11 / 20
お久しぶりね(割とシリアス)
「と、いうことがありまして、いろいろと大変だったんですよ」
俺は、また例によってジュンヤさんにテニス合宿での出来事を、掻い摘んで聞いてもらっていた。
「なんか、モテ期なんだか呪われているんだか、よく分からない状況だね」
たしかに、出逢いはたくさんあって、何となくうまく行きそうになるんだけど、最後は結局、御破算になる。
いゃ~、こんなに声がかかるのは、30代の時以来のはずなのに、どうして揃いも揃って変わった男ばかり寄ってくるのだろうか?
「どうしてなんですかねぇ。俺には分からないですよ」
そんな俺とジュンヤさんの会話を聞いていたユータさんが、会話に割って入ってきた。
「それは、相手の男だけじゃなくて、あんたも悪いところあるわよ」
「え?どこがですか?」
俺は、ちょっと不服に感じてしまった。俺のどこに落ち度があるのだと言うのだろうか?
「あんた、すぐに相手を信じすぎ。どうしてもっと相手のことを知ってから付き合おうとしないの?」
「だって、もうこの年になると、自分のこといいと言ってくれる人も少ないし、チャンスは確実に掴んでおかないと。チャンスの女神には前髪しかない、って言うじゃないですか」
「チッチッチッ。そこが浅はかなのよ。チャンスは選んで掴まないと、焦って掴むと本当のチャンスを逃してしまいかねないわ」
「なるほど、チャンスだと思って掴んだものが、とんだババだってこともありますものね」
ジュンヤさんも、ユータさんの意見に賛同する。
「あの、ちょっといいですか?」
その時、ジュンヤさんの隣に座っていた、ニューフェイスの客が割って入ってきた。
「もしかして君、誕生日が1973年の11月生まれじゃない?」
「そうですけど、何で分かったんですか?」
「覚えてない?俺のこと。コウセイだよ」
俺の中で、長い間眠りについていた記憶が蘇ってきた。コウセイ。そう、俺のかつて付き合っていた最期の彼氏。
もう十数年も前の30代の頃の話で、ほぼほぼ思い出すことも無かった存在。
そういえば、この男と付き合っていたことあったな。
だけど、昔のことすぎて、言われるまで顔も声すらも思い出せなかった。
「こんなことってあるんだなぁ。懐かしいな」
コウセイの方はというと、何がそんなに嬉しいのか、顔を皺くちゃにするほどの笑顔で、俺との再会に興奮しているようだ。
「その節は、大変お世話になりました」
「なんだよ、ずいぶんと素っ気ないな」
コウセイは不服そうに口を尖らせて抗議してきた。
そりゃこういう接し方にもなる。
何しろ、この男にいい思い出なんか無いからな。
いや、楽しいことも無くはなかった。なんだかんだで1番長く付き合った彼氏なわけだし、そういう意味では印象に残っている。
「なんか、突然連絡が取れなくなったから、どうしたんだろうって寂しかったよ」
「は?それはこっちの台詞だよ」
「えーと、なんかお互いの言い分が食い違っているみたいだけど、話を整理してみましょうか?」
見かねたユータさんが、俺とコウセイの会話に割って入ってきた。
そう、あれは忘れもしない、俺がまだ34才の時だった。
その当時、今は無いよく通っていたゲイバーで、俺とコウセイは出会った。
俺が飲んでいると、友だちと来ていたコウセイが俺に話しかけてきて、連絡先を交換することになったのだ。
当初、俺は特に何とも思っていなくて、自分から連絡することも考えていなかったのだが、コウセイからの熱烈なアプローチに根負けして、とりあえず付き合ってみることにしたのだ。
コウセイは、俺のことをとても大切にしてくれた。
一緒にグアムや神戸に旅行に行った。
それまで、長くても2ヶ月とかしか男と付き合ったことない自分には、彼氏と旅行に行く、特に海外旅行なんて初めてで、とてもテンションが上がったのを覚えている。
グアムの海底一面ナマコだらけの海は印象に残っている。
どうしてだろう?コウセイの顔は忘れていたのに、コウセイが寝ながら屁をこいたとか、そんなどうでもいいくだらないことは案外覚えている。
そんなこともありながら、俺たちは仲良く愛を育んでいた。
コウセイに大切にされているのを感じられて、俺は幸せだった。
友だち(たーくん)達にも紹介して、たーくん達も心から俺たちのことを祝福してくれた。
ところが、ある日状況は一変した。
突然、コウセイと音信不通になったのだ。
毎週末会っていたのが、俺は、心細くてメンヘラが発動してしまった。
共通の友だちに探りを入れたり、すぐに会いに行けるように、連絡が取れるまで二丁目の近くのミスドでひたすら待ったり、ちょっとストーカーちっくになっていた。
そして、いつの日か俺たちの関係は自然消滅していた。
いったい何が原因でこうなったのか分からない俺は、ただひたすら自分に原因を求めて、自分を責めた。
そしてやっとコウセイがいない日々に慣れてきた一年後、見知らぬ電話番号から着信があった。
俺は一言、「間違えてますよ」と教えてあげるつもりで電話に出た。
すると、電話口から懐かしい声がした。
「久しぶり、元気だった?」
一年ぶりに聞くコウセイの声だった。
俺は、また例によってジュンヤさんにテニス合宿での出来事を、掻い摘んで聞いてもらっていた。
「なんか、モテ期なんだか呪われているんだか、よく分からない状況だね」
たしかに、出逢いはたくさんあって、何となくうまく行きそうになるんだけど、最後は結局、御破算になる。
いゃ~、こんなに声がかかるのは、30代の時以来のはずなのに、どうして揃いも揃って変わった男ばかり寄ってくるのだろうか?
「どうしてなんですかねぇ。俺には分からないですよ」
そんな俺とジュンヤさんの会話を聞いていたユータさんが、会話に割って入ってきた。
「それは、相手の男だけじゃなくて、あんたも悪いところあるわよ」
「え?どこがですか?」
俺は、ちょっと不服に感じてしまった。俺のどこに落ち度があるのだと言うのだろうか?
「あんた、すぐに相手を信じすぎ。どうしてもっと相手のことを知ってから付き合おうとしないの?」
「だって、もうこの年になると、自分のこといいと言ってくれる人も少ないし、チャンスは確実に掴んでおかないと。チャンスの女神には前髪しかない、って言うじゃないですか」
「チッチッチッ。そこが浅はかなのよ。チャンスは選んで掴まないと、焦って掴むと本当のチャンスを逃してしまいかねないわ」
「なるほど、チャンスだと思って掴んだものが、とんだババだってこともありますものね」
ジュンヤさんも、ユータさんの意見に賛同する。
「あの、ちょっといいですか?」
その時、ジュンヤさんの隣に座っていた、ニューフェイスの客が割って入ってきた。
「もしかして君、誕生日が1973年の11月生まれじゃない?」
「そうですけど、何で分かったんですか?」
「覚えてない?俺のこと。コウセイだよ」
俺の中で、長い間眠りについていた記憶が蘇ってきた。コウセイ。そう、俺のかつて付き合っていた最期の彼氏。
もう十数年も前の30代の頃の話で、ほぼほぼ思い出すことも無かった存在。
そういえば、この男と付き合っていたことあったな。
だけど、昔のことすぎて、言われるまで顔も声すらも思い出せなかった。
「こんなことってあるんだなぁ。懐かしいな」
コウセイの方はというと、何がそんなに嬉しいのか、顔を皺くちゃにするほどの笑顔で、俺との再会に興奮しているようだ。
「その節は、大変お世話になりました」
「なんだよ、ずいぶんと素っ気ないな」
コウセイは不服そうに口を尖らせて抗議してきた。
そりゃこういう接し方にもなる。
何しろ、この男にいい思い出なんか無いからな。
いや、楽しいことも無くはなかった。なんだかんだで1番長く付き合った彼氏なわけだし、そういう意味では印象に残っている。
「なんか、突然連絡が取れなくなったから、どうしたんだろうって寂しかったよ」
「は?それはこっちの台詞だよ」
「えーと、なんかお互いの言い分が食い違っているみたいだけど、話を整理してみましょうか?」
見かねたユータさんが、俺とコウセイの会話に割って入ってきた。
そう、あれは忘れもしない、俺がまだ34才の時だった。
その当時、今は無いよく通っていたゲイバーで、俺とコウセイは出会った。
俺が飲んでいると、友だちと来ていたコウセイが俺に話しかけてきて、連絡先を交換することになったのだ。
当初、俺は特に何とも思っていなくて、自分から連絡することも考えていなかったのだが、コウセイからの熱烈なアプローチに根負けして、とりあえず付き合ってみることにしたのだ。
コウセイは、俺のことをとても大切にしてくれた。
一緒にグアムや神戸に旅行に行った。
それまで、長くても2ヶ月とかしか男と付き合ったことない自分には、彼氏と旅行に行く、特に海外旅行なんて初めてで、とてもテンションが上がったのを覚えている。
グアムの海底一面ナマコだらけの海は印象に残っている。
どうしてだろう?コウセイの顔は忘れていたのに、コウセイが寝ながら屁をこいたとか、そんなどうでもいいくだらないことは案外覚えている。
そんなこともありながら、俺たちは仲良く愛を育んでいた。
コウセイに大切にされているのを感じられて、俺は幸せだった。
友だち(たーくん)達にも紹介して、たーくん達も心から俺たちのことを祝福してくれた。
ところが、ある日状況は一変した。
突然、コウセイと音信不通になったのだ。
毎週末会っていたのが、俺は、心細くてメンヘラが発動してしまった。
共通の友だちに探りを入れたり、すぐに会いに行けるように、連絡が取れるまで二丁目の近くのミスドでひたすら待ったり、ちょっとストーカーちっくになっていた。
そして、いつの日か俺たちの関係は自然消滅していた。
いったい何が原因でこうなったのか分からない俺は、ただひたすら自分に原因を求めて、自分を責めた。
そしてやっとコウセイがいない日々に慣れてきた一年後、見知らぬ電話番号から着信があった。
俺は一言、「間違えてますよ」と教えてあげるつもりで電話に出た。
すると、電話口から懐かしい声がした。
「久しぶり、元気だった?」
一年ぶりに聞くコウセイの声だった。
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。