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20話 末っ子の全力
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「タイタナイト公爵が私の後押しを?」
「そう。公爵閣下もコランダム子爵にはご立腹で、それでサフィール嬢に代替わりさせることに協力してくださったんだ」
私が早々に爵位を継承できた件について。
アルマンディン様が裏事情を教えてくださいました。
「兄さんがタイタナイト公爵のご令息スフェーン様と学院で一緒で、仲が良かったからね。それで父親同士も仲良くなったんだ。スフェーン様は第二王子殿下とも仲が良いから、第二王子殿下からも国王陛下に進言していただいた」
アルマンディン様は、ご家族の煌びやかな交友関係を語られました。
ルビーの件で、多数の貴族家から意見があったのも、ガーネット伯爵夫妻や、アルマンディン様のお兄様たちが人脈を駆使してくださったおかげのようです。
私が打ち明けた我が家の事情を、アルマンディン様はご家族に相談なさり、そしてご家族が協力してくださったのです。
「末っ子で甘やかされてるって言われるのが嫌だったから、親に頼らないようにしていたんだけど。事が事だから家族に協力してもらったんだ」
私には、見えました。
アルマンディン様の後ろに、末っ子を溺愛するご家族の姿が。
私がアルマンディン様に魅かれたのは、私が持っていないものを彼が持っていたせいもあるかもしれません。
アルマンディン様には、屈託の無い明るさがあります。
それはおそらく愛されて育った者が持つ明るさでしょう。
家族に虐げられて育った私とは大違い。
「素敵なご家族ですね……」
「そう言って貰えると嬉しいよ」
「我が家は……こんな惨状で、お恥ずかしいです」
「サフィール嬢のせいじゃないんだから気にすることないよ。それに……」
アルマンディン様は少しもじもじしながら言いました。
「こ、これから僕たち、け、け、結婚するんだから……。困ったことがあったら何でも僕に相談して。僕を頼ってよ。結婚したら僕たち家族になるんだから」
「……!」
家族……。
そういえば、そうです。
結婚したら家族です。
困ったことがあったら家族に相談して、家族を頼るなんて。
アルマンディン様には日常なのかもしれませんが、私には夢のような話です。
アルマンディン様と結婚したら、私にも、頼れる家族ができるのでしょうか。
「文官の試験は受けるつもりだよ。サフィール嬢のお荷物にはなりたくないから」
「お荷物だなんて、そんな。とんでもありません。こんな我が家に、婿入りしてくださるだけでありがたいです」
「文官になれば、サフィール嬢の領主の仕事の助けになれることもあると思うんだ。サフィール嬢を支えられるように勉強するよ」
アルマンディン様の真っ直ぐな好意が眩しいです。
アルマンディン様が私の家族になってくださったら……。
こんな私にも頼れる家族が出来て、幸せになれるでしょうか?
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私には、見えました。
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それはおそらく愛されて育った者が持つ明るさでしょう。
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「こ、これから僕たち、け、け、結婚するんだから……。困ったことがあったら何でも僕に相談して。僕を頼ってよ。結婚したら僕たち家族になるんだから」
「……!」
家族……。
そういえば、そうです。
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「お荷物だなんて、そんな。とんでもありません。こんな我が家に、婿入りしてくださるだけでありがたいです」
「文官になれば、サフィール嬢の領主の仕事の助けになれることもあると思うんだ。サフィール嬢を支えられるように勉強するよ」
アルマンディン様の真っ直ぐな好意が眩しいです。
アルマンディン様が私の家族になってくださったら……。
こんな私にも頼れる家族が出来て、幸せになれるでしょうか?
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