カードで戦うダンジョン配信者、社長令嬢と出会う。〜どんなダンジョンでもクリアする天才配信者の無双ストーリー〜

ニゲル

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六章 文化祭

68話 ディナーのお誘い

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 キュリアを捕らえた日から数日後。特に何事も起こることなく、例のレベル20のカードが出現した件も進展はなく僕達はいつも通りの日々に戻っていた。
 他のみんなも見た目ほど酷くなかったのか怪我は大したことなく、一番治りが早い峰山さんはもう自由にDOとして活動できるまで回復していた。

「では文化祭の出し物はダンジョン物展示で決まりです。細かい名前は後々決めましょう」

 そして今先生の言葉で文化祭の出し物が決まった。
 僕や峰山さんという専門的な人がいるからという理由が後押しし、出し物はダンジョンの物やそれをモチーフにした物などを作ったり持ってきて展示するということになった。

 ここ桜坂高校では毎年秋に文化祭が開かれる。
 ダンジョンに関する勉強に力を入れているここは文化祭も凝っていて、実際このクラスのようにダンジョンに関係がある出し物をするところも少なくない。
 例を挙げると去年は三年生が一般の人に向けてダンジョンの講座などを開いたりもしていた。

 出し物が決まり教室がガヤガヤとし始める頃に終礼のチャイムが鳴り授業は終わるが、教室内の空気は変わらずそのまま文化祭についての話で持ちきりになる。

「生人さんは何か案はありますか?」

 授業が終わるなり峰山さんが席を立ち僕の方まで来て話しかけてくる。

「案? ダンジョンの物の展示じゃないの?」
「いやそれはそうですけど。それだけだと結構アバウトですし、何か具体的な展示物を決めていかないといけないと思って」

 うーん。具体的なものか……等身大のサタン……はダメか。
 サタンの姿形にはトラウマを覚えている人も一定数いるだろうし、お客さんが怖がっちゃうか。

 二人で頭を悩ませている時、トイレから戻ってきた岩永さんが僕達の間に割り込んでくる。

「ねぇねぇ二人ともー! ウチ良いアイデアあるんだけど聞いてくんなーい?」
「良いアイデアとはどのようなものでしょうか?」
「いやー二人って今すごい人気じゃん? DOの若手のヒーローとしてさ」

 DOに入って半年以上が経ち、僕と峰山さんの知名度は高校入学時と比べ格段に上がっていた。
 とはいっても峰山さんの方は傍迷惑な手紙が届いたりしてうんざりすることもあったが。

「だから二人の変身したあの姿を展示したり、それのコスプレしたウチら。もしくは生人くん達が居れば盛り上がるんじゃない?」

 先程の授業から五分程で考えた案なのだろうが、それは首を縦に振るには申し分ない良い案だった。

「それいいかも! あ、でもランストの使用は父さ……指揮官に許可取らないと」
「その件なら大丈夫だと思いますよ。数年前に田所さんが手動式銃型花火とか言って校庭で花火大会開いてましてから」

 そんなことしてたんだあの人。相変わらずアグレッシブで読めない人だな。

「なら文化祭でランストを使うのはアリだね。でもそれだけじゃ物足りないし、他のものも考えないと」

 三人で話し合った結果色々案が出たが、それを具体的なものへと固める前にチャイムが鳴ってしまい普通の授業が始まるのだった。


☆☆☆

 
 学校が終わり、そこまでの話し合いで色々と作る物を決めたりした。
 その中で僕と峰山さんはサタンの生態図鑑みたいなものを作ってほしいと頼まれて、今彼女の部屋で自分達の過去の配信を見たり記憶を辿ったりしてサタン達の特徴をまとめていた。

「こうして見てみるとわたくし達ってかなりの数倒してきましたよね」
「でも新しいダンジョンは出現が止まる兆しが見えないし、これからも増えていくのかな?」
「そうですね。そういう根本的なものを解決しないと討伐数だけが増え続けるだけですからね」

 十二年前にダンジョンが地球上に現れてから今まで研究が進められていたが、ランストなどのサタンに対抗するシステムは作れても、ダンジョン自体をなくすことはできてこなかった。

「でも、ダンジョンの被害がなくなるいつかのために頑張っていこうよ。僕達は僕達のできることをやって、美咲さん達を信じよう」
「そうですね。頑張っていきましょう」

 それから七時くらいまで一緒に作業をして、お腹が空いてきたのでそこで今日は解散として僕は自分の部屋へと帰る。

「生人くん! 晩御飯もう食べちゃった?」

 峰山さんの部屋を出て扉を閉めた途端椎葉さんに話しかけられる。
 待ち伏せしてたわけではなく、僕が部屋を出るタイミングと彼女の部屋を出るタイミングが被ったのだ。

「今から何か作ろうかなーって」
「じゃあアタシと一緒にハンバーグ食べに行かない?」
「ハンバーグ!? 行く行く!」
「いやー良かったよ。予約制のお店でさ。ネットで予約したんだけど操作ミスで二名様になってて。一人だと何だか気まずかったから助かるよ。それじゃ行こっか」

 こうして僕は椎葉さんに連れられて、歩いてハンバーグ専門店の清々ビリーというお店まで行くのだった。
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