カードで戦うダンジョン配信者、社長令嬢と出会う。〜どんなダンジョンでもクリアする天才配信者の無双ストーリー〜

ニゲル

文字の大きさ
124 / 130
九章 新たなる脅威

118話 復縁

しおりを挟む
「ありがとう峰山さん! よーし。二人でいこう!!」

 ボクと峰山さんとで動きを合わせ奴に休む暇を与えず猛攻撃をしかける。
 ボクが接近して剣槍斧で防御を崩し、奴がたまらず離れたら今度は峰山さんの弓矢や鎌の衝撃波が奴を襲う。
 数分もすればご自慢の鎧も傷だらけになっており、奴は再び鎧を変えようとする。

「そこだっ!!」

[スキルカード 疾風]

 鎧が脱げるほんの一瞬。ボクはそれを見逃さず加速して近づき奴の露わになった腹に蹴りをおみまいする。
 鎧は奴を捕捉できなくなったのかその場に落ち、奴は明らかに狼狽える。

[必殺 ヒートファング]
[必殺 デビルランチャー]

 ボクは峰山さんと同じくらいの高さまで跳び上がり、彼女はゲートを創り出しそれをランチャー砲の形に変える。

[必殺 パラサイトエンド]

 だがボク達が必殺技を奴にくらわそうとする直前で舞台裏から氷柱が伸びてきて奴の両肩を捉える。
 裏からある人物が飛び出てきて奴に回し蹴りを放ち、カードをすぐさま回収して舞台裏まで戻る。

「なっ!? 待って!! 何で……どうして美咲さんがここに!?」

 忘れるわけもない。あの鎧は美咲さんが使っていたものだ。 
 彼女は特殊なランストとカードもろとも溶岩の中に落ちたはず。あの鎧が残っているはずが、彼女が生きているはずがない。

「生人さん! 追いかけましょう!」

 峰山さんは空中でボクのことを掴み、そのまま舞台裏に飛び込む。
 機材や着ぐるみなどが置いてある暗い舞台裏。そこに美咲さん……だと思われる人が立っていた。ボク達のことを待っていた。

「誰? 美咲さんじゃ……ないよね?」

 警戒しながらゆっくりと奴に近づき様子を伺う。

「不正解。ふふっ、久しぶりだね……生人君」

 その声は美咲さんのもので、彼女はゆっくり特殊型のランストに手をやり変身を解除する。
 間違いなく美咲さんだ。偽物や影武者ではない。家族同然のボクにはそれが分かる。

「それに寧々君も、中々良い目になったね」
「あなたは生人さんに敗れて自ら溶岩に沈んで死んだはずです。どうして……?」

 ボクがあの時見た光景は間違いなく現実だ。見間違いでも幻覚でもない。
 この目で確かに彼女が溶けて死ぬ様子を目撃した。だからこそ今目の前の現実はありえないもののはずだ。
 
「この私が負けた場合のことを想定していなかったと思っているのかい? 私は生人君の成長を、君の可能性を誰よりも信じていた。だからこそ君が私を乗り越える可能性も事前に想定していたのさ。
 とはいえそれは限りなく低い可能性だったから驚いたけどね」
「そんな話はどうでもいい!! 美咲さん……今度は何を企んでるの?」

 美咲さんが何故生きていたのか。この際それはどうでもいい。問題は彼女が今何をしようとしているかだ。
 もしかしたらまたたくさんの人を苦しめるとんでもないことを計画しているのかもしれない。

「細かくはまだ言えないが、一つだけ言えることがある。少なくとも今の私は君達とは、人々を救いたいという正義とは敵対しないはずだ。
 現にさっき倒した特殊なサタンは私が生み出したものではない」
「待って。特殊なサタンって何? 確かにこいつは強かったけど……」

 美咲さんは押し黙ってしまう。失言をしてしまったかのように。
 
「まだ知らないか……いや悪いね。私は今幾多の監視を掻い潜って生きている身で取得できる情報に限りがあるんだ。
 まぁ今回は君達の前に姿を現すしかなかったけど、その分収穫はあった」

 彼女の手に握られた数枚のカード。先程の奴が落としたものだ。至って普通のドロップカードだが何か特別な力があるのだろうか?

「ここで君達と一つ交渉をしたい。今日ここで私と会ったことは秘密にしといてくれないか?」
「ボク達に悪に手を貸せって? それにボクはあなたとは………………決別した」

 ボクは言い迷ってしまうもののハッキリと彼女と距離を取らせてもらう。
 美咲さんは非常に残念そうにし悲しそうな表情を浮かべる。

「それにわたくし達があなたを逃すと思ってるんですか?」

 峰山さんは容赦なく弓を構え始めその標準を彼女に合わせる。

「分かった。ならこちらももう一枚手札を見せよう。
 私が今生きていることをバレたくないのは、生人君に前に言った、私以上の悪に存在を悟られたら厄介だからだ」
「この前の……美咲さんが言うその悪って一体誰のことなんですか!?」

 外から段々と物音が聞こえてくる。恐らく風斗さん達がここに到着したのだろう。

「それはまだ言えない。そこまでは手札は見せられない。それに時間切れみたいだね。君達が賢い選択をすることを願っているよ」

 美咲さんは峰山さんに向かってその場にあった道具を投げつけ、踵を返し背中を見せ逃げる。
 道具が弓の軌道を逸らし、ボクがすぐに追いかけるものの角を曲がったところで見失ってしまう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

処理中です...