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シェルリーネ
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「そうだよ、ね、ドラン爺ちゃん?」
クランは、孫が祖父に甘えるように、ドランに聞いてみる。
「ふむ。それも、アリかのう。言葉を覚えて話せるようになってから、本当の名前があれば教えてもらっても良いじゃろうて、まずは意志疎通を図ることを優先した場合、名前で呼び合えなければ伝わりにくい事もあるからの」
ドランも孫と話す様な気分を味わってくれたか解らないが、心なしか少し嬉しそうな微笑みを返してくる。
それは一先ず置いといて、クランの案にはどうやら賛成してくれる様だ。
後は本人だが、言葉が解らない以上、事前の話し合いはできないから、幾つか候補の名前で呼んでみて、反応が良い名前にしよう。
今のところはこうするしかないから、言葉が解るようになってきたら、謝るし、嫌なら本当の名前にしても良いし。
「じゃあ決まりだ。そうと決まれば、どんな名前が良いかなぁ…?」
クランの悩む姿もお構いなしに、少女は椅子に登ったり、降りたり、押したり、パンパンと叩いたりして一人遊びをしている。
「う~ん、例えば…エリーゼ、なんてどう?エリーゼ」
少女に向かって呼んでみるが、ガン無視で何の反応もない。
「…ダメ、か。…じゃあ、シエラ!シエラは?」
少し、耳がピクリと動いた気がするが、たまたまかもしれないし、反応したとは言いきれない。
でも、ちょっと参考にしておこう。
「じゃ、ルリアーナなんてどうだい?ルリ?…!?」
こちらを向いたと思って一瞬心が躍るが、本人の目線は下を向き、床の凹みに指を突っ込んで居る。
床の凹みよりも気にならない名前だったか?
いや、凹み以外にも、こちらを向いた方向で気に留まるものを探している。
さっきのルリと言いかけた時も、探しながらこちらを向きそうだった。
つまりは、こちらを気にはしてるって事だ。
ヤバい、可愛い!
気にしててもハッキリ示さない、なんか、いじらしい所があるじゃないか。
こんな可愛い妹が居たら、僕も嬉しいな。
しかし、なかなか気に入って貰える名前が思い付かない。
少しでも反応を見せたのは、シエラとルリアーナだったな。
短い名前の方が解りやすいから反応しやすかったのかもしれない。
ルリアーナのルリと言いかけた時もそうだ。
よし、短い名前も考慮しよう。
でも、曲がりなりにも女の子だから、エレガントで滑らかに柔らかく、暖かみのある音で、少し長めの名前が理想的だよな。
とすれば、短い方は愛称で短く呼べる様にしよう。
それと、音としてはラリルレロの舌を巻く様な音と、シみたいに空気を抜く様な音にも反応するみたいだった。
それなら、どちらも女性らしい名前にはよく使われる音だ。
…うん、決めた。
「シェルリーネ!シェルリーネでどう―――?」
来た。
少女の目は確実にクランを見た。
さらに、復唱した瞬間、笑みを見せたのだ。
これだ!と思って続ける。
「―――そして普段はシェリ!愛称でシェリって呼ばれるのはどうかな!?」
名前と愛称の違いは、言葉が解らないから伝えられないけど、これから覚えて貰えれば良いよね!
そして、少女本人も、喜んでくれたみたいで、「シェリ」を連呼してクランに抱きつく。
「うわっ!あははは!じゃあ君はこれからシェルリーネ、シェリだ!」
「シェリ!シェリ!」
時折、ゴリゴリと硬いものが耳を擦るが、これが恐らく角なんだな。
そんな事も思いながら、2人で喜んでいると、ドランもキッチンから笑い声を送ってきた。
「もう決まったのか。思ったより速かったのう!カッカッカ!」
「うん、決まった!この子はシェルリーネ、シェリだ!そんで、家名は僕と兄弟って事で、エレスタニア!シェルリーネ・エレスタニアだ!」
そう言って、クランはシェリを抱き抱えたまま立ち上がる。
シェリも、身体が勢いよく引っ張り上げられる感覚が楽しいらしく、これまでで最高の笑顔を見せた。
キャッキャとはしゃぎながら、クランの首に抱きつき、身体を揺らして、地に足が付いてない状況を楽しんでいる。
「うごっ!!」
たまに、振り子のように振り下ろされた膝が腹に当たったりすると、直径10センチ×長さ7・80センチ位の丸太が、紐で吊られて振り下ろされた様な衝撃があって、それが鳩尾とかだったりすると、息が吸えなくなる事がある。
正に今、クランの身に起きたアクシデントだった。
顔を青くしたクランは、そのまま膝を折り、なるべくゆっくりシェリを下ろしてから、腹を押さえて蠢いていた。
「お、おお、大丈夫か?」
鈍い音がキッチンまで届いていたらしく、ドランが心配そうに近づいて来るが、クランはそれを手で制す。
「爺ちゃんはご飯作ってくれてるから、キッチン離れないで。後で焦げたご飯なんて嫌だからね」
ニコッと作り笑いは見せたものの、結構しんどいから、『大丈夫』とは返せなかった。
ドランもそれを気にしながら、スゴスゴとキッチンへ戻った。
それから夕食までは、クランはシェリの遊び相手をしながら、今後の事を考える。
食事の後も、もう少し情報が欲しい。
そんな事を思いながら、ゆっくりした時間は過ぎていった。
「そら、出来たぞ?ワシ特製、テラドン肉のすき焼きじゃ!」
「うおー、美味そう!!」
「うおー、うおー」
ドランが黒鍋毎テーブルに運んできたのは、色々な食材を切って、シンプルなタレで煮込んだすき焼きだった。
「若いモンは肉をようけえ(『多く』の意)食え!ちょうど今日、一頭仕留めたばかりじゃて、活きもええ。ぎょーさん(『たくさん』の意)あるけえ、腐らせんのも勿体無いからのう!カッカッカ!!」
「今日仕留めた?」
クランは、ドランの言葉が何となく、妙に気になった。
「そうじゃ、シェリを連れ去ろうとしてた、アイツじゃよ!アイツはメシ食う時と寝る時以外は殆ど一日中飛び回っとるから、肉は少し硬めな代わりによく旨味が詰まっとるんじゃ!じゃから、濃い味付けにも負けんでな!すき焼きにはもってこいじゃ!」
ご機嫌なドランが、饒舌に話ながら付け合わせの和え物や煮物なども持ってくる。
「すき焼きが濃いから、煮物は出汁を効かせてコクはしっかり、味はあっさりに煮込んである。和え物はサッパリ。最高の組み合わせじゃて」
とても豪華な料理だ。
これを、こんな無骨な爺さんが作ったとは、到底思えない。
しかし、クラン達の他には家の中に人影すら無いし、紛れもなくドランが作ったのだろう。
「どうした?遠慮無く食ってええんじゃぞ?」
「い、いや、思ったより豪勢だったから、凄く驚いちゃったよ。…でも、ホント美味そう!う、うおー!じゃ、遠慮無く戴いちゃお!」
後半は、驚きに削がれた勢いを取り戻すべく、豪華なメシに素直にテンションを上げて、満面の笑顔を見せた。
シェリと2人で両手を合わせ、両手の親指と人差し指の間に箸を挟んで「頂きます」を言い、頭を一つ下げてから鍋に箸を向ける。
「ホッホ。記憶を失くしたはずじゃのに、そんな行儀をどこで覚えたのやら」
「んー、わかんない。でも、何となく身体が覚えてるんだよね」
上手く箸が使えないシェリに、箸の使い方を見せて、教えてやる。
口に運ぶのもぎこちなく、口の回りにタレや和え物の胡麻等を付けては、クランが拭いたり、摘まんで口に入れてやったりした。
クランにとっては愛らしい妹で、世話を焼くのも今のところは苦じゃない様だ。
むしろ、ドランの目には、楽しんでいる様にさえ見えて微笑ましかった。
「のう、クラン…」
「…ん?」
ドランも、自分で何を言おうとしているのか、解ってない訳ではないし、そう簡単に通る話でもない事も解ってる。
それでも、クラン達を見ていると、気持ちが暖かくなるのを感じていたから、言う決心をした。
これまでの孤独を思えば、それが怖いのも正直な所ではあるが、それ以上に、この2人が自分にとって…
「ワシも、2人のお爺ちゃんにして貰えんかのう?」
「…え?」
すっかり日も落ち、肌寒くなった外と、壁一枚を隔てた暖かい小屋の中。
思わぬ申し出に固まるクランと、クランの答えを待ってニッコリと微笑んだまま止まるドランが、まるで時間が止まった様に映る。
そんな中、2人を意に介さず、ふうふうしているシェリと、鍋から立ち上がる湯気が、時が流れていることを知らせるのだった。
クランは、孫が祖父に甘えるように、ドランに聞いてみる。
「ふむ。それも、アリかのう。言葉を覚えて話せるようになってから、本当の名前があれば教えてもらっても良いじゃろうて、まずは意志疎通を図ることを優先した場合、名前で呼び合えなければ伝わりにくい事もあるからの」
ドランも孫と話す様な気分を味わってくれたか解らないが、心なしか少し嬉しそうな微笑みを返してくる。
それは一先ず置いといて、クランの案にはどうやら賛成してくれる様だ。
後は本人だが、言葉が解らない以上、事前の話し合いはできないから、幾つか候補の名前で呼んでみて、反応が良い名前にしよう。
今のところはこうするしかないから、言葉が解るようになってきたら、謝るし、嫌なら本当の名前にしても良いし。
「じゃあ決まりだ。そうと決まれば、どんな名前が良いかなぁ…?」
クランの悩む姿もお構いなしに、少女は椅子に登ったり、降りたり、押したり、パンパンと叩いたりして一人遊びをしている。
「う~ん、例えば…エリーゼ、なんてどう?エリーゼ」
少女に向かって呼んでみるが、ガン無視で何の反応もない。
「…ダメ、か。…じゃあ、シエラ!シエラは?」
少し、耳がピクリと動いた気がするが、たまたまかもしれないし、反応したとは言いきれない。
でも、ちょっと参考にしておこう。
「じゃ、ルリアーナなんてどうだい?ルリ?…!?」
こちらを向いたと思って一瞬心が躍るが、本人の目線は下を向き、床の凹みに指を突っ込んで居る。
床の凹みよりも気にならない名前だったか?
いや、凹み以外にも、こちらを向いた方向で気に留まるものを探している。
さっきのルリと言いかけた時も、探しながらこちらを向きそうだった。
つまりは、こちらを気にはしてるって事だ。
ヤバい、可愛い!
気にしててもハッキリ示さない、なんか、いじらしい所があるじゃないか。
こんな可愛い妹が居たら、僕も嬉しいな。
しかし、なかなか気に入って貰える名前が思い付かない。
少しでも反応を見せたのは、シエラとルリアーナだったな。
短い名前の方が解りやすいから反応しやすかったのかもしれない。
ルリアーナのルリと言いかけた時もそうだ。
よし、短い名前も考慮しよう。
でも、曲がりなりにも女の子だから、エレガントで滑らかに柔らかく、暖かみのある音で、少し長めの名前が理想的だよな。
とすれば、短い方は愛称で短く呼べる様にしよう。
それと、音としてはラリルレロの舌を巻く様な音と、シみたいに空気を抜く様な音にも反応するみたいだった。
それなら、どちらも女性らしい名前にはよく使われる音だ。
…うん、決めた。
「シェルリーネ!シェルリーネでどう―――?」
来た。
少女の目は確実にクランを見た。
さらに、復唱した瞬間、笑みを見せたのだ。
これだ!と思って続ける。
「―――そして普段はシェリ!愛称でシェリって呼ばれるのはどうかな!?」
名前と愛称の違いは、言葉が解らないから伝えられないけど、これから覚えて貰えれば良いよね!
そして、少女本人も、喜んでくれたみたいで、「シェリ」を連呼してクランに抱きつく。
「うわっ!あははは!じゃあ君はこれからシェルリーネ、シェリだ!」
「シェリ!シェリ!」
時折、ゴリゴリと硬いものが耳を擦るが、これが恐らく角なんだな。
そんな事も思いながら、2人で喜んでいると、ドランもキッチンから笑い声を送ってきた。
「もう決まったのか。思ったより速かったのう!カッカッカ!」
「うん、決まった!この子はシェルリーネ、シェリだ!そんで、家名は僕と兄弟って事で、エレスタニア!シェルリーネ・エレスタニアだ!」
そう言って、クランはシェリを抱き抱えたまま立ち上がる。
シェリも、身体が勢いよく引っ張り上げられる感覚が楽しいらしく、これまでで最高の笑顔を見せた。
キャッキャとはしゃぎながら、クランの首に抱きつき、身体を揺らして、地に足が付いてない状況を楽しんでいる。
「うごっ!!」
たまに、振り子のように振り下ろされた膝が腹に当たったりすると、直径10センチ×長さ7・80センチ位の丸太が、紐で吊られて振り下ろされた様な衝撃があって、それが鳩尾とかだったりすると、息が吸えなくなる事がある。
正に今、クランの身に起きたアクシデントだった。
顔を青くしたクランは、そのまま膝を折り、なるべくゆっくりシェリを下ろしてから、腹を押さえて蠢いていた。
「お、おお、大丈夫か?」
鈍い音がキッチンまで届いていたらしく、ドランが心配そうに近づいて来るが、クランはそれを手で制す。
「爺ちゃんはご飯作ってくれてるから、キッチン離れないで。後で焦げたご飯なんて嫌だからね」
ニコッと作り笑いは見せたものの、結構しんどいから、『大丈夫』とは返せなかった。
ドランもそれを気にしながら、スゴスゴとキッチンへ戻った。
それから夕食までは、クランはシェリの遊び相手をしながら、今後の事を考える。
食事の後も、もう少し情報が欲しい。
そんな事を思いながら、ゆっくりした時間は過ぎていった。
「そら、出来たぞ?ワシ特製、テラドン肉のすき焼きじゃ!」
「うおー、美味そう!!」
「うおー、うおー」
ドランが黒鍋毎テーブルに運んできたのは、色々な食材を切って、シンプルなタレで煮込んだすき焼きだった。
「若いモンは肉をようけえ(『多く』の意)食え!ちょうど今日、一頭仕留めたばかりじゃて、活きもええ。ぎょーさん(『たくさん』の意)あるけえ、腐らせんのも勿体無いからのう!カッカッカ!!」
「今日仕留めた?」
クランは、ドランの言葉が何となく、妙に気になった。
「そうじゃ、シェリを連れ去ろうとしてた、アイツじゃよ!アイツはメシ食う時と寝る時以外は殆ど一日中飛び回っとるから、肉は少し硬めな代わりによく旨味が詰まっとるんじゃ!じゃから、濃い味付けにも負けんでな!すき焼きにはもってこいじゃ!」
ご機嫌なドランが、饒舌に話ながら付け合わせの和え物や煮物なども持ってくる。
「すき焼きが濃いから、煮物は出汁を効かせてコクはしっかり、味はあっさりに煮込んである。和え物はサッパリ。最高の組み合わせじゃて」
とても豪華な料理だ。
これを、こんな無骨な爺さんが作ったとは、到底思えない。
しかし、クラン達の他には家の中に人影すら無いし、紛れもなくドランが作ったのだろう。
「どうした?遠慮無く食ってええんじゃぞ?」
「い、いや、思ったより豪勢だったから、凄く驚いちゃったよ。…でも、ホント美味そう!う、うおー!じゃ、遠慮無く戴いちゃお!」
後半は、驚きに削がれた勢いを取り戻すべく、豪華なメシに素直にテンションを上げて、満面の笑顔を見せた。
シェリと2人で両手を合わせ、両手の親指と人差し指の間に箸を挟んで「頂きます」を言い、頭を一つ下げてから鍋に箸を向ける。
「ホッホ。記憶を失くしたはずじゃのに、そんな行儀をどこで覚えたのやら」
「んー、わかんない。でも、何となく身体が覚えてるんだよね」
上手く箸が使えないシェリに、箸の使い方を見せて、教えてやる。
口に運ぶのもぎこちなく、口の回りにタレや和え物の胡麻等を付けては、クランが拭いたり、摘まんで口に入れてやったりした。
クランにとっては愛らしい妹で、世話を焼くのも今のところは苦じゃない様だ。
むしろ、ドランの目には、楽しんでいる様にさえ見えて微笑ましかった。
「のう、クラン…」
「…ん?」
ドランも、自分で何を言おうとしているのか、解ってない訳ではないし、そう簡単に通る話でもない事も解ってる。
それでも、クラン達を見ていると、気持ちが暖かくなるのを感じていたから、言う決心をした。
これまでの孤独を思えば、それが怖いのも正直な所ではあるが、それ以上に、この2人が自分にとって…
「ワシも、2人のお爺ちゃんにして貰えんかのう?」
「…え?」
すっかり日も落ち、肌寒くなった外と、壁一枚を隔てた暖かい小屋の中。
思わぬ申し出に固まるクランと、クランの答えを待ってニッコリと微笑んだまま止まるドランが、まるで時間が止まった様に映る。
そんな中、2人を意に介さず、ふうふうしているシェリと、鍋から立ち上がる湯気が、時が流れていることを知らせるのだった。
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