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30話 両親への制裁
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私はルビーと一緒に領地へ行きました。
領地の、ルビーたちが暮らしている小さな館へ。
物置部屋に監禁されている両親に会って、私の決定を伝えるために。
「お姉様がわざわざ来なくても、ルビーがやっておいてあげるのにぃ」
「お父様とお母様に、私が自分の口から言いたいのよ」
そう、私が直接、私の決定を伝えたいのです。
かつて私が父に逆らえなかったように、今度は父と母が、コランダム家の当主となった私に逆らえません。
私はもう両親に叱られることを恐れる必要はないのです。
◆
――両親を蟄居させている小さな館。
「ごきげんよう、お父様、お母様」
私が応接室で待っていると、従僕やメイドたちに引き立てられて監禁されていた両親が来ました。
「お元気そうですね」
やつれている両親に対してのこれは、もちろん皮肉です。
「サフィール……!」
「……!」
両親は、私を見た一瞬、目を輝かせました。
溺れる者が藁をつかもうとしているかのように。
ですが私の後ろに立っているルビーの姿に気付くと、絶望の色を浮かべました。
かつての両親はルビーを溺愛していたというのに。
随分とルビーを見る目が変わったものです。
「サフィール、ここから出してくれ」
「サフィール、お願いよ」
みすぼらしくなった両親が、私に哀願しました。
「お父様、お母様……」
私はにっこり微笑んで両親に言いました。
「修道院へ行くなら物置部屋から出してあげます。どうしますか?」
物置部屋に監禁されるより、修道院のほうが環境はマシなはずです。
少なくとも食事はまともですからね。
迷うような質問ではないと思うのですが。
「修道院……」
「そんな……」
両親は悲愴な顔をしました。
信心深く勤勉な者にとっては、修道院は天国に近い素晴らしい場所です。
しかし贅沢を望む者や怠惰な者にとっては、清貧な修道院は地獄のような場所です。
修道院と聞いて両親がこの世の終わりのような顔をしたのは、それだけ俗物だということです。
物置部屋に監禁される状況に比べて、どちらを選ぶか迷うほど、両親にとって修道院は酷い場所なのです。
「強制はしません。修道院が嫌だというのであれば、どうぞ今のまま、この館でお過ごしください」
私がそう言うと、両親はがっくりと項垂れました。
「解った。修道院へ行こう……」
「行くわ……」
両親は修道院へ行くことを承諾しました。
両親が私の望みを聞き入れてくれたのは、これが初めてかもしれません。
話が通じる相手との会話は、なかなか良いものですね。
◆
表向きには、両親は自ら望んで修道院へ行ったことにしました。
親族たちは家名に泥を塗った両親に激怒していますし、無能な両親は公爵家を始めとする有力貴族にも疎まれています。
両親を助ける者はいないと思われる状況なので、あの二人が今更何か出来るとは思いません。
ですが、一応、念のため、両親には被害妄想と虚言癖があると修道院に説明しました。
監禁されていたことや、脅迫されて修道院へ入ったことを両親がしゃべったとしても、妄想として対処してもらうためです。
そのため修道院には多めに寄付をしました。
領地の、ルビーたちが暮らしている小さな館へ。
物置部屋に監禁されている両親に会って、私の決定を伝えるために。
「お姉様がわざわざ来なくても、ルビーがやっておいてあげるのにぃ」
「お父様とお母様に、私が自分の口から言いたいのよ」
そう、私が直接、私の決定を伝えたいのです。
かつて私が父に逆らえなかったように、今度は父と母が、コランダム家の当主となった私に逆らえません。
私はもう両親に叱られることを恐れる必要はないのです。
◆
――両親を蟄居させている小さな館。
「ごきげんよう、お父様、お母様」
私が応接室で待っていると、従僕やメイドたちに引き立てられて監禁されていた両親が来ました。
「お元気そうですね」
やつれている両親に対してのこれは、もちろん皮肉です。
「サフィール……!」
「……!」
両親は、私を見た一瞬、目を輝かせました。
溺れる者が藁をつかもうとしているかのように。
ですが私の後ろに立っているルビーの姿に気付くと、絶望の色を浮かべました。
かつての両親はルビーを溺愛していたというのに。
随分とルビーを見る目が変わったものです。
「サフィール、ここから出してくれ」
「サフィール、お願いよ」
みすぼらしくなった両親が、私に哀願しました。
「お父様、お母様……」
私はにっこり微笑んで両親に言いました。
「修道院へ行くなら物置部屋から出してあげます。どうしますか?」
物置部屋に監禁されるより、修道院のほうが環境はマシなはずです。
少なくとも食事はまともですからね。
迷うような質問ではないと思うのですが。
「修道院……」
「そんな……」
両親は悲愴な顔をしました。
信心深く勤勉な者にとっては、修道院は天国に近い素晴らしい場所です。
しかし贅沢を望む者や怠惰な者にとっては、清貧な修道院は地獄のような場所です。
修道院と聞いて両親がこの世の終わりのような顔をしたのは、それだけ俗物だということです。
物置部屋に監禁される状況に比べて、どちらを選ぶか迷うほど、両親にとって修道院は酷い場所なのです。
「強制はしません。修道院が嫌だというのであれば、どうぞ今のまま、この館でお過ごしください」
私がそう言うと、両親はがっくりと項垂れました。
「解った。修道院へ行こう……」
「行くわ……」
両親は修道院へ行くことを承諾しました。
両親が私の望みを聞き入れてくれたのは、これが初めてかもしれません。
話が通じる相手との会話は、なかなか良いものですね。
◆
表向きには、両親は自ら望んで修道院へ行ったことにしました。
親族たちは家名に泥を塗った両親に激怒していますし、無能な両親は公爵家を始めとする有力貴族にも疎まれています。
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ですが、一応、念のため、両親には被害妄想と虚言癖があると修道院に説明しました。
監禁されていたことや、脅迫されて修道院へ入ったことを両親がしゃべったとしても、妄想として対処してもらうためです。
そのため修道院には多めに寄付をしました。
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