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しゃかりきコロンブス
ターボで店子として働き始めて2カ月が経過した。
やるべき事は把握したが、接客は難しい。
機械みたいに、このボタンを押したら必ずこうなる、という事にならないのが難しい。
また、ターボに集うお客様達は、揃いも揃ってキャラの濃ゆい客ばかりで、言動の予測がつかない。
「あんた、全然慣れないわねぇ~」
すいません、仕事出来なくて。でもね、ツカサママ。俺をスカウトしたのは誰であろうあなたですよ。
「まぁまぁ、私はこういう子、嫌いじゃないわよ」
ゆーたさんが、ツカサママに小言を言われる俺を思ってか、フォローを入れてくれる。ゆーたさんは、普段は毒舌が冴え渡っているが、こうした気遣いをさりげなくしてくれるのが、こんな俺にとって本当にありがたい。
「ありがとうございます、俺のことそんな風に思ってくれて」
「勘違いしないで、嫌いじゃないとは言ったけど、好きとも言ってないわよ」
ゆーたさんの周りがドッと盛り上がる。前言撤回。ゆーたさんは、やっぱり猛毒だった。
「でも、どうして店子の仕事を始めたんですか?」
客の中では若手のホープ、とは言っても30代半ばのトオル君が質問してきた。
「えっと、社会勉強になるからかな?と、思って」
すいません、わたくし、また嘘を吐いてしまいました。とても店子の中に運命の出逢いを探していたからです、とは言えない。
「ねぇねぇ、彼氏はいないの?」
今日初来店の新顔のお客さんが、まるで動物園の珍獣を見るように、飛びかかってきそうに食い気味に聞いてきた。
「彼氏なんていませんよぉ。うーん、今はいい人がいればいいなぁ、ってくらいかな。急いで探そうとは思わないですね」
はぁ、俺ってば嘘ばかり吐いてる。本当は運命の出逢いを、しゃかりきコロンブスになって探しているけど、見苦しく見られないようにしているだけなんだよね。
「そういうスタンスなら、近いうちに彼氏が出来るわよ」
ママ、それでは今のままでは出会いなど無いということになってしまいます。それでは困るんです、もうあまり時間が無いというのに。
「このお店、楽しいですね!俺、ボトル入れます」
さっき彼氏の有無を聞いてきた新規のお客さんが、テンション高めにボトルを入れてくれた。
「ありがとうございまーす!えっと、お名前聞いていいですか?」
「ジュンヤでーす!」
「すいませーん!ジュンヤさんからニューボトル頂きましたー!」
はぁ~、今日も疲れたなぁ。仕事、全然出来てないよ。今日もこれから一人反省会だなぁ。
駅までトボトボ歩いていると、後ろから誰か俺の名前を呼ぶ声がする。
振り返ると、そこにはジュンヤさんが満面の笑顔で立っていた。
「お疲れ様~。駅まで一緒に帰ろう」
隣に並ぶと、店では気づかなかったが、ジャンヤさんって背が高いんだなぁ。
俺とジュンヤさんは、取り留めない話をしながら並んで歩いた。
「今日は本当に楽しかった!また来ますね。いつも火曜日に入ってるの?」
「そうです。また来てくださいね」
「絶対行くね。それじゃあ、おやすみなさーい」
普段からテンション高いのか、酔っててテンション高いのか、よく分からない人だなあ。
この2カ月、本職に店子のバイトにと忙しくて、出逢い探しをおろそかにしてしまった。
誕生日までには彼氏を作りたい。その為には、少し本腰入れて活動しなければ。
今のところ店子になって出逢いが見つかる兆候は無い。他の店子君達もビビビと来る感覚は無かったし、お客さん達の中にもそれらしき人はいなかった。
やはり51才バリウケに需要は無いのだろうか?
いかん!弱気になってはいかん!安西先生、諦めたらそこでゲームセットですよね!?
電車に揺られながら、俺は決意を新たにした。
その時、胸ポケットのスマホがブルブルと鳴った。
スマホを開くと、数少ない友だちの隼人からだった。
『今週末、二丁目で40代50代向けのねるとんイベントあるから一緒に行かない?』
行く!行きます!ねるとんイベントなんて、随分と久方ぶりだなぁ。
若い頃はブイブイ言わせてたものだ。
ザックリとどんなイベントなのかと説明すると、まず参加者は胸に番号の書かれた札をつける。
そして、会場の中の意中の人の番号を、自分のプロフや連絡先を書いた投票用紙に書いて投票する。
もちろん俺は投票される側だったけどな。
そしてマッチングしてカップル成立、となるのだ。
いゃ~、ねるとんイベントなんて30代の頃以来かもなぁ。
昔取った杵柄、今回もブイブイ言わせちゃうよー。
やるべき事は把握したが、接客は難しい。
機械みたいに、このボタンを押したら必ずこうなる、という事にならないのが難しい。
また、ターボに集うお客様達は、揃いも揃ってキャラの濃ゆい客ばかりで、言動の予測がつかない。
「あんた、全然慣れないわねぇ~」
すいません、仕事出来なくて。でもね、ツカサママ。俺をスカウトしたのは誰であろうあなたですよ。
「まぁまぁ、私はこういう子、嫌いじゃないわよ」
ゆーたさんが、ツカサママに小言を言われる俺を思ってか、フォローを入れてくれる。ゆーたさんは、普段は毒舌が冴え渡っているが、こうした気遣いをさりげなくしてくれるのが、こんな俺にとって本当にありがたい。
「ありがとうございます、俺のことそんな風に思ってくれて」
「勘違いしないで、嫌いじゃないとは言ったけど、好きとも言ってないわよ」
ゆーたさんの周りがドッと盛り上がる。前言撤回。ゆーたさんは、やっぱり猛毒だった。
「でも、どうして店子の仕事を始めたんですか?」
客の中では若手のホープ、とは言っても30代半ばのトオル君が質問してきた。
「えっと、社会勉強になるからかな?と、思って」
すいません、わたくし、また嘘を吐いてしまいました。とても店子の中に運命の出逢いを探していたからです、とは言えない。
「ねぇねぇ、彼氏はいないの?」
今日初来店の新顔のお客さんが、まるで動物園の珍獣を見るように、飛びかかってきそうに食い気味に聞いてきた。
「彼氏なんていませんよぉ。うーん、今はいい人がいればいいなぁ、ってくらいかな。急いで探そうとは思わないですね」
はぁ、俺ってば嘘ばかり吐いてる。本当は運命の出逢いを、しゃかりきコロンブスになって探しているけど、見苦しく見られないようにしているだけなんだよね。
「そういうスタンスなら、近いうちに彼氏が出来るわよ」
ママ、それでは今のままでは出会いなど無いということになってしまいます。それでは困るんです、もうあまり時間が無いというのに。
「このお店、楽しいですね!俺、ボトル入れます」
さっき彼氏の有無を聞いてきた新規のお客さんが、テンション高めにボトルを入れてくれた。
「ありがとうございまーす!えっと、お名前聞いていいですか?」
「ジュンヤでーす!」
「すいませーん!ジュンヤさんからニューボトル頂きましたー!」
はぁ~、今日も疲れたなぁ。仕事、全然出来てないよ。今日もこれから一人反省会だなぁ。
駅までトボトボ歩いていると、後ろから誰か俺の名前を呼ぶ声がする。
振り返ると、そこにはジュンヤさんが満面の笑顔で立っていた。
「お疲れ様~。駅まで一緒に帰ろう」
隣に並ぶと、店では気づかなかったが、ジャンヤさんって背が高いんだなぁ。
俺とジュンヤさんは、取り留めない話をしながら並んで歩いた。
「今日は本当に楽しかった!また来ますね。いつも火曜日に入ってるの?」
「そうです。また来てくださいね」
「絶対行くね。それじゃあ、おやすみなさーい」
普段からテンション高いのか、酔っててテンション高いのか、よく分からない人だなあ。
この2カ月、本職に店子のバイトにと忙しくて、出逢い探しをおろそかにしてしまった。
誕生日までには彼氏を作りたい。その為には、少し本腰入れて活動しなければ。
今のところ店子になって出逢いが見つかる兆候は無い。他の店子君達もビビビと来る感覚は無かったし、お客さん達の中にもそれらしき人はいなかった。
やはり51才バリウケに需要は無いのだろうか?
いかん!弱気になってはいかん!安西先生、諦めたらそこでゲームセットですよね!?
電車に揺られながら、俺は決意を新たにした。
その時、胸ポケットのスマホがブルブルと鳴った。
スマホを開くと、数少ない友だちの隼人からだった。
『今週末、二丁目で40代50代向けのねるとんイベントあるから一緒に行かない?』
行く!行きます!ねるとんイベントなんて、随分と久方ぶりだなぁ。
若い頃はブイブイ言わせてたものだ。
ザックリとどんなイベントなのかと説明すると、まず参加者は胸に番号の書かれた札をつける。
そして、会場の中の意中の人の番号を、自分のプロフや連絡先を書いた投票用紙に書いて投票する。
もちろん俺は投票される側だったけどな。
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