転生特典は女神様!? 食べる度に強くなり続けるボクの異世界冒険ライフ!!

ニゲル

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一章 女神様と異世界と

8話 強襲

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 九つの生命体が明確な殺意をボク達に向けてくる。ボクはサラマンダーの干し肉を頬張り素早く飲み込む。

「う"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"!!」

 体温が上昇し自然に雄叫びを上げてしまうほど気分が高揚する。パルテさんよりも速く前に出て戦闘のゴブリンの頭部を掴む。武器も使わぬ素手の攻撃に一瞬怯んだ隙に、他の仲間が来るよりも速く奴の頭を引き千切り胴体と別れを告げさせる。
 しかし引き千切るのに少々手間取ってしまいあっという間にボクは囲まれてしまう。空気を裂き肌を掠る棍棒。絶命がすぐそこまで迫る感覚によりボクの神経は更に過敏になる。

「大丈夫!?」

 退避した先で待ってくれていたセリシアが掠った部分に魔法をかけてくれる。傷口が淡い光に包まれ傷が塞がっていく。

「冥矢君武器武器! あの武器使ってよ!」

「あっ……そ、そうだね!」

 我を忘れてしまっていたのか、昨日買った武器のことがすっかり頭から抜け落ちていた。急いでアイテムボックスから取り出そうとするものの初めて取り出そうとするため手間取ってしまう。
 その間にゴブリン達が迫ってくるが、突然ゴブリンとボクの間の空間が爆発する。パルテさんの剣の先から小さな光の粒が発射され、ゴブリンの直前で制止して爆風で奴らにダメージを与え退かせる。
 
「今のうちにその武器とやらを!」

「う、うんありがとう!」

 ボクはあの青い石が嵌め込まれた円柱状の武器を取り出す。石が淡く光り刀身が細い、レイピアが生み出される。ボクはそこに炎を纏わせ火の剣を創り出す。

「わたしが爆発を起こして隙を作る。そこを突いてくれ!」

 パルテさんがまた地面を爆破させてゴブリン達をたじろがせる。ボクは沸る血液が循環する体を動かし、一瞬で距離を詰めゴブリン達の頭部にレイピアを突き刺していく。
 しかし残りの奴らをまとめて倒すことはできず一匹どうしても残ってしまう。

「冥矢君伏せて!!」

 掛け声と共に風切り音が耳に入る。ボクは咄嗟にしゃがみその上をナイフが通過する。それはゴブリンの脳天を捉え深々と突き刺さり奴は耐えられるはずもなく倒れすぐに呼吸を止めるのだった。

「セリシア君……今のは少々危ないんじゃないかな?」

「えっ!? あ、か、体が勝手に動いちゃって……あはは……」

 本当だ。しゃがめたから良かったが一歩間違えればボクの後頭部が悲惨なことになっていた。

「そういえば君は治癒魔法が使えるのかい?」

「あぁ……そうなんですよ」

「治癒魔法は珍しいからそれを極めてみるといいよ。きっと君なら最高の冒険者になれるさ」

「そ、そんな……えへへ」

 彼女は褒められてにやけ面を浮かべる。

「あれ? そういえば他の人達は? さっきから音がしないけど……」

 ボク達の他にも数人男の人が居たはずだ。それなのに先程から戦っている音が、足音すら聞こえない。

「そうだな……一体何が……ん?」

 突然パルテさんの視線が足元へと向けられる。

「えっ……?」

 段々と彼女の顔が青ざめていく。ボクとセリシアも彼女の視線を追いかけ同じ反応をしてしまう。
 いつのまにか彼女の足に深々と青白い棒状の物が突き刺さり貫通していた。そこから漂う冷気がボクに鳥肌を立たさせる。

「あ……あぁぁ"ぁ"!?」

 痛みが遅れて襲ってきたのか、パルテさんは絶叫と共に傷口に手を伸ばす。

「待って! 私が治すから!」

 セリシアがすぐに駆け寄ろうとしたが途中で躓き頭から転んでしまう。いや躓いたのではない。足をあの氷の槍で突き刺されたのだ。攻撃した瞬間が全く見えなかった。見えないが確実に死がすぐそこまで迫って来ている。

「何か……やばいっ!!」

 頭で考えず体が勝手に動き、咄嗟にボクはその場で跳び上がり宙に舞い上がる。先程までボクが立っていた地面には氷の槍が突き刺さっており、あのまま留まっていたらボクも二人と同じ傷を作っていただろう。

「躱した……見えたのか? いや、勘で跳んだだけか。とはいえその若さでこの判断力は中々だ。人間にしてはだが」

 木陰からサティがヌルりとその姿を現す。周りにはパルテさんやセリシアの足を突き刺さしたあの槍が浮いている。

「お前がやったのか?」

「そうだけど……見れば分かると思うんだが?」

 癪に障る話し方だ。左手を常にこちらに向けいつでも槍を発射できるよう構えている。

「何で攻撃してくるんだ!? それに他の人達は……」

「もう隠す必要もないな……」

 サティの暗い青色の前髪が揺れる。額から角が生え体格が一回り大きくなる。

「その特徴……魔族……!?」

 パルテさんが痛みを堪えながらも小さく声を漏らす。
 魔族。パルテさんの話によればわざわざ人間の前に出てくるような奴はとてつもなく強いらしいが、こいつの実力は正にそれだ。

「まぁ抵抗なく全員捕まえるのもつまらん……遊んでもらおうか……」

 今まともに戦えるのはボクだけ。この世界に降り立ってからまだ一日も経過していない。だというのにこんな絶体絶命の状況に陥ってしまうのだった。
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