JKなのに異世界に転生されたのでスキルを使って男達を手玉にとりました

金城城太郎

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フェロモンの力と異世界の目覚め

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「ドーン!」という音とともに視界が真っ白に染まる。次の瞬間、耳をつんざくような金属音と、人々の叫び声が混じり合う。通学途中の横断歩道で、主人公の須藤みつきは目の前に迫ってくるトラックを見て、何もできずにその場で立ち尽くしていた。    衝撃はあっけなく、そして激しい。痛みを感じる暇もなく、みつきの意識は遠のいた。

 「これが……死ぬってこと、なんだ……」

 そんな思いを抱えながら、彼女は目を閉じた。

 ――ところが。

 気づけば、みつきは広い空を仰ぎ見ていた。澄んだ青空に浮かぶ雲が、ゆっくりと流れていく。まばゆい日差しが顔に差し込むのを感じ、みつきはしばらくそのままぼんやりと天を眺めていたが、次第に自分が横たわっていることに気づく。

 「……え? 私、まだ……生きてる?」

 みつきは上半身を起こし、周りを見回す。そこは見知らぬ場所だった。草原が広がり、遠くには森が見える。あまりにも現実離れした光景に、みつきは目を瞬かせた。

 「ここ、どこ?」

 頭の中は混乱していたが、ふと身体に違和感を覚えた。自分の身体が、まるで何かが変わってしまったかのように軽く、そして……妙に整っているような感覚がする。まじまじと手足を見つめ、さらに鏡のように水面に映った自分の姿を見た瞬間、みつきは驚愕した。

 「え!? これ、私?」

 転生したのか、異世界に来てしまったのかは分からない。ただ、目の前にいるのは明らかに以前の自分とは異なる、凛とした美しさを持つ少女の姿だ。そんな戸惑いの中、彼女はふと不思議な感覚に気づく。まるで周囲の空気が少しだけ……揺れ動いているような、そして何かが引き寄せられるような感覚。

 ――その瞬間。

 「……あ、あれは!」

 遠くの草原の向こうから、一人の青年が慌ててこちらに駆け寄ってくる。彼は何かを叫んでいるが、みつきにはよく聞こえない。しかしその表情はどこか困惑していて、額には汗が滲んでいる。

 青年はみつきの目の前まで来ると、驚いたように立ち止まり、息を切らしながら彼女を見つめた。

 「君、大丈夫か? こんなところで倒れて……怪我は?」

 彼は真剣な表情で問いかけてくるが、みつきはその口調と態度に一瞬で心を奪われそうになった。背が高く、端整な顔立ち。そしてどこか貴族のような気品がある。

 「え、あ、だ、大丈夫……たぶん」

 みつきは慌てて答えたが、青年の視線が妙に熱っぽいことに気づき、少し戸惑う。しかし、彼の言葉に耳を傾けるうちに、自分の中で何かが変わっていることを感じ始める。

 「もしかして、これが……スキル?」

 それが「フェロモン」という固有スキルだと、彼女が自覚するのはもう少し先の話だった――。
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