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【最終章 序】運命の男かもしれない男
いよいよ俺の旅も終わりが近づいてきた。ここまでクラブイベントも、店子をやってみても、サークルも、お見合いも、アプリも、ことごとく惨敗してきた。発展場はとりあえず置いておいて。
やはり、最後に残された選択肢はゲイバーしかないか。
俺は、再びゲイバーに焦点を定め、最後の賭けに出ることにした。
今日行くのは、新橋にあるゲイバー「Tonkin」に決めた。
なぜ、この店にしたか?それは、勘です。
嘘です。
他のゲイバーでの聴取や、ネットの口コミなど総合的に加味して、この店に賭けてみることに決めました。
なんでも、客層は40代前後が中心で、写真を見た限りお洒落で、落ち着いた雰囲気が好評だった。
さぁ、そうと決まれば早速Tonkinに向かってレッツラゴーだ。
店の重厚感のあるドアを開けると、そこにはすでに先客がいた。
「あれ?」
「あれれ?」
「ジュンヤさんじゃないですか」
そこにいた先客はジュンヤさんだった。
「あら、お知り合い?」
店のママらしき、見た感じ30代後半の男性が俺たち2人を交互に見ながら口を開く。
「はい、二丁目のターボの店子君です」
「あら、いつもジュンヤが話して聞かせる子かしら?」
ママがイタズラっぽく笑みを浮かべる。
「ちょっと!ママ!!」
ジュンヤさんが慌てて制止しようとするが、時すでに遅し。
いったいジュンヤさんは、普段ここで俺のどんな話をしているのだろう?
俺はママに促されるまま、ジュンヤさんの隣に腰を下ろした。
「今日はどうしたの?」
ジュンヤさんが問いかける。
「えっと、最近マンネリ気味だから、新規開拓しようと思いまして」
2人の間を沈黙が支配する。どうしたのだろう?いつもハイテンションのジュンヤさんとは別人みたいに物静かだな。
「何よ、2人とも黙りこくっちゃって。特にジュンヤ、何を借りてきたネコみたいになってるのよ、タチのくせに」
「それ、今関係ないっしょ」
ジュンヤさんは、精一杯虚勢を張ってママに抗議をする。ジュンヤさんは、それからほとんど喋りもせずに、ひたすら酒を飲み続けていた。
そんな無理な飲み方をしたからか、ジュンヤさんはすっかり酔っ払ってしまった。
これまでもジュンヤさんを何度も接客してきて、いつもよく飲むなぁ~と思って見てきたけど、今夜の飲み方は常軌を逸した飲み方だった。
「あらまぁ、何があったのかしらね、こんなこと初めてよ」
ママも呆れ顔だった。
「ねぇ、あんた。ちょっとお願いがあるんだけど」
「はい?何でしょうか?」
「今日のところは代金はいらないから、この男を送り届けてやってもらえないかしら?」
「えぇ!俺がですか?でも、どこに住んでいるかも知らないし」
「それは申し訳ないけど本人に聞いて。もしくは免許証かなんか見てみて。お願い、頼まれて」
そこまで言われると断れないのが俺の悲しい性で、かえって責任を持って送り届けなくてはと思ってしまう。
仕方ない、いつもお世話になっている大切なお客様だし、責任を持って送り届けるとするか。
俺は肩車をしてジュンヤさんを外へと運び出した。
なんとかタクシー乗り場に辿り着いた俺は、ジュンヤさんを車内に押し込み、ジュンヤさんに住所を聞いたが反応は無い。
仕方ないので、ジュンヤさんのバッグから財布を取り出して、そこから免許証を抜き出して運転手さんに行き先を告げた。
タクシーが発車すると、ジュンヤさんは微かにだが目を覚まし、俺に倒れこんで膝枕の状態となった。
人は酔った時に本音が出ると言うけど、これが本当のジュンヤさんの姿なのかな?
タクシーは新橋から池袋方面へと向かう。
タクシーが着いた先は、立派なタワマンだった。
確か、免許証には14階の1402号室と書いてあったな。
俺は運転手さんの協力をもらいながらジュンヤさんをタクシーから引き摺り出し、まだ足元のおぼつかないジュンヤさんを引き摺るようにして部屋へと向かう。
カバンを漁り鍵を取り出すと、ようやくジュンヤさんがまだベロンベロンの状態だが、自立歩行できるようになった。
しかし、まだ千鳥足のため、俺はジュンヤさんを背中に担ぎながらベッドルームへと向かう。
部屋の真ん中に鎮座する大きなダブルベッドにジュンヤさんを放り出すと、もう用事は済んだ、さっさと帰ろう。
その時、ベッドから立ちあがろうとした俺の腕を、ジュンヤさんが掴んで引き寄せ、並んで寝る形になった。
驚きのあまり俺は声も出なかった。そんな俺にジュンヤさんは「もう、終電無いよ」、と呟いた。
確かに終電はもう出てしまっている。タクシーで帰ることも考えたが、ちょっと運賃が気になる。
「泊まっていきなよ」
ジュンヤさんは、寝転んだまま真顔で俺に提案する。
「それじゃ、朝まで」
そう俺が返事をすると、驚いたことにジュンヤさんは俺を引き寄せて抱きしめた。
「かわいい」
へ?51のオッさんを捕まえて、かわいい?
「も、もう、ジュンヤさんたら酔いすぎですよ」
俺はジュンヤさんの冗談に軽く失笑した。
「好きだ」
え?今、好きって言った?空耳じゃないよね?
「もー、冗談キツイですよ」
俺は何とかはぐらかそうと試みたものの、そんな俺をジュンヤさんはさらに抱きしめた。そして、そのまま眠りについてしまった。
正直、この体勢はキツいものがあったが、今の俺はそんなことよりも、この急展開に心が追いついていられずに、ただ夢見心地でフワフワとした感覚に陥っていた。
今まで特に意識したこと無かったが、毎週必ず来店してくれることも、単純に贔屓にしてくれていたわけではなかったということか。
俺、この人とだったら幸せになれるのかな?
ジュンヤさんの寝顔を見ながら、俺はこの人との未来を思い描いていた。
やはり、最後に残された選択肢はゲイバーしかないか。
俺は、再びゲイバーに焦点を定め、最後の賭けに出ることにした。
今日行くのは、新橋にあるゲイバー「Tonkin」に決めた。
なぜ、この店にしたか?それは、勘です。
嘘です。
他のゲイバーでの聴取や、ネットの口コミなど総合的に加味して、この店に賭けてみることに決めました。
なんでも、客層は40代前後が中心で、写真を見た限りお洒落で、落ち着いた雰囲気が好評だった。
さぁ、そうと決まれば早速Tonkinに向かってレッツラゴーだ。
店の重厚感のあるドアを開けると、そこにはすでに先客がいた。
「あれ?」
「あれれ?」
「ジュンヤさんじゃないですか」
そこにいた先客はジュンヤさんだった。
「あら、お知り合い?」
店のママらしき、見た感じ30代後半の男性が俺たち2人を交互に見ながら口を開く。
「はい、二丁目のターボの店子君です」
「あら、いつもジュンヤが話して聞かせる子かしら?」
ママがイタズラっぽく笑みを浮かべる。
「ちょっと!ママ!!」
ジュンヤさんが慌てて制止しようとするが、時すでに遅し。
いったいジュンヤさんは、普段ここで俺のどんな話をしているのだろう?
俺はママに促されるまま、ジュンヤさんの隣に腰を下ろした。
「今日はどうしたの?」
ジュンヤさんが問いかける。
「えっと、最近マンネリ気味だから、新規開拓しようと思いまして」
2人の間を沈黙が支配する。どうしたのだろう?いつもハイテンションのジュンヤさんとは別人みたいに物静かだな。
「何よ、2人とも黙りこくっちゃって。特にジュンヤ、何を借りてきたネコみたいになってるのよ、タチのくせに」
「それ、今関係ないっしょ」
ジュンヤさんは、精一杯虚勢を張ってママに抗議をする。ジュンヤさんは、それからほとんど喋りもせずに、ひたすら酒を飲み続けていた。
そんな無理な飲み方をしたからか、ジュンヤさんはすっかり酔っ払ってしまった。
これまでもジュンヤさんを何度も接客してきて、いつもよく飲むなぁ~と思って見てきたけど、今夜の飲み方は常軌を逸した飲み方だった。
「あらまぁ、何があったのかしらね、こんなこと初めてよ」
ママも呆れ顔だった。
「ねぇ、あんた。ちょっとお願いがあるんだけど」
「はい?何でしょうか?」
「今日のところは代金はいらないから、この男を送り届けてやってもらえないかしら?」
「えぇ!俺がですか?でも、どこに住んでいるかも知らないし」
「それは申し訳ないけど本人に聞いて。もしくは免許証かなんか見てみて。お願い、頼まれて」
そこまで言われると断れないのが俺の悲しい性で、かえって責任を持って送り届けなくてはと思ってしまう。
仕方ない、いつもお世話になっている大切なお客様だし、責任を持って送り届けるとするか。
俺は肩車をしてジュンヤさんを外へと運び出した。
なんとかタクシー乗り場に辿り着いた俺は、ジュンヤさんを車内に押し込み、ジュンヤさんに住所を聞いたが反応は無い。
仕方ないので、ジュンヤさんのバッグから財布を取り出して、そこから免許証を抜き出して運転手さんに行き先を告げた。
タクシーが発車すると、ジュンヤさんは微かにだが目を覚まし、俺に倒れこんで膝枕の状態となった。
人は酔った時に本音が出ると言うけど、これが本当のジュンヤさんの姿なのかな?
タクシーは新橋から池袋方面へと向かう。
タクシーが着いた先は、立派なタワマンだった。
確か、免許証には14階の1402号室と書いてあったな。
俺は運転手さんの協力をもらいながらジュンヤさんをタクシーから引き摺り出し、まだ足元のおぼつかないジュンヤさんを引き摺るようにして部屋へと向かう。
カバンを漁り鍵を取り出すと、ようやくジュンヤさんがまだベロンベロンの状態だが、自立歩行できるようになった。
しかし、まだ千鳥足のため、俺はジュンヤさんを背中に担ぎながらベッドルームへと向かう。
部屋の真ん中に鎮座する大きなダブルベッドにジュンヤさんを放り出すと、もう用事は済んだ、さっさと帰ろう。
その時、ベッドから立ちあがろうとした俺の腕を、ジュンヤさんが掴んで引き寄せ、並んで寝る形になった。
驚きのあまり俺は声も出なかった。そんな俺にジュンヤさんは「もう、終電無いよ」、と呟いた。
確かに終電はもう出てしまっている。タクシーで帰ることも考えたが、ちょっと運賃が気になる。
「泊まっていきなよ」
ジュンヤさんは、寝転んだまま真顔で俺に提案する。
「それじゃ、朝まで」
そう俺が返事をすると、驚いたことにジュンヤさんは俺を引き寄せて抱きしめた。
「かわいい」
へ?51のオッさんを捕まえて、かわいい?
「も、もう、ジュンヤさんたら酔いすぎですよ」
俺はジュンヤさんの冗談に軽く失笑した。
「好きだ」
え?今、好きって言った?空耳じゃないよね?
「もー、冗談キツイですよ」
俺は何とかはぐらかそうと試みたものの、そんな俺をジュンヤさんはさらに抱きしめた。そして、そのまま眠りについてしまった。
正直、この体勢はキツいものがあったが、今の俺はそんなことよりも、この急展開に心が追いついていられずに、ただ夢見心地でフワフワとした感覚に陥っていた。
今まで特に意識したこと無かったが、毎週必ず来店してくれることも、単純に贔屓にしてくれていたわけではなかったということか。
俺、この人とだったら幸せになれるのかな?
ジュンヤさんの寝顔を見ながら、俺はこの人との未来を思い描いていた。
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