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10話 聖人
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聖人リオネルが大聖堂で起こした奇跡は、教皇庁を震撼させた。
「聖人どころの話ではない……!」
聖遺物である聖杯を輝かせたリオネル司教は、聖人に認定された。
さらに聖人リオネルの光魔法により聖杯から湧いた緑色の液体が解析された。
その緑色の液体は最高品質の回復薬だった。
この奇跡に驚嘆した教皇庁の者たちは、リオネル司教とその奇跡についてそこかしこで議論を繰り広げた。
「伝説の聖杯から本当にポーションが湧くとは……。おお、神よ……」
「聖杯は注がれた魔力をポーションに変換する道具だったのだな」
「ポーションを作るには大量の光属性の魔力が必要だったということか。それこそ勇者のような……」
「少量の魔力ではポーションを生成するには足らず、発光するのみだったのか」
「聖杯は灯火としても使われたのではないか。勇者の魔力なら十分な光源となったであろう」
「ポーションの生成時に輝いては敵に居場所を知られる。聖杯を発光させずポーションを生成する方法があるのではないか?」
「リオネル司教の協力があれば聖遺物の研究が進みそうだな」
「伝説の勇者の再来かもしれぬ」
高位の聖職者ほど現実派で、宗教的な幻想や理想の対極にいた、
現世で出世するには現実問題に対処する能力や処世術が必要だからだ。
しかし聖人リオネルによる神の奇跡を現実として目の当たりにして、現実派だった者たちの心にも神への畏れと熱い信仰心が沸き立ちつつあった。
「あの奇跡……。リオネル司教は神の恩寵を得ているとしか思えぬ」
「アルカナ王国の司教たちがこぞって推薦状を書いていたのは、王族の身分に忖度したゆえと思っていたが……。まさか本物であったとは」
「満場一致により、聖人リオネル司教を枢機卿に任命する」
リオネル司教を枢機卿として認めるか否かの投票が教皇庁にて行われた。
結果は十割が賛成。
教皇と枢機卿団全員の賛成票を得て、リオネル司教は枢機卿となった。
「おお……」
「まさか満場一致とは……」
枢機卿団はこの驚くべき事態にどよめいた。
政争の舞台として陰謀渦巻く教皇庁において、歴史上、教皇はもとより枢機卿ですら満場一致で決定したことなど一度も無かった。
歴史上初の満場一致により、史上最年少の若き枢機卿が誕生した瞬間であった。
「神に感謝を」
聖人リオネル枢機卿がそう謝意を述べると、教皇と枢機卿団は次々と彼に祝福を与えた。
「神とともにあらんことを」
「神の恵みを」
聖人リオネル枢機卿を中心に、教皇と枢機卿団は不思議な一体感に包まれていた。
「聖人どころの話ではない……!」
聖遺物である聖杯を輝かせたリオネル司教は、聖人に認定された。
さらに聖人リオネルの光魔法により聖杯から湧いた緑色の液体が解析された。
その緑色の液体は最高品質の回復薬だった。
この奇跡に驚嘆した教皇庁の者たちは、リオネル司教とその奇跡についてそこかしこで議論を繰り広げた。
「伝説の聖杯から本当にポーションが湧くとは……。おお、神よ……」
「聖杯は注がれた魔力をポーションに変換する道具だったのだな」
「ポーションを作るには大量の光属性の魔力が必要だったということか。それこそ勇者のような……」
「少量の魔力ではポーションを生成するには足らず、発光するのみだったのか」
「聖杯は灯火としても使われたのではないか。勇者の魔力なら十分な光源となったであろう」
「ポーションの生成時に輝いては敵に居場所を知られる。聖杯を発光させずポーションを生成する方法があるのではないか?」
「リオネル司教の協力があれば聖遺物の研究が進みそうだな」
「伝説の勇者の再来かもしれぬ」
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しかし聖人リオネルによる神の奇跡を現実として目の当たりにして、現実派だった者たちの心にも神への畏れと熱い信仰心が沸き立ちつつあった。
「あの奇跡……。リオネル司教は神の恩寵を得ているとしか思えぬ」
「アルカナ王国の司教たちがこぞって推薦状を書いていたのは、王族の身分に忖度したゆえと思っていたが……。まさか本物であったとは」
「満場一致により、聖人リオネル司教を枢機卿に任命する」
リオネル司教を枢機卿として認めるか否かの投票が教皇庁にて行われた。
結果は十割が賛成。
教皇と枢機卿団全員の賛成票を得て、リオネル司教は枢機卿となった。
「おお……」
「まさか満場一致とは……」
枢機卿団はこの驚くべき事態にどよめいた。
政争の舞台として陰謀渦巻く教皇庁において、歴史上、教皇はもとより枢機卿ですら満場一致で決定したことなど一度も無かった。
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「神に感謝を」
聖人リオネル枢機卿がそう謝意を述べると、教皇と枢機卿団は次々と彼に祝福を与えた。
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聖人リオネル枢機卿を中心に、教皇と枢機卿団は不思議な一体感に包まれていた。
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