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【46】弟子の横取り
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「てっ、てめえ……! 挑発してんのか!」
先に挑発したのを忘れたのか、男たちは再び怒りを露わにする。
床に刺さった剣を引っこ抜き、もう一度構え直した。頭に血が上っているに違いない。
「……つ、杖が!」
ここが建物中で周りにたくさんの人がいることを忘れて、もう一人が魔法を使おうと腕を振る。しかしそれは不発に終わったらしく、何も出てこない。
それもそのはず、その男が持っていた杖はいつの間にか折れていた。
「畜生! 魔法が使えねえなら直接叩くまでだ!」
剣を持つ男と同じように、その男も腰から短剣を抜くと、二人揃ってロックへと斬りかかった。
そして案の定、数秒立たないうちに二人仲良く床に転がっていた。
「満足か?」
ロックが問う。
その言葉に対し、男たちは何も言い返すことができなかった。
ギルド内が歓声に包まれる中、ロックはわたしを連れて外に出る。
それからすぐに周囲を見回し、お目当ての物を見つけると、近づいていく。
「始めるぞ」
ロックの足元には雑草が伸びている。
わたしたちが受注した依頼の内容は、ギルドの周りの草抜きだ。
ついさっき、他の冒険者を相手に圧倒的な差を見せつけたというのに、今は当たり前のように雑草を引っこ抜いている。その姿を見て、わたしは何とも不思議な気分だった。
「ねえ。さっきのロック、凄く格好良かったわ」
「恰好なんてどうでもいい」
「そう。……ところで、どうしてあの二人の相手をしたの?」
ロックは、あの手の輩は適当にやり過ごすのが一番だと言っていた。
それなのに、まるで彼らを挑発するような態度を取っていた。ロックらしくないと思った。すると、
「弟子を横取りされてはたまらないからな」
「? 弟子って……」
その台詞を聞いて、わたしはすぐに理解した。
ロックはわたしの師匠で、弟子がわたしだ。
そしてロックは、弟子のわたしが彼らに誘われていい気がしなかった。弟子を横取りされるかもしれない。そのように考えたのだろう。
わたしは顔が赤くなる。
ロックに気付かれる前に慌てて背を向けると、恥ずかしさを紛らわせるために一心不乱で雑草を抜き始めた。
先に挑発したのを忘れたのか、男たちは再び怒りを露わにする。
床に刺さった剣を引っこ抜き、もう一度構え直した。頭に血が上っているに違いない。
「……つ、杖が!」
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それもそのはず、その男が持っていた杖はいつの間にか折れていた。
「畜生! 魔法が使えねえなら直接叩くまでだ!」
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そして案の定、数秒立たないうちに二人仲良く床に転がっていた。
「満足か?」
ロックが問う。
その言葉に対し、男たちは何も言い返すことができなかった。
ギルド内が歓声に包まれる中、ロックはわたしを連れて外に出る。
それからすぐに周囲を見回し、お目当ての物を見つけると、近づいていく。
「始めるぞ」
ロックの足元には雑草が伸びている。
わたしたちが受注した依頼の内容は、ギルドの周りの草抜きだ。
ついさっき、他の冒険者を相手に圧倒的な差を見せつけたというのに、今は当たり前のように雑草を引っこ抜いている。その姿を見て、わたしは何とも不思議な気分だった。
「ねえ。さっきのロック、凄く格好良かったわ」
「恰好なんてどうでもいい」
「そう。……ところで、どうしてあの二人の相手をしたの?」
ロックは、あの手の輩は適当にやり過ごすのが一番だと言っていた。
それなのに、まるで彼らを挑発するような態度を取っていた。ロックらしくないと思った。すると、
「弟子を横取りされてはたまらないからな」
「? 弟子って……」
その台詞を聞いて、わたしはすぐに理解した。
ロックはわたしの師匠で、弟子がわたしだ。
そしてロックは、弟子のわたしが彼らに誘われていい気がしなかった。弟子を横取りされるかもしれない。そのように考えたのだろう。
わたしは顔が赤くなる。
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