51才ゲイだって恋したい!

あらんすみし

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【完結】俺の話を聞いてくれてありがとう

いつだったか、X(旧Twitter)にとあるポストを見つけた。 
『運命の人は2人いる。1人は別れの辛さを教えてくれる。もう1人は永遠の愛を教えてくれる』
俺は、新しい出会いがあるたびに、この人こそが永遠の愛を教えてくれる人だ、と思ってきた。
そして、誰かと別れるたびに、早く2人目と出会えますように、次こそは2人目の運命の人でありますように、と願ってきた。
だけど今は違うような気がする。
きっと、運命の相手などいないのだと思う。
いや、ちょっと違うかな。
これまで出会った全員が、運命の相手だったのだと思う。
全員が別れの辛さを教えてくれ、全員が愛することの喜びを教えてくれた、運命の人なのだと思う。
そういう意味では、特定の運命の人などおらず、どんな相手でも特別な出会うべくして出会った、運命の人なのだと思える。
ありがとう、全ての元彼たち。
この年齢になって、ようやくここまで辿り着いた。
それだけでも、何も無いよりは生きてきた意味があるのだろうと思う。
きっとこれから先も、俺は愛を求めて進んでいくのだろう。
自分だけの一回きりの人生。誰かが責任を取ってくれるでもない、自分だけの人生。
1人で生きていくのは辛い事もいっぱいだし、不安もいっぱいある。
そんな時、隣に最愛の人がいたら、どれだけ心強いことだろうと思う。
例えそれが報われることのない恋愛でも、愛すること自体、全てに意味がある。
俺は今まで長くても数ヶ月の恋愛しかしてこなくて、何年も付き合っているカップルが羨ましかった。
そのせいか、誰かと付き合うたびに10年、20年先の2人の姿を思い描く癖ができてしまったが、もう、10年後のことなど気にしない。
たぶん、人生は今日を精一杯生きたことの積み重ねなのだと思う。
1日1日を積み重ねることで、やがてそれが気づいたら10年になっているのだと思う。
付き合ったからといって、10年後の2人のことを考えるのは、もうやめる。
俺たちには、その日1日がかけがえのない大切な瞬間なのだから。


この物語はフィクションであり、登場する人物、団体名は全て架空のものです。

が、
作中のエピソードの多くは、概ね作者の体験談を多少アレンジしたものです。


【名古屋の男】
まだ俺が若かりし頃、少し年下の男と出会った。俺たちはすぐに意気投合し、その彼の友達に紹介されたりして、このまま交際に発展することは確実と思われた。
出会いから少しして、その彼が名古屋へ3週間ほど長期出張することになった。
「名古屋から帰ったらちゃんと付き合いたい」
そう言って彼は名古屋へ旅立って行った。
俺はその言葉を胸に、彼が帰って来るのを楽しみにしていた。
それからもう少しで彼が帰って来る、という時だった、彼からメールがあったのは。
『名古屋で彼氏が出来た。悪いけど君とは付き合えない』

【本命】
新しく出来た彼氏は、結構偏屈な人だった。
有名人の悪口しか言わない、事あるごとに文句を言う、俺のダメ出ししかせず褒めてくれない。
それでも最初は盛り上がっていたから耐えられた。
だけど、遂に2人にも別れが訪れた。
最後に彼はこう言って終わった。
「実は俺、他に8年付き合ってる本命の彼氏がいるんだ」
それ、最後に言うべきこと?

【90万円】
新しく出会った男は、俳優として大成することを目指している年下の男だった。
ある日、彼が病気になった。大腸癌だった。
彼は俳優活動とは別に、テレアポの仕事をしていたが、収入が不安定で、既に両親はおらず天涯孤独の身で頼りになる人はいなくて、保険にも入っておらず、治療費を賄う事ができない、と困っていた。 
そこで俺は、治療費と称して毎月病院に行く度に10万円づつ貸していた。返ってくることは期待せず、半分あげたつもりの覚悟で渡していた。
90万円渡したところで、彼はもう大丈夫と言ってきて、お金を貸すのは終わった。
その後、彼からはほとんど連絡が来ることもなくなり、やがて疎遠になっていった。
それから数年の月日が流れ、久しぶりに連絡が届いた。
『今度、ドラマの主演を務めることになったから観てね』
俺は嬉しかった。あのあと、病状についても仕事についても、何の説明も無かったのは非常識だと若干怒りもあったが、こうして連絡をして来てくれて良かった。 
『どんなドラマ?どこのテレビ局?』
『YouTubeドラマだよ』
微妙…
でも、せっかくだから彼の初演技を観てみよう。
彼の演技も微妙だった。

【真実の行方】
ある日、俺は通っているゲイバーで、2人の男と出会った。3人はそれぞれ初対面で、仮に他の2人をAさんとBさんとする。
俺たちは互いに連絡先を交換して、2日後の金曜日に俺はAさんにデートに誘われた。
そして、Aさんの友人たちに「今度、俺たち付き合うんだもんね~」と紹介された。
当然、俺はAさんと付き合うものだと思った。
ところが、土日でAさんからは連絡が来なくなった。こっちからメールを送っても、全く返事が返って来ない。
不安になる俺。
不安な週末が終わり、月曜日になってようやくAさんから返事が届いた。
『ごめん、他に好きな人ができたから、その人と付き合うことにした』
え?どういうこと?
事態が飲み込めない俺は、さらなる詳細を求めた。
『実は俺、母子感染のB型肝炎で、そのことを今度付き合う相手に言ったら、それでもいいから俺と付き合いたい、と言ってくれて、だからそいつと付き合うことに決めた』
とのこと。
それ、俺にも言ってよ。俺も、それでもいいから付き合うつもりでいたよ。
Aさんはひたすら謝る。
もう仕方がない。俺は、実はBさんからもアプローチされているから(事実)、Bさんと付き合うことにする、と返した。
すると、Aさんは
『えっ?俺、Bさんと付き合うんだけど?』
こっちこそ「えっ?」だってーの!

数年後、俺は実家を出て1人暮らしを始めた。そこでアプリを開くと、AさんとBさんが近くに表示された。
どうやら2人は今も一緒に暮らしているらしい。
良かった、2人が今でも幸せみたいで…
なんて思うわけねーだろ!!

それから数ヶ月後、Aさんが表示されなくなった。さては別れたな。呪いが通じた。
ざまぁみろ!(笑)



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