甘やかされた欲しがり妹は~私の婚約者を奪おうとした妹が思わぬ展開に!

柚屋志宇

文字の大きさ
28 / 34

28話 共犯者

しおりを挟む
「修道院へ行けることになったのぉ!」

 領地からルビーに付き添って来た執事とメイドに、ルビーはそう報告しました。

「ルビー様、おめでとうございます」
「ご当主様の許可がいただけたら安心でございますね」

「あなたたちのおかげよぉ!」

「もったいないお言葉でございます」
「本当に良うございました。ルビー様はきっと修道院で立派におなりです」

 執事とメイドは我が事のようにルビーの修道院行きを喜びました。
 随分とルビーに懐いているように見えます。

「両親のことだけれど、今、どういう状況なの?」

 執事とメイドがルビーと和気藹々している様子に内心で首を傾げながらも。
 私は執事に尋ねました。

 両親を物置部屋に閉じ込めたとルビーが言っていましたが、本当なのか確認するためです。

「はい。ご当主様のお心のままに」

 執事は意味深に、小暗い微笑を浮かべました。

「私共がしっかり監視しております」

 結論から言うと。
 ルビーの言った通りのことが実際に行われていました。
 使用人たちは私に忖度して両親を監禁したのです。

 私が両親を監禁して罰を与えることを望んでいると、使用人たちは思い込んでいました。

 使用人たちにそう思い込ませたのはルビーでした。
 ルビーは使用人たちの前でお得意の可哀想な子を演じて、両親を悪者に仕立て上げたのです。
 そして使用人たちの心を掴み、ルビーは小さな館の中で君臨していました。

 ルビーはもしかすると、家を支配することにかけては天才かもしれません。

「お姉様の望み通りでしょう?」
「そうね……」

 意図はしていませんでしたが、ルビーの言う通りです。
 それは私の本当の望みです。

 両親を蟄居させておくようにと、私は領地の館の使用人たちに命令しました。
 それ以上のことは期待していませんでした。

 でも本当は、心の奥底では、両親に罰を与えたいと望んでいました。

「よく働いてくれました。あなたたちの仕事ぶりに私は満足しています」

 私は執事とメイドをねぎらいました。


 ◆


 ――お姉様だって仕返しがしたいくせに。

 ルビーのその言葉は、私の心に棘のように刺さりました。

 ――お姉様はなんで手を汚さないのぉ?

 ルビーに手を汚させたのは、私なのでしょう。

 私が、ルビーにとって両親は毒だと知っていて、ルビーと両親をあの館に一緒に住ませたから、ルビーは手を汚したのです。
 私の罪です。

 だから私は、ルビーと同じように、自分の手を汚すことにしました。

 両親に罰を与えたいという自分の望みのために。

「ルビー、話があるの」
「何ですかぁ」

 領地に戻る準備をしていたルビーに、私は言いました。

「ルビーに言われて考えたの。お父様とお母様に、これからどういう罰を与えるか」
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

お姉様は嘘つきです! ~信じてくれない毒親に期待するのをやめて、私は新しい場所で生きていく! と思ったら、黒の王太子様がお呼びです?

朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
男爵家の令嬢アリシアは、姉ルーミアに「悪魔憑き」のレッテルをはられて家を追い出されようとしていた。 何を言っても信じてくれない毒親には、もう期待しない。私は家族のいない新しい場所で生きていく!   と思ったら、黒の王太子様からの招待状が届いたのだけど? 別サイトにも投稿してます(https://ncode.syosetu.com/n0606ip/)

姉の陰謀で追放されました

たくわん
恋愛
魔力なしと断じられ、姉の陰謀で侯爵家を追放されたリディア。辿り着いた辺境の村で絶望の淵に立った時、彼女の中に眠っていた「聖癒の魔法」が目覚める。 傷ついた村人を救ったリディアは、冷酷無慈悲と恐れられる辺境伯ルカの目に留まり、専属治癒師として城に迎えられる。凍てついた心を持つ辺境伯との出会いが、リディアの運命を大きく変えていく――。

厄介払いされてしまいました

たくわん
恋愛
侯爵家の次女エリアーナは、美人の姉ロザリンドと比べられ続け、十八年間冷遇されてきた。 十八歳の誕生日、父から告げられたのは「辺境の老伯爵に嫁げ」という厄介払いの命令。 しかし、絶望しながらも辺境へ向かったエリアーナを待っていたのは――。

(完)お姉様、婚約者を取り替えて?ーあんなガリガリの幽霊みたいな男は嫌です(全10話)

青空一夏
恋愛
妹は人のものが常に羨ましく盗りたいタイプ。今回は婚約者で理由は、 「私の婚約者は幽霊みたいに青ざめた顔のガリガリのゾンビみたい! あんな人は嫌よ! いくら領地経営の手腕があって大金持ちでも絶対にいや!」 だそうだ。 一方、私の婚約者は大金持ちではないが、なかなかの美男子だった。 「あのガリガリゾンビよりお姉様の婚約者のほうが私にぴったりよ! 美男美女は大昔から皆に祝福されるのよ?」と言う妹。 両親は妹に甘く私に、 「お姉ちゃんなのだから、交換してあげなさい」と言った。 私の婚約者は「可愛い妹のほうが嬉しい」と言った。妹は私より綺麗で可愛い。 私は言われるまま妹の婚約者に嫁いだ。彼には秘密があって…… 魔法ありの世界で魔女様が最初だけ出演します。 ⸜🌻⸝‍姉の夫を羨ましがり、悪巧みをしかけようとする妹の自業自得を描いた物語。とことん、性格の悪い妹に胸くそ注意です。ざまぁ要素ありですが、残酷ではありません。 タグはあとから追加するかもしれません。

妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる

ワールド
恋愛
妹のリリアナは私より可愛い。それに才色兼備で姉である私は公爵家の中で落ちこぼれだった。 でも、愛する婚約者マルナールがいるからリリアナや家族からの視線に耐えられた。 しかし、ある日リリアナに婚約者を奪われてしまう。 「すまん、別れてくれ」 「私の方が好きなんですって? お姉さま」 「お前はもういらない」 様々な人からの裏切りと告白で私は公爵家を追放された。 それは終わりであり始まりだった。 路頭に迷っていると、とても爽やかな顔立ちをした公爵に。 「なんだ? この可愛い……女性は?」 私は拾われた。そして、ここから逆襲が始まった。

かわいそうな欲しがり妹のその後は ~ 王子様とは結婚しません!

柚屋志宇
恋愛
「お姉様のドレスちょうだい!」と言っていた可哀想な平民育ちの義妹デイジーに、生粋の公爵令嬢リナリアが淑女教育を施してあげたら『傾国の令嬢』に進化してしまった。 デイジーは王子や令息たちを魅了してしまい求婚が殺到する。 やがて国家を揺るがす大騒動となるが、リナリアは知略で危機を乗り切って征く。 ※小説家になろうにも掲載しています。

姉と妹の常識のなさは父親譲りのようですが、似てない私は養子先で運命の人と再会できました

珠宮さくら
恋愛
スヴェーア国の子爵家の次女として生まれたシーラ・ヘイデンスタムは、母親の姉と同じ髪色をしていたことで、母親に何かと昔のことや隣国のことを話して聞かせてくれていた。 そんな最愛の母親の死後、シーラは父親に疎まれ、姉と妹から散々な目に合わされることになり、婚約者にすら誤解されて婚約を破棄することになって、居場所がなくなったシーラを助けてくれたのは、伯母のエルヴィーラだった。 同じ髪色をしている伯母夫妻の養子となってからのシーラは、姉と妹以上に実の父親がどんなに非常識だったかを知ることになるとは思いもしなかった。

それは私の仕事ではありません

mios
恋愛
手伝ってほしい?嫌ですけど。自分の仕事ぐらい自分でしてください。

処理中です...