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29話 罰かご褒美か
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「お父様とお母様にも、修道院へ行ってもらおうと思うの」
私がそう考えを述べると、ルビーは不服そうな顔をしました。
「それってご褒美じゃないですかぁ」
「ルビーにとってはご褒美でも、お父様とお母様にとっては辛いことなのよ」
「物置部屋よりも?」
「物置部屋よりは生活環境はマシよ。だからこそ良いの」
「甘すぎるんじゃないんですかぁ?」
眉を歪めたルビーに私は説明しました。
「お父様もお母様も見栄っ張りで怠惰だから、修道院での生活は罰になるわ。下級の修道士や修道女は農作業もするの。あの二人には土いじりは屈辱的で辛い仕事のはずよ」
「そうですかぁ?」
「あの二人を修道院へ送ったら、私はあの二人を二度と還俗させる気はないから。もしあの二人が修道院から逃げ出したとしても、あの二人の生活の面倒を見る者は誰もいないわ。市井に出たら、修道院よりさらに酷い生活を送ることになるでしょう」
「脱走したら野垂れ死にしそうですねぇ」
ルビーが悪魔のように微笑みました。
ルビーの殺伐とした言葉を聞いても、私も両親に対しては何の同情心も起こりません。
そもそもその状況に両親を追いやろうとしているのは、私ですから。
「修道院で作業と祈りだけに費やす終わりのない日々は、見栄っ張りで怠惰なお父様とお母様にとっては、出口のない長い地獄よ。希望のない人生を送ることになる。素朴な生活に喜びを見出せれば救われるでしょうけれど。あの二人は簡単には改心しないと思うの。だからきっと長く苦しむわ。それに……」
私は小さく肩を窄めて見せました。
「あの人たちのために、これ以上、私は自分の時間を使いたくないの。私はこれからは自分の幸せのために時間を使いたいのよ。ルビーだって、あの人たちに罰を与えるために時間を使うのは嫌でしょう? ルビーは自分の勉強のために時間を使いたいから、お父様とお母様に罰を与える役目を、私に丸投げしたのよね?」
「まぁ、そうですけどぉ……」
「お父様とお母様は根っからの俗物だもの。清らかな修道院でたくさん苦しむわ」
「私、お母様と同じ修道院は嫌ですよ?」
ルビーは王都に近い有名修道院へ行くことが決まっています。
「解っているわ。派手好きなお母様のためには、なるべく寂しい修道院を探すから安心して」
「ふうん……」
ルビーは少し面白そうにして私を見ました。
「お姉様はいつもうじうじしてたから、イライラしましたけどぉ。今のお姉様は少し良い感じですよ」
強欲なルビーに褒められてしまいました。
ルビーの価値観で褒められると良いのか悪いのか解りません。
「自分の望みはちゃんと言ったほうが良いですからね」
いつでも堂々と欲望を口にするルビーは、自信たっぷりの笑顔を浮かべました。
「言わなきゃ手に入らないですから」
「場合によりけりだと思うわよ」
「ルビーが修道院へ行きたいって言わなかったら、ルビーはずっとあの館だったでしょう?」
「まあ……。それはそうね……」
私がそう考えを述べると、ルビーは不服そうな顔をしました。
「それってご褒美じゃないですかぁ」
「ルビーにとってはご褒美でも、お父様とお母様にとっては辛いことなのよ」
「物置部屋よりも?」
「物置部屋よりは生活環境はマシよ。だからこそ良いの」
「甘すぎるんじゃないんですかぁ?」
眉を歪めたルビーに私は説明しました。
「お父様もお母様も見栄っ張りで怠惰だから、修道院での生活は罰になるわ。下級の修道士や修道女は農作業もするの。あの二人には土いじりは屈辱的で辛い仕事のはずよ」
「そうですかぁ?」
「あの二人を修道院へ送ったら、私はあの二人を二度と還俗させる気はないから。もしあの二人が修道院から逃げ出したとしても、あの二人の生活の面倒を見る者は誰もいないわ。市井に出たら、修道院よりさらに酷い生活を送ることになるでしょう」
「脱走したら野垂れ死にしそうですねぇ」
ルビーが悪魔のように微笑みました。
ルビーの殺伐とした言葉を聞いても、私も両親に対しては何の同情心も起こりません。
そもそもその状況に両親を追いやろうとしているのは、私ですから。
「修道院で作業と祈りだけに費やす終わりのない日々は、見栄っ張りで怠惰なお父様とお母様にとっては、出口のない長い地獄よ。希望のない人生を送ることになる。素朴な生活に喜びを見出せれば救われるでしょうけれど。あの二人は簡単には改心しないと思うの。だからきっと長く苦しむわ。それに……」
私は小さく肩を窄めて見せました。
「あの人たちのために、これ以上、私は自分の時間を使いたくないの。私はこれからは自分の幸せのために時間を使いたいのよ。ルビーだって、あの人たちに罰を与えるために時間を使うのは嫌でしょう? ルビーは自分の勉強のために時間を使いたいから、お父様とお母様に罰を与える役目を、私に丸投げしたのよね?」
「まぁ、そうですけどぉ……」
「お父様とお母様は根っからの俗物だもの。清らかな修道院でたくさん苦しむわ」
「私、お母様と同じ修道院は嫌ですよ?」
ルビーは王都に近い有名修道院へ行くことが決まっています。
「解っているわ。派手好きなお母様のためには、なるべく寂しい修道院を探すから安心して」
「ふうん……」
ルビーは少し面白そうにして私を見ました。
「お姉様はいつもうじうじしてたから、イライラしましたけどぉ。今のお姉様は少し良い感じですよ」
強欲なルビーに褒められてしまいました。
ルビーの価値観で褒められると良いのか悪いのか解りません。
「自分の望みはちゃんと言ったほうが良いですからね」
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「言わなきゃ手に入らないですから」
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「まあ……。それはそうね……」
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