転生特典は女神様!? 食べる度に強くなり続けるボクの異世界冒険ライフ!!

ニゲル

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二章 矛盾

49話 手を振り払い

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「う"ぉ"ぉ"ぉ"ぁぁぁぁ!!!!」

 ボクの全身に沸騰する血が駆け巡る。感覚が研ぎ澄まされ目に映る全てが遅く動く。死体達が勢いを緩めず一斉に襲いかかって来るが、ボクはナイフやクワを躱しトールさんがやったように的確に奴らの首を切り落としていく。
 十数体に囲まれれば隙もできてしまい一体がボクを羽交締めにするべく背中に抱きつき拘束する。そこに被さるようにして何体も何体も集まってくる。

「邪魔だぁっ!!!」

 計数百キロの被さりを一回力を込めて振り払うだけで全て弾き飛ばす。

「おい冥矢!! 先走るなって言ってんだろ!!」

 扉の方から来る死体の増援を倒しながらトールさんが姿を現す。ボクが窓から飛び出して登って行ったせいでその皺寄せがいってしまっていたようだ。
 ボクは一瞬だけ彼を視界に入れるとすぐに目の前の死体に攻撃を始める。存在する敵を全て倒しミリューへの距離を詰めていく。

「って……おい冥矢? あぁもうだから人の話聞けって!!」

 ボクが取りこぼした敵はトールさんが倒してくれてセリシア達に被害は及ばない。ボクは心置きなく暴れられる。だが突然ボクの全身が氷に包まれる。一人の旅人風の女がボクを魔法で氷漬けにする。

「冥矢!!」

 トールさんが死体を薙ぎ倒しながらこっちに向かって来てくれるがその必要はない。氷はみるみる内に溶け出す。ボクの熱で。そしてボクは薄くなった氷を噛み砕いて飲み込む。

「はぁぁぁ!!!」

 圧倒的な力で氷を砕き外に出て、今度はボクの魔法で奴を氷漬けにする。体内にある肉も全て一瞬で凍りつかせ固める。そこを斧で力強く叩き粉々に散らせる。

「くっ……」
 
 ミリューは後退しながら地面を蹴り屋上から飛び降りようとする。そのまま逃げ去る気だ。

「逃すかぁっ!!」

 ボクは斧を鞭に変えそれをしならせミリューの体に巻きつける。

「えっ……」

 不意を突かれあの気を流すことすらしてこないミリューをとてつもない力で一気に引き寄せる。

「うぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 同時に高く跳びつつ鞭を斧に戻す。そして大きくノーガードで斧を振り上げボク達は互いに近づいていく。
 
「いや……まっ……!!」

 またあの目をされ助けを乞われるが、ボクはその手を振り払う。振り下ろした斧はミリューの体を捉え、肩から腰にかけて斜めに斬り奴を真っ二つにする。
 途端に死体達は動きを止めてバタリと倒れ動かなくなる。

「あぁ……死ぬのって、こんなに怖いんだ……そりゃ……みんな嫌がる……よね……」

 魔族の生命力からか体を切断されても中々死に至らない。ボクは苦しめさせない意図も込めて斧を頭に振り下ろし終わらせてあげるのだった。

「はぁ……ぐっ!!」

 戦いが終わるとボクの体にグッと疲労が襲ってきてその場に倒れてしまう。

「おい大丈夫か冥矢?」

「ボクはそのうち立てます……だから他のみんなを……」

「そうかい。じゃあそうさせてもらうよ」

 数分もすればボクはまた立てるようになり怪我をしたみんなの手当てに加わる。

「大丈夫お姉ちゃん?」

「うん……とりあえずは。でも少しの間魔法は使えなさそう」

 治癒魔法は使えない。とりあえず応急手当を施しみんな一命を取り留める。しかしリリィは特に怪我が酷くしばらく起きれそうにない。セリシアが回復してからは彼女に治療を任せ、ボクとトールさんはみんなを運び屋敷の空いている一室に入る。

「霧が晴れてきたな。やっぱあの霧もあいつの魔法だったか」

 外は晴れており村全体が見渡せるようになっている。ポツポツと死体が転がっており相変わらず気味が悪い。
 リリィとルディとパティはベッドに寝かせ安静にさせる。三人ともあの禍々しい気に触れてしまったらしくかなり消耗していた。

「じゃあちょっとお話しよっか。地球から来たって話をね」
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