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黒猫の呪い 前編
俺が店子で入っているターボでは、毎年8月の終わりくらいに屋形船イベントを開催している。
当然のことだが、店子は全員駆り出されて接待をすることとなっている。
「いやー、暑は夏いね」
そんな昭和の小ネタを披露しているユータさんと一緒に、俺は待ち合わせ場所になっている、浅草へ降り立った。
「ユータさん、せっかくだから浴衣着てくれば良かったのに。背が高いんだから似合いそうじゃないですか」
「そんなこと言うなら、あんたも店子なら浴衣くらい来てきなさいよ。風情が無いわね」
ああ言えばこう言う。さすがにユータさんの毒にも慣れてきた。
でも、ユータさんの言うとおり、他の店子は漏れなく浴衣を着て来ていて、俺はユータさんの言っていたとおりにすれば良かったと少し後悔もした。
屋形船には、ママに選ばれた精鋭(?)40人が揃っていた。
週一で店に入っている俺の馴染みの客もいれば、まだ会った事すらない客まで、幅広く参加していた。
店子7人は、それぞれ担当するテーブルが決められていて、そこで5~6人のお客さんを接待することとなっている。
そして俺の担当するテーブルには、何度か接客したことのある客3人と、初顔の2人が席に着いた。
初顔の2人は、1人は頭髪は薄いが体毛は胸毛もびっしりの人で、年齢的には同じくらいか?以下、体毛さんとする。
もう1人は、ちょっとポチャっとしたテディベアみたいな人で、俺はなんとなくこの人のことが気になっていた。以下、テディさんとする。
だけど、きっと俺なんか相手にされないだろうな。
案の定、テディさんはお酌をしても取り分けをしても、話しかけても素っ気ない。体毛さんや他の同じテーブルの人とは、物凄く盛り上がっているのに、なぜか俺だけ喋ってくれない。
いちおう、お酌をすればニコッと笑ってくれるので、怒っているとかでは無いみたいだが、どうして俺は自分がいいなぁ、と思った相手からはこうも好かれないのだろうか?
そうこうしているうちに、屋形船は2時間のコースを終えて、その後、ほとんどの客は二次会に雪崩れ込んでいった。
しかし、その二次会でもテディさんは別の客と盛り上がっていて、俺とも席は離れてしまい、遠目にチラチラと気になって見てしまうだけだった。
仕方ない。縁が無かったと思って諦めよう。
「それで、あんたこの後どーするのよ」
ユータさんが聞いて来た。
「そうですねぇ。二丁目で朝までコースかなぁ?ユータさんも行きましょうよ」
「まぁ、そこまで言うなら付き合ってあげてもいいわよ」
そこまでとは言ってない。
俺はユータさんと二丁目へと向かうことにした。
すると、俺たちのあとを、俺の気になっていたテディさんと体毛さんが付いてくるではないか。
どうやらユータさんと2人は二次会で意気投合したらしい。ユータさんに感謝。彼も酒が入ったからか、ユータさんや体毛さんを介して、まだぎこちなさは残っていたけど、俺と少しづつ話してくれるようになってきた。
二丁目に着くと、まず俺たちは体毛さんの行きつけの店へ入った。
こじんまりとした落ち着いた店で、そこでは体毛さん、俺、ユータさん、テディさんの並びで席に着いた。
すると、しばらくして酔ってきた体毛さんが、俺の腰に手を回してきてスキンシップが激しくなってきた。
これはもしや、気に入られたということか?申し訳ないが、体毛さんにはあまり興味は無いのだが、いちおうその場の雰囲気を壊したくないので適当に笑顔であしらう。
すると、テディさんの様子が少しおかしい。見ていてあからさまに機嫌が悪いのがわかる。
いったい何があったのか?テディさんがトイレに行った時に、俺はユータさんにコッソリと聞いてみた。
「あの人、なんか機嫌が悪いみたいですけど、何でかわかります?」
「知らないわよ、こっちが聞きたいくらいよ」
うーん、全く意味が分からない。
少し空気が悪くなったまま、俺たちは今度は俺が最近行くようになった店へ場所を移すことにした。
ここでの席の並びは、俺、ユータさん、体毛さん、テディさんの順だった。
さっきまでの不穏な空気はどこへやら、体毛さんとテディさんは和やかに盛り上がっている。あの険悪な感じが嘘みたいだ。
それにしても、相変わらずテディさんに話しかけるタイミングが掴めないな。
そんな時、俺がトイレから戻ると、ちょうど体毛さんと入れ替わる感じになった。
これは最初で最後のチャンスかもしれない。
そう思った俺は、意を決してテディさんの隣に座って話しかけることにしてみた。
「かなり出来上がってますね」
それからは、当たり障りのない会話をした。
店にはどれくらい通っているのかとか、そんなこと。
どうやらテディさんは、最近店に通うようになって、勢いで屋形船に参加したらしい。
「それで、今日はタイプの人いましたか?」
俺の質問に、テディさんはモジモジしながら頷いた。
いいなぁ、こんな人に好かれる人は。羨ましい。
「えー、誰だろう?屋形船の人ですか?それともこの店の中にいたりして」
「好きです」
「?」
「好きです、付き合ってください」
えっ?俺に言ってる?ていうか、俺のこと真っ直ぐに見て言ってるし、俺のこと好きって言ってるのー?
当然のことだが、店子は全員駆り出されて接待をすることとなっている。
「いやー、暑は夏いね」
そんな昭和の小ネタを披露しているユータさんと一緒に、俺は待ち合わせ場所になっている、浅草へ降り立った。
「ユータさん、せっかくだから浴衣着てくれば良かったのに。背が高いんだから似合いそうじゃないですか」
「そんなこと言うなら、あんたも店子なら浴衣くらい来てきなさいよ。風情が無いわね」
ああ言えばこう言う。さすがにユータさんの毒にも慣れてきた。
でも、ユータさんの言うとおり、他の店子は漏れなく浴衣を着て来ていて、俺はユータさんの言っていたとおりにすれば良かったと少し後悔もした。
屋形船には、ママに選ばれた精鋭(?)40人が揃っていた。
週一で店に入っている俺の馴染みの客もいれば、まだ会った事すらない客まで、幅広く参加していた。
店子7人は、それぞれ担当するテーブルが決められていて、そこで5~6人のお客さんを接待することとなっている。
そして俺の担当するテーブルには、何度か接客したことのある客3人と、初顔の2人が席に着いた。
初顔の2人は、1人は頭髪は薄いが体毛は胸毛もびっしりの人で、年齢的には同じくらいか?以下、体毛さんとする。
もう1人は、ちょっとポチャっとしたテディベアみたいな人で、俺はなんとなくこの人のことが気になっていた。以下、テディさんとする。
だけど、きっと俺なんか相手にされないだろうな。
案の定、テディさんはお酌をしても取り分けをしても、話しかけても素っ気ない。体毛さんや他の同じテーブルの人とは、物凄く盛り上がっているのに、なぜか俺だけ喋ってくれない。
いちおう、お酌をすればニコッと笑ってくれるので、怒っているとかでは無いみたいだが、どうして俺は自分がいいなぁ、と思った相手からはこうも好かれないのだろうか?
そうこうしているうちに、屋形船は2時間のコースを終えて、その後、ほとんどの客は二次会に雪崩れ込んでいった。
しかし、その二次会でもテディさんは別の客と盛り上がっていて、俺とも席は離れてしまい、遠目にチラチラと気になって見てしまうだけだった。
仕方ない。縁が無かったと思って諦めよう。
「それで、あんたこの後どーするのよ」
ユータさんが聞いて来た。
「そうですねぇ。二丁目で朝までコースかなぁ?ユータさんも行きましょうよ」
「まぁ、そこまで言うなら付き合ってあげてもいいわよ」
そこまでとは言ってない。
俺はユータさんと二丁目へと向かうことにした。
すると、俺たちのあとを、俺の気になっていたテディさんと体毛さんが付いてくるではないか。
どうやらユータさんと2人は二次会で意気投合したらしい。ユータさんに感謝。彼も酒が入ったからか、ユータさんや体毛さんを介して、まだぎこちなさは残っていたけど、俺と少しづつ話してくれるようになってきた。
二丁目に着くと、まず俺たちは体毛さんの行きつけの店へ入った。
こじんまりとした落ち着いた店で、そこでは体毛さん、俺、ユータさん、テディさんの並びで席に着いた。
すると、しばらくして酔ってきた体毛さんが、俺の腰に手を回してきてスキンシップが激しくなってきた。
これはもしや、気に入られたということか?申し訳ないが、体毛さんにはあまり興味は無いのだが、いちおうその場の雰囲気を壊したくないので適当に笑顔であしらう。
すると、テディさんの様子が少しおかしい。見ていてあからさまに機嫌が悪いのがわかる。
いったい何があったのか?テディさんがトイレに行った時に、俺はユータさんにコッソリと聞いてみた。
「あの人、なんか機嫌が悪いみたいですけど、何でかわかります?」
「知らないわよ、こっちが聞きたいくらいよ」
うーん、全く意味が分からない。
少し空気が悪くなったまま、俺たちは今度は俺が最近行くようになった店へ場所を移すことにした。
ここでの席の並びは、俺、ユータさん、体毛さん、テディさんの順だった。
さっきまでの不穏な空気はどこへやら、体毛さんとテディさんは和やかに盛り上がっている。あの険悪な感じが嘘みたいだ。
それにしても、相変わらずテディさんに話しかけるタイミングが掴めないな。
そんな時、俺がトイレから戻ると、ちょうど体毛さんと入れ替わる感じになった。
これは最初で最後のチャンスかもしれない。
そう思った俺は、意を決してテディさんの隣に座って話しかけることにしてみた。
「かなり出来上がってますね」
それからは、当たり障りのない会話をした。
店にはどれくらい通っているのかとか、そんなこと。
どうやらテディさんは、最近店に通うようになって、勢いで屋形船に参加したらしい。
「それで、今日はタイプの人いましたか?」
俺の質問に、テディさんはモジモジしながら頷いた。
いいなぁ、こんな人に好かれる人は。羨ましい。
「えー、誰だろう?屋形船の人ですか?それともこの店の中にいたりして」
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「?」
「好きです、付き合ってください」
えっ?俺に言ってる?ていうか、俺のこと真っ直ぐに見て言ってるし、俺のこと好きって言ってるのー?
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