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外伝 男爵令嬢はやり直したくはない
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瓦礫のうえに倒れた筈だったレミを、誰かの固い腕が抱き止めた。
「大丈夫ですか、ご令嬢」
そう言われて、周りを見回す。見慣れた公爵邸の、ダンスフロアだった。
『私は夢をみていたのかしら』
レミは少しのあいだ、レミを抱き止めた相手、ローランドを見上げたまま考えていた。
「ご令嬢?」
ローランドに問われて、先ほどまでの恐ろしい出来事と、今の状況が全く理解できないレミは、とりあえず目を閉じた。
こうしていればレミ付きの騎士ローランドは寝室まで運んでくれるはずだからだ。
『難しいことは明日考えましょう』
だが、ローランドはレミを寝室には運ばず、何故か近くの固いベンチへ寝かせた。
「継嗣殿、妃殿下、招待客のご令嬢が…」
と、困惑したように話しているのが聞こえる。継嗣?どこかの御曹司かしらと思いながら、チラリと片目を開けたレミの背に、ぞくりと寒気がはしった。
薄い紫色のドレスに身をつつんだ、アイリス・レイノルズの姿が見えたからだ。
『そんなはずない、彼女は処刑されたはずよ』
レミはぎゅっと目を閉じた。
いや、それをいうならローランドもまた、戦地で亡くなったときいた。
『ここは黄泉の国なの?』
それにしてはドクドクとやけに心臓の音は早くなり、冷や汗がとめどなく流れる。
「まあ、クララベル男爵令嬢だわ」
レミのすぐそばで、アイリスの声がする。もはや逃げ出すこともできない距離だ。だがあの悪魔なら、レミの意識がないくらい全く異に介さないはず。
『すぐどこかにいくはずだもの、じっとしてよう』
そう考えたとき、なにか涼しいような香りがして、額に冷たいものが乗せられた。
「ローランド、クララベル男爵家の侍女を探してきて?ルーファスはここにいてあげてね」
優しく指示を出す声がきこえた。どこかに立ち去ろうとして、ローランドに呼び止められている。
なるほど、アイリスは相手が男性ならそんな声も出せると前にきいたことがある。実際には心配などしていなくても…
「いいかげん起きたらどうなんです」
冷ややかな声に、レミはびくっと肩を揺らした。
「レンブラントが気づけば大騒ぎになりますよ」
誰にも聞こえないようひくめた、冷たい声にレミは目をひらいた。
目の前にあったのは、見知らぬ男の顔。赤っぽい茶の髪に緑色の瞳の男だ。良くある平凡な組み合わせで、暖かみのあるものなのに、その男の表情はどこまでも冷ややかで、レミを歓迎していないのは確かだ。
「お目覚めのようですね、クララベル令嬢」
そう言って男はそのみどりの目をほかへなげかけた。どうやら、なにか気がかりなことがほかにあるようだ。
そこへ、青年が駆け寄ってきた。
「ルーファス、ローランドはどこだ」
その声に、レミは震えるほどの喜びを感じた。
『クロード陛下だわ!私を助けにきてくださったのね』
レミの記憶では既に亡くなっているはずのクロードが、そこに立っていた。
「レミ・クララベル男爵令嬢が倒れたので、侍女を呼びに行かせました。僕じゃないですよ、アイリスが、です」
そう言ってルーファスと呼ばれた男が肩をすくめると、はあ?とクロードはすぐにレミのほうをみた。
普段のクロードなら、レミに具合を尋ね、側に居てくれるのだが、この時は違った。
「なんでそんな危険な…レイノルズ公爵家継嗣、お前のところの従僕を呼べよ。喜んで飛んで来るだろ」
レミはぎょっとした。そして、周りをもう一度見回す。視界の端に、覚えのあるお仕着せを着た父の姿が映った。
『お父様がまだ、侍従のかっこうをしてる。私も、クララベルと呼ばれたわ。時間がまきもどってる?それだけじゃない、公爵家継嗣ですって?』
クロードの服装は、薄い紫色に金の鎖のあるもの。レミの覚えのあるものではなかった。まるで先程のアイリスに合わせているかのような…
『私は一体何処にいるの?』
「あの、わたくしはもう大丈夫ですので」
そう言ってクロードと、ルーファスと呼ばれた男を見上げると、
「そうだろうな、でも公爵令嬢は心配するんだ。変な芝居は止めてくれ」
額から何かをクロードが奪いさった。そうしてそれを愛おしげに眺めてから、ポケットへ入れる。
「まさか君、初対面の令嬢にまで嫉妬しているの?」
ルーファスは半分笑ったような、呆れたような言い方でクロードのポケットからハンカチを取り返す。
「これは僕が責任をもってアイリスに返しておくよ?クロード王太子殿下」
それを聞いたクロードは、前髪をかきあげて
「相変わらず不敬なやつだな、アイリスに知らせてやりたいものだ」
と、呟く。にらみ合う二人をレミは困惑して見上げた。
「あの、クロードさま」
レミがクロードに声をかけようとしたとき、とんでもない騒ぎが広間で起きた。どうやら、アイリスをローザリア侯爵令嬢が害そうとしたようだ。
その会話の全てが大広間に筒抜けになり、招待客はざわめきながら、席について青い顔をしているローザリア侯爵夫妻を遠巻きにしていたが、すぐに近衛隊が到着して侯爵夫妻を広間から連れ出していった。
「お前はこの令嬢を見張っていろ」
クロードはルーファスにそう命じて、早足で広間をでてゆく。
「あ、クロードさま」
ついて行こうとすると、その腕をルーファスに捕まれた。
「令嬢、少しお話をしませんか?」
言い方は優しいのに、目が笑っていない。レミはぞわぞわとするものを感じながら、周りをみまわした。父…レンブラントがこちらを見ているけれど、至極満足げにうなづいており全く助けにくる気配はない。
『あの男は私を単なる道具だと思ってるんだわ』
ここへ来る前に王宮でレンブラントに言われた言葉を思いだし、レミはうつむいた。
「レミ・クララベル男爵令嬢で間違いないですね?」
まるで尋問だわ、と思いながらレミはうなづいた。
「ええ、間違いございません」
ふうん、とルーファスは首をかしげてから、
「僕はルーファス・オリバー」
そう言って手を差し出され、レミは目を見開いた。
『この男がルーファス・オリバー?』
そのルーファスが、なぜ公爵継嗣などに?儀礼的に握手をしながらも、レミは完全に混乱した。
『ここは私が居た場所とは、違うところなんだわ』
やがて現れたレンブラント翁とクロードが事態をおさめて、何事もなかったかのように宴は終わり、レミは控えの間から戻った母とともに家路につくことになる。
「……お母様、またあの男と一緒でしたのね」
母の頬へ一筋、涙のあとが流れているのを見ると、レミはつい低い声で咎めてしまう。
「まあレミ、なんという無礼な言い方を」
以前のレミなら、そんな言い方はしなかっただろう。だが、知ってしまったいまとなっては、もう天使ではいられない。母はなぜあの男の言いなりなのだろう、とレミは唇をかんだ。男爵位をもつ身分ある女性でありながら、母はあまりにも無責任なのではないか、と思う。
『私もまた、そうだったのかもしれないわ』
「男爵夫人、レイノルズ公爵令嬢がひとことご挨拶申し上げたいそうです」
ルーファスに突然腕をとられ、レミは恐怖で母をみあげた。母はにこやかにうなづいて、ルーファスにレミをあずけてしまう。
『やっぱり!』
レミは混乱と悲しみにうちひしがれながら、ルーファスのあとを必死についていったのだった。
「大丈夫ですか、ご令嬢」
そう言われて、周りを見回す。見慣れた公爵邸の、ダンスフロアだった。
『私は夢をみていたのかしら』
レミは少しのあいだ、レミを抱き止めた相手、ローランドを見上げたまま考えていた。
「ご令嬢?」
ローランドに問われて、先ほどまでの恐ろしい出来事と、今の状況が全く理解できないレミは、とりあえず目を閉じた。
こうしていればレミ付きの騎士ローランドは寝室まで運んでくれるはずだからだ。
『難しいことは明日考えましょう』
だが、ローランドはレミを寝室には運ばず、何故か近くの固いベンチへ寝かせた。
「継嗣殿、妃殿下、招待客のご令嬢が…」
と、困惑したように話しているのが聞こえる。継嗣?どこかの御曹司かしらと思いながら、チラリと片目を開けたレミの背に、ぞくりと寒気がはしった。
薄い紫色のドレスに身をつつんだ、アイリス・レイノルズの姿が見えたからだ。
『そんなはずない、彼女は処刑されたはずよ』
レミはぎゅっと目を閉じた。
いや、それをいうならローランドもまた、戦地で亡くなったときいた。
『ここは黄泉の国なの?』
それにしてはドクドクとやけに心臓の音は早くなり、冷や汗がとめどなく流れる。
「まあ、クララベル男爵令嬢だわ」
レミのすぐそばで、アイリスの声がする。もはや逃げ出すこともできない距離だ。だがあの悪魔なら、レミの意識がないくらい全く異に介さないはず。
『すぐどこかにいくはずだもの、じっとしてよう』
そう考えたとき、なにか涼しいような香りがして、額に冷たいものが乗せられた。
「ローランド、クララベル男爵家の侍女を探してきて?ルーファスはここにいてあげてね」
優しく指示を出す声がきこえた。どこかに立ち去ろうとして、ローランドに呼び止められている。
なるほど、アイリスは相手が男性ならそんな声も出せると前にきいたことがある。実際には心配などしていなくても…
「いいかげん起きたらどうなんです」
冷ややかな声に、レミはびくっと肩を揺らした。
「レンブラントが気づけば大騒ぎになりますよ」
誰にも聞こえないようひくめた、冷たい声にレミは目をひらいた。
目の前にあったのは、見知らぬ男の顔。赤っぽい茶の髪に緑色の瞳の男だ。良くある平凡な組み合わせで、暖かみのあるものなのに、その男の表情はどこまでも冷ややかで、レミを歓迎していないのは確かだ。
「お目覚めのようですね、クララベル令嬢」
そう言って男はそのみどりの目をほかへなげかけた。どうやら、なにか気がかりなことがほかにあるようだ。
そこへ、青年が駆け寄ってきた。
「ルーファス、ローランドはどこだ」
その声に、レミは震えるほどの喜びを感じた。
『クロード陛下だわ!私を助けにきてくださったのね』
レミの記憶では既に亡くなっているはずのクロードが、そこに立っていた。
「レミ・クララベル男爵令嬢が倒れたので、侍女を呼びに行かせました。僕じゃないですよ、アイリスが、です」
そう言ってルーファスと呼ばれた男が肩をすくめると、はあ?とクロードはすぐにレミのほうをみた。
普段のクロードなら、レミに具合を尋ね、側に居てくれるのだが、この時は違った。
「なんでそんな危険な…レイノルズ公爵家継嗣、お前のところの従僕を呼べよ。喜んで飛んで来るだろ」
レミはぎょっとした。そして、周りをもう一度見回す。視界の端に、覚えのあるお仕着せを着た父の姿が映った。
『お父様がまだ、侍従のかっこうをしてる。私も、クララベルと呼ばれたわ。時間がまきもどってる?それだけじゃない、公爵家継嗣ですって?』
クロードの服装は、薄い紫色に金の鎖のあるもの。レミの覚えのあるものではなかった。まるで先程のアイリスに合わせているかのような…
『私は一体何処にいるの?』
「あの、わたくしはもう大丈夫ですので」
そう言ってクロードと、ルーファスと呼ばれた男を見上げると、
「そうだろうな、でも公爵令嬢は心配するんだ。変な芝居は止めてくれ」
額から何かをクロードが奪いさった。そうしてそれを愛おしげに眺めてから、ポケットへ入れる。
「まさか君、初対面の令嬢にまで嫉妬しているの?」
ルーファスは半分笑ったような、呆れたような言い方でクロードのポケットからハンカチを取り返す。
「これは僕が責任をもってアイリスに返しておくよ?クロード王太子殿下」
それを聞いたクロードは、前髪をかきあげて
「相変わらず不敬なやつだな、アイリスに知らせてやりたいものだ」
と、呟く。にらみ合う二人をレミは困惑して見上げた。
「あの、クロードさま」
レミがクロードに声をかけようとしたとき、とんでもない騒ぎが広間で起きた。どうやら、アイリスをローザリア侯爵令嬢が害そうとしたようだ。
その会話の全てが大広間に筒抜けになり、招待客はざわめきながら、席について青い顔をしているローザリア侯爵夫妻を遠巻きにしていたが、すぐに近衛隊が到着して侯爵夫妻を広間から連れ出していった。
「お前はこの令嬢を見張っていろ」
クロードはルーファスにそう命じて、早足で広間をでてゆく。
「あ、クロードさま」
ついて行こうとすると、その腕をルーファスに捕まれた。
「令嬢、少しお話をしませんか?」
言い方は優しいのに、目が笑っていない。レミはぞわぞわとするものを感じながら、周りをみまわした。父…レンブラントがこちらを見ているけれど、至極満足げにうなづいており全く助けにくる気配はない。
『あの男は私を単なる道具だと思ってるんだわ』
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「レミ・クララベル男爵令嬢で間違いないですね?」
まるで尋問だわ、と思いながらレミはうなづいた。
「ええ、間違いございません」
ふうん、とルーファスは首をかしげてから、
「僕はルーファス・オリバー」
そう言って手を差し出され、レミは目を見開いた。
『この男がルーファス・オリバー?』
そのルーファスが、なぜ公爵継嗣などに?儀礼的に握手をしながらも、レミは完全に混乱した。
『ここは私が居た場所とは、違うところなんだわ』
やがて現れたレンブラント翁とクロードが事態をおさめて、何事もなかったかのように宴は終わり、レミは控えの間から戻った母とともに家路につくことになる。
「……お母様、またあの男と一緒でしたのね」
母の頬へ一筋、涙のあとが流れているのを見ると、レミはつい低い声で咎めてしまう。
「まあレミ、なんという無礼な言い方を」
以前のレミなら、そんな言い方はしなかっただろう。だが、知ってしまったいまとなっては、もう天使ではいられない。母はなぜあの男の言いなりなのだろう、とレミは唇をかんだ。男爵位をもつ身分ある女性でありながら、母はあまりにも無責任なのではないか、と思う。
『私もまた、そうだったのかもしれないわ』
「男爵夫人、レイノルズ公爵令嬢がひとことご挨拶申し上げたいそうです」
ルーファスに突然腕をとられ、レミは恐怖で母をみあげた。母はにこやかにうなづいて、ルーファスにレミをあずけてしまう。
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