九尾

tomi

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ガタガタと揺れる音が止まった。



ついたのかな?



俺の入った箱が運ばれる。

蓋が開けられたそこは、地下室だった。いや、窓がなくて、壁も天井も石造りだったから地下といったけど正直なところ、よく分からない。


鎖は壁に繋がれてそのまま放置。


とりあえず、おとなしくしていよう。













ガチャッと扉の開く音で目が覚めた。どうやら寝てしまっていたらしい。


目の前には肥え太った男がいた。
ニヤニヤと俺を見た後鎖を壁から外して引っ張り、俺を外に連れ出す。


…ここには俺をニヤニヤと見るやつしかいないのだろうか…



連れていかれた部屋には俺以外の奴隷がいた。ほとんどが10歳前後の獣人の少年たちのようだった。

動物は俺だけみたいだった。

少年たちは入ってきた俺を見て、一瞬哀れむような視線を向けてきたが、すぐ俺を連れてきた男に気がついたようで頭を下げて土下座のような体勢を取る。

俺はまた壁に鎖を繋がれた。

この後どうするんだろうと思っていたら男は少年たちの一人を殴り付けた。それはもう気持ち悪い笑顔で突然に。

こいつもあの女の子と同じ誰かを傷つけることに快感を得るタイプの人間だったらしい。

そこからは地獄のようだった。男の力は女の子の比にならないくらい強く、俺も何度も殴られた。それに、こいつは男もいけるタイプだったらしい。少年たちの悲痛な叫び声が響いた。








そんな生活が3年続いた。ここの言葉も少しは分かるようになってきた頃、

その日もいつも通り男がやって来て散々好き勝手やって帰った後のことだった。

少年の一人が、

「もう、嫌だ!!」

涙を流してそう言った後、体を変化させた。


そう。変化させたのだ。


その姿はどんどん変わっていって、最後は猫の姿になっていた。

だが、直後にもがき苦しむ。首輪のせいだ。
逃げたいと思っても首輪に阻止されてしまう。

この子はそれを知らなかったのかな

しばらくたった後、その瞳には絶望が写っているように見えた。


俺はその様子を見て、表情などにこそ出さなかったものの、驚きまくりだった。

えっ、何が起きたの?

あの子が猫になったの?

頭が追い付かない。彼らがただの人間ではなく獣人だってことはわかってたけど、今まで動物になった人はいなかった。

だから本当に驚いた。

だって、もしかしたら今の自分は獣人なのかもしれないんだから。































 



    
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