になったんだ」

「えっ……冗談だよね兄さん?」

 真剣な口調で話したつもりだが霧子には冗談と捉えられてしまう。それも仕方ない。俺も逆の立場だとしたら同じ反応をしてしまうだろう。
 だがこれは真実だ。俺は状況証拠と例のカプセル状の薬を見せながら事細かに説明する。

「なるほど……それで兄さんと烏野さんが応戦したと。頭が追いつかないけどとりあえずは飲み込めたよ。結構まずい状況だね」

 魔物と同等の力を持った存在が野放しになってしまった。その重大さを二人も理解できたようで俺同様に血の気が引き始める。
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