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精霊王と悪鬼
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眠るミルラをそっとベッドにうつし、私はそばに寝転がって再び目を閉じた。すう、すう、というミルラの寝息に、だんだん私も眠くなってくる。
涼しい風が、優しく頬を撫でていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
リュシリューはイライラと相手の顔を見ていた。
「全く理解ができないのですが、なぜわざわざ訪ねてきた客人をこのような場所へ通したのですか?」
見回せば堅牢な石作りのそこは、罪人を閉じ込めておくための場所だとすぐにわかる鉄格子すらあった。
「残念だが、公爵家は貴方を客人とは考えていない。あなたは公爵から任された領地を勝手に放棄し、それを売却しようとした罪人だからな」
向かい側に座る男、アシュレイの義兄であるテオドア・キンバリーはこんな場所にそぐわないような、華やかな濃紺の典礼用のマント姿で長い足を組んでいる。
「何を言っている、あれは伯爵家が代々受け継いできた領地で」
「それはたかだかここ百年ほどの話。権利書にも領地はすべて『公爵の代理として治め、他者への譲渡売却は認めない』と書かれていたはずだが?」
リュシリューはさあっと顔色を青ざめさせた。親から受け継いだ領地だから当然全て自分のものだと軽視し、内容の確認を怠ってきたからだ。
テオドアが掲げてみせたのは、リュシリューが失った幾つかの領地の権利書だった。
「お前たちが手放してすぐ、商人が私のところへ持ってきた。お前たちと違って書類の内容に目を通したようだな」
リュシリューは、だが、と体を乗り出す。
「そいつは、なにも知らないミュシャを騙して権利書をまきあげた奴でしょう、そいつこそ牢に」
「彼はアシュレイから先手をうって、もしかしたらお前たちが領地を勝手に売却しようとするかもしれぬと手紙で知らされたと言っていた。だから、私のところへ権利書を持ってきた、とね。ずる賢い男だ。もし自分の物だとでも言いはったならば、奴も貴様ら同様に始末してやるものを」
男が書類を侍従に持たせると、リュシリューは男をにらみつけた。
「またアシュレイですか、あなた方は公爵夫人の連れ子だというあの小娘にいつまで踊らされてやるつもりなのだか」
その言葉が終わらぬうちに、テーブルがガン、と大きな音をたてた。男がテーブルの足を蹴ったのだ。
「次に私の義妹について何か話したら、その口二度ときけぬよう舌を引き千切る」
若様、と侍従がテオドアに声をかけて落ち着くよう促す。その狂暴性をおさえるためか、テオドアは右手を強く握りしめ、そのために指先には血が滲んだ。
「幸いにもアシュレイは目を覚ましたが、お前たちの嫌疑は晴れてはいない…」
眉間を抑えたテオドアの言葉に、リュシリューが怒鳴る。
「馬鹿馬鹿しい!あれはメイド長が勝手にやったことだ。私たちに関係があるなら証拠を出してみせろ!」
その言葉に、テオドアはにやりと口元をひきあげた。
「だからこそ貴様をここへ呼んだんだ。フォード男爵のタウンハウスの食器と、貴様の屋敷の引き出しからアシュレイに使われたのと同じ毒薬が見つかった。さて、どう言い逃れをする?」
ハァっ、ハァっ、とリュシリューはあらく息を吐いた。それはリュシリューの計画では見つかるはずのないものだ。そもそも、アシュレイの毒とおなじだなどと、知るよしもない。
「っ、罠だ!私を罠にかけようとして、誰かが仕掛けた…」
ニタリ、とテオドアが嗤う。
「貴様のせいか!目障りな義妹を退けてやったというのに何故、このような」
ガツン、と重い音がしてリュシリューの目の前に何かふってきた。見れば、テオドアが持っていた宝剣の先がテーブルに突き刺さっている。
リュシリューはヒイヒイと情けない声を出して椅子から転げ落ち、後ずさる。眼鏡が割れて罅がはいったが、いまはそれを気にする余裕すらない。
「この剣は今を去ること数百年前、聡明なるキンバリーがこの帝都の地に移るより前に、我がゼクセン家が賜った誓いの剣だ。伯爵家の剣はとっくに錆びて朽ちたと見えるがな」
皮肉なことだ、とテオドアが唇を歪めた。
「皇帝の恩寵にあずかるために、己の主を忘れるような粗忽な者が伯爵となり、騎士の誓いを貫いた我が血族が、キンバリーの最後の姫の守り番となるとはな」
だが、とテオドアは突き刺さっていた宝剣を片手で簡単に引き抜く。ブンと音をたててリュシリューの首もとへ剣を向ける。
「罠だといったな?その通りだ。皇宮でも、別の夜会でも貴様のそのよく回る舌がアシュレイの名を紡ぐたび、幾度切り落とそうかと考えていたことか」
テオドアは立ち上がり、リュシリューを見下ろした。
「アシュレイが私たちに与えてくれた好機だ」
こつ、とテオドアが履いた靴がリュシリューにちかづく。
「こ、こんな、裁判もなしに罪人などと!」
割れた眼鏡を必死に持ち上げながら、リュシリューは震える声で抗議した。
「アシュレイとておなじだっただろう?皇宮はとうにお前たちの処遇をキンバリー家に任すと言ってきている…」
「それは貴様らが皇帝を脅したからだろうが!」
ガッ、とリュシリューの足の間、股間すれすれのところに再び宝剣が振り下ろされる。
「ああ!違いないな。だが、たかが貴族の反乱も抑えられぬとは皇帝陛下も情けない。アシュレイが全快したら首をすげ替えるとするか!」
正気じゃない、とリュシリューは呟いた。
「それは謀反だ!恐ろしい罪人はお前のほうではないか!この狂人が!」
「私も父も、アシュレイが無事であれば何も望まなかった…引き綱のない狂犬を世に放ったのは、おまえだ。この牢で一生涯、その事を悔やんで死ぬがいい」
リュシリューの真後ろにある牢の扉がひらかれ、自ら入るようテオドアは促したが、リュシリューはそれに首を振って抵抗した。
「私は伯爵だぞ、いくら私の父がボンクラ男爵でも、私がいなくなれば…」
「いい忘れていたが、お前の爵位は皇帝陛下の命により返上となった。フォード家はフォード男爵家のみを残して取り潰しだ。今頃屋敷は皇帝陛下の衛兵と公爵家の騎士団によって制圧されているだろう。証拠が欲しければ伯爵邸の兵の首でも持ってきてやろうか?殺風景な牢のいい飾りになるだろう?」
リュシリューは完全に沈黙した。信じられない思いはあったが、証拠を出せといえばこの狂人が何をしでかすかなど予測もつかなかったからだ。
「テオドア、そのくらいにしておけ」
だから入り口の重い鉄の二重扉が開き、靴音と共にその声がしたときリュシリューはホッと息をついた。
「これは公爵閣下、あまりにお出でが遅いですよ。貴方の息子はあの女の色香に騙され、私をこのような牢へ入れるというのです」
ふむ、と公爵は痩せた頬に手をやった。
「それはいかんな」
リュシリューはよかった、と胸を撫で下ろす。やはり公爵子息の言うことは単なる脅しだったのだと。
「そうでしょうとも!聡明かつ寛大な公爵閣下であれば、そうおっしゃると思っておりました」
リュシリューがにやにやしながら立ち上がろうとしたところで、公爵はリュシリューの前に立ち、かぶっていた帽子をぬいで嗤った。
「キンバリー公爵が私に託してくださった姫君を愚弄した下賎の獣を、あたかも人間の如くこのキンバリーの屋根の下へ置くなど、到底許されぬと君も思うだろう?二度と歩き回れぬよう手足を水車小屋の粉轢きで砕いて、舌を切り落として馬と共に厩につなぐのがいいと言ったのだが、このテオドアは楽観主義者でな」
そう言って凶悪そうなそのこけた顔に喜色をうかべる公爵に、うそだ、いやだといいながらリュシリューは後ずさった。そして、自ら開いていた牢の扉を自らくぐった。
「鉄格子を閉めろ!早く!」
「おかしな奴だ、いいぞ、閉めてやれ…二度とアシュレイの前に現れるんじゃないぞ。大丈夫、我々は時々相手をしに来てやろう」
テオドアは口の端を引き上げ上機嫌にいった。
「お前の父親と弟妹に少しずつお前を送り返すのもいいな」
父上、とテオドアは公爵を呼ぶ。
「そろそろアシュレイのお茶の時間だ」
見張りの数人の兵を残して、二人は牢を後にする。牢のすみで、リュシリューはただガタガタと震えていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
がば、と起き上がった私にミルラが驚いて起きてきた。
「ミルラ、いまのも貴方の鱗粉の力?」
んん?とミルラは首をかしげた。
「わからないよ、まだ力が残ってたのかな…」
「本物の夢かもしれないのね?でも私、公爵邸にいかないと!」
このままではお義父様とお義兄様はなにをしでかすかわからないじゃない。
私は起き上がり、キャルを呼ぶためのベルを鳴らした。
涼しい風が、優しく頬を撫でていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
リュシリューはイライラと相手の顔を見ていた。
「全く理解ができないのですが、なぜわざわざ訪ねてきた客人をこのような場所へ通したのですか?」
見回せば堅牢な石作りのそこは、罪人を閉じ込めておくための場所だとすぐにわかる鉄格子すらあった。
「残念だが、公爵家は貴方を客人とは考えていない。あなたは公爵から任された領地を勝手に放棄し、それを売却しようとした罪人だからな」
向かい側に座る男、アシュレイの義兄であるテオドア・キンバリーはこんな場所にそぐわないような、華やかな濃紺の典礼用のマント姿で長い足を組んでいる。
「何を言っている、あれは伯爵家が代々受け継いできた領地で」
「それはたかだかここ百年ほどの話。権利書にも領地はすべて『公爵の代理として治め、他者への譲渡売却は認めない』と書かれていたはずだが?」
リュシリューはさあっと顔色を青ざめさせた。親から受け継いだ領地だから当然全て自分のものだと軽視し、内容の確認を怠ってきたからだ。
テオドアが掲げてみせたのは、リュシリューが失った幾つかの領地の権利書だった。
「お前たちが手放してすぐ、商人が私のところへ持ってきた。お前たちと違って書類の内容に目を通したようだな」
リュシリューは、だが、と体を乗り出す。
「そいつは、なにも知らないミュシャを騙して権利書をまきあげた奴でしょう、そいつこそ牢に」
「彼はアシュレイから先手をうって、もしかしたらお前たちが領地を勝手に売却しようとするかもしれぬと手紙で知らされたと言っていた。だから、私のところへ権利書を持ってきた、とね。ずる賢い男だ。もし自分の物だとでも言いはったならば、奴も貴様ら同様に始末してやるものを」
男が書類を侍従に持たせると、リュシリューは男をにらみつけた。
「またアシュレイですか、あなた方は公爵夫人の連れ子だというあの小娘にいつまで踊らされてやるつもりなのだか」
その言葉が終わらぬうちに、テーブルがガン、と大きな音をたてた。男がテーブルの足を蹴ったのだ。
「次に私の義妹について何か話したら、その口二度ときけぬよう舌を引き千切る」
若様、と侍従がテオドアに声をかけて落ち着くよう促す。その狂暴性をおさえるためか、テオドアは右手を強く握りしめ、そのために指先には血が滲んだ。
「幸いにもアシュレイは目を覚ましたが、お前たちの嫌疑は晴れてはいない…」
眉間を抑えたテオドアの言葉に、リュシリューが怒鳴る。
「馬鹿馬鹿しい!あれはメイド長が勝手にやったことだ。私たちに関係があるなら証拠を出してみせろ!」
その言葉に、テオドアはにやりと口元をひきあげた。
「だからこそ貴様をここへ呼んだんだ。フォード男爵のタウンハウスの食器と、貴様の屋敷の引き出しからアシュレイに使われたのと同じ毒薬が見つかった。さて、どう言い逃れをする?」
ハァっ、ハァっ、とリュシリューはあらく息を吐いた。それはリュシリューの計画では見つかるはずのないものだ。そもそも、アシュレイの毒とおなじだなどと、知るよしもない。
「っ、罠だ!私を罠にかけようとして、誰かが仕掛けた…」
ニタリ、とテオドアが嗤う。
「貴様のせいか!目障りな義妹を退けてやったというのに何故、このような」
ガツン、と重い音がしてリュシリューの目の前に何かふってきた。見れば、テオドアが持っていた宝剣の先がテーブルに突き刺さっている。
リュシリューはヒイヒイと情けない声を出して椅子から転げ落ち、後ずさる。眼鏡が割れて罅がはいったが、いまはそれを気にする余裕すらない。
「この剣は今を去ること数百年前、聡明なるキンバリーがこの帝都の地に移るより前に、我がゼクセン家が賜った誓いの剣だ。伯爵家の剣はとっくに錆びて朽ちたと見えるがな」
皮肉なことだ、とテオドアが唇を歪めた。
「皇帝の恩寵にあずかるために、己の主を忘れるような粗忽な者が伯爵となり、騎士の誓いを貫いた我が血族が、キンバリーの最後の姫の守り番となるとはな」
だが、とテオドアは突き刺さっていた宝剣を片手で簡単に引き抜く。ブンと音をたててリュシリューの首もとへ剣を向ける。
「罠だといったな?その通りだ。皇宮でも、別の夜会でも貴様のそのよく回る舌がアシュレイの名を紡ぐたび、幾度切り落とそうかと考えていたことか」
テオドアは立ち上がり、リュシリューを見下ろした。
「アシュレイが私たちに与えてくれた好機だ」
こつ、とテオドアが履いた靴がリュシリューにちかづく。
「こ、こんな、裁判もなしに罪人などと!」
割れた眼鏡を必死に持ち上げながら、リュシリューは震える声で抗議した。
「アシュレイとておなじだっただろう?皇宮はとうにお前たちの処遇をキンバリー家に任すと言ってきている…」
「それは貴様らが皇帝を脅したからだろうが!」
ガッ、とリュシリューの足の間、股間すれすれのところに再び宝剣が振り下ろされる。
「ああ!違いないな。だが、たかが貴族の反乱も抑えられぬとは皇帝陛下も情けない。アシュレイが全快したら首をすげ替えるとするか!」
正気じゃない、とリュシリューは呟いた。
「それは謀反だ!恐ろしい罪人はお前のほうではないか!この狂人が!」
「私も父も、アシュレイが無事であれば何も望まなかった…引き綱のない狂犬を世に放ったのは、おまえだ。この牢で一生涯、その事を悔やんで死ぬがいい」
リュシリューの真後ろにある牢の扉がひらかれ、自ら入るようテオドアは促したが、リュシリューはそれに首を振って抵抗した。
「私は伯爵だぞ、いくら私の父がボンクラ男爵でも、私がいなくなれば…」
「いい忘れていたが、お前の爵位は皇帝陛下の命により返上となった。フォード家はフォード男爵家のみを残して取り潰しだ。今頃屋敷は皇帝陛下の衛兵と公爵家の騎士団によって制圧されているだろう。証拠が欲しければ伯爵邸の兵の首でも持ってきてやろうか?殺風景な牢のいい飾りになるだろう?」
リュシリューは完全に沈黙した。信じられない思いはあったが、証拠を出せといえばこの狂人が何をしでかすかなど予測もつかなかったからだ。
「テオドア、そのくらいにしておけ」
だから入り口の重い鉄の二重扉が開き、靴音と共にその声がしたときリュシリューはホッと息をついた。
「これは公爵閣下、あまりにお出でが遅いですよ。貴方の息子はあの女の色香に騙され、私をこのような牢へ入れるというのです」
ふむ、と公爵は痩せた頬に手をやった。
「それはいかんな」
リュシリューはよかった、と胸を撫で下ろす。やはり公爵子息の言うことは単なる脅しだったのだと。
「そうでしょうとも!聡明かつ寛大な公爵閣下であれば、そうおっしゃると思っておりました」
リュシリューがにやにやしながら立ち上がろうとしたところで、公爵はリュシリューの前に立ち、かぶっていた帽子をぬいで嗤った。
「キンバリー公爵が私に託してくださった姫君を愚弄した下賎の獣を、あたかも人間の如くこのキンバリーの屋根の下へ置くなど、到底許されぬと君も思うだろう?二度と歩き回れぬよう手足を水車小屋の粉轢きで砕いて、舌を切り落として馬と共に厩につなぐのがいいと言ったのだが、このテオドアは楽観主義者でな」
そう言って凶悪そうなそのこけた顔に喜色をうかべる公爵に、うそだ、いやだといいながらリュシリューは後ずさった。そして、自ら開いていた牢の扉を自らくぐった。
「鉄格子を閉めろ!早く!」
「おかしな奴だ、いいぞ、閉めてやれ…二度とアシュレイの前に現れるんじゃないぞ。大丈夫、我々は時々相手をしに来てやろう」
テオドアは口の端を引き上げ上機嫌にいった。
「お前の父親と弟妹に少しずつお前を送り返すのもいいな」
父上、とテオドアは公爵を呼ぶ。
「そろそろアシュレイのお茶の時間だ」
見張りの数人の兵を残して、二人は牢を後にする。牢のすみで、リュシリューはただガタガタと震えていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
がば、と起き上がった私にミルラが驚いて起きてきた。
「ミルラ、いまのも貴方の鱗粉の力?」
んん?とミルラは首をかしげた。
「わからないよ、まだ力が残ってたのかな…」
「本物の夢かもしれないのね?でも私、公爵邸にいかないと!」
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