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27話 蛇の賢さ
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「魔女裁判はあるけどぉ、昔みたいな拷問は現代では有り得ないですよぉ」
ルビーは自慢するように言いました。
「司教様が言っていましたよ」
「司教様とお話したの?」
私がそう質問するとルビーは得意気に答えました。
「修道院に行きたいから教会にお話を聞きに行ったんです」
ルビーは堂々とした態度で言いました。
「下調べするのは当たり前じゃないですかぁ」
「ルビー、どうして修道院へ行こうと思ったの?」
「勉強するためですよ。もう甘やかされたくないですからぁ。沢山勉強ができるように厳しいところへ行きたいんです」
「本気で勉強するつもりなの?」
「当たり前じゃないですかぁ。自分のためですからね。ルビーはお行儀が悪いはしたない子って醜聞が立ってしまいましたから、名誉を取り戻すためにも修道院に行きたいんです。修道院で二年か三年、真面目に勉強すれば醜聞を消せるって、メイドたちが教えてくれました」
メイドたちが?
ルビーはあの館のメイドたちと仲良くなったのかしら?
「たしかに……醜聞を打ち消すには修道院へ行くのは良い案かもしれない……」
「それにぃ、ルビーが立派な修道女になったら国王陛下だってルビーの悪口を言えなくなるって。執事が言っていました」
「執事が?」
「執事は物知りなんです」
「……」
ルビーと使用人たちとの関係に疑問を抱きながらも、私は考えました。
「そうね……」
国王でも修道女の悪口を表立って言えないのは、その通りです。
よほどの理由がなければ聖職者の悪口を言うことはできません。
聖職者には、宗教の権威と人々の信仰という後ろ盾がありますから。
「……でも、修道院では清貧が尊ばれるから、修道女になったらルビーが好きなお菓子も肉料理も食べられなくなるのよ? 修道服しか着れないから、ルビーが好きな綺麗なドレスも着れなくなるわ。可愛いアクセサリーも着けられないのよ? それでも良いの?」
「そのくらい知ってますよぉ!」
ルビーは軽く憤慨すると、おねだりを始めました。
「お姉様、ルビーに修道院の寄付金ちょうだい!」
貴族の娘が修道院に入る場合、大抵は寄付金を収めます。
ルビーはもう貴族ではありませんが、ルビーの姉でありコランダム女子爵である私が後見人として寄付金を収めれば、修道院はルビーのために融通を利かせてくれるでしょう。
「お姉様は爵位も財産も全部貰ってずるいです! 婚約者もいてずるいです! 寄付金くらいルビーにちょうだい!」
「ルビーが本当に修道院でお勉強したいなら寄付金くらい喜んで出すわ。でも一つ条件があるわ」
私はルビーを見据えて言いました。
「ルビー、もし修道院が嫌になったら、すぐに私に知らせて。すぐに迎えに行くわ。だから修道院で我儘を言ったり、他人の持ち物を強引に取り上げたりしないって約束して」
「そのくらい解ってますよーだ。ルビーは牢屋に入れられたんですからね。外でお行儀悪くするとどうなるかなんて、お姉様よりルビーのほうが知ってるんですから!」
たしかにそうです。
ルビーには王宮で捕らえられた実体験がある分、私より具体的に知っていることでしょう。
「じゃあ約束できる?」
「約束しますぅ!」
「それなら修道院へ行くことを許可するわ。寄付金も出してあげる」
私がそう言うと、ルビーはぱっと明るい笑顔を浮かべました。
「やったぁ!」
ルビーは自慢するように言いました。
「司教様が言っていましたよ」
「司教様とお話したの?」
私がそう質問するとルビーは得意気に答えました。
「修道院に行きたいから教会にお話を聞きに行ったんです」
ルビーは堂々とした態度で言いました。
「下調べするのは当たり前じゃないですかぁ」
「ルビー、どうして修道院へ行こうと思ったの?」
「勉強するためですよ。もう甘やかされたくないですからぁ。沢山勉強ができるように厳しいところへ行きたいんです」
「本気で勉強するつもりなの?」
「当たり前じゃないですかぁ。自分のためですからね。ルビーはお行儀が悪いはしたない子って醜聞が立ってしまいましたから、名誉を取り戻すためにも修道院に行きたいんです。修道院で二年か三年、真面目に勉強すれば醜聞を消せるって、メイドたちが教えてくれました」
メイドたちが?
ルビーはあの館のメイドたちと仲良くなったのかしら?
「たしかに……醜聞を打ち消すには修道院へ行くのは良い案かもしれない……」
「それにぃ、ルビーが立派な修道女になったら国王陛下だってルビーの悪口を言えなくなるって。執事が言っていました」
「執事が?」
「執事は物知りなんです」
「……」
ルビーと使用人たちとの関係に疑問を抱きながらも、私は考えました。
「そうね……」
国王でも修道女の悪口を表立って言えないのは、その通りです。
よほどの理由がなければ聖職者の悪口を言うことはできません。
聖職者には、宗教の権威と人々の信仰という後ろ盾がありますから。
「……でも、修道院では清貧が尊ばれるから、修道女になったらルビーが好きなお菓子も肉料理も食べられなくなるのよ? 修道服しか着れないから、ルビーが好きな綺麗なドレスも着れなくなるわ。可愛いアクセサリーも着けられないのよ? それでも良いの?」
「そのくらい知ってますよぉ!」
ルビーは軽く憤慨すると、おねだりを始めました。
「お姉様、ルビーに修道院の寄付金ちょうだい!」
貴族の娘が修道院に入る場合、大抵は寄付金を収めます。
ルビーはもう貴族ではありませんが、ルビーの姉でありコランダム女子爵である私が後見人として寄付金を収めれば、修道院はルビーのために融通を利かせてくれるでしょう。
「お姉様は爵位も財産も全部貰ってずるいです! 婚約者もいてずるいです! 寄付金くらいルビーにちょうだい!」
「ルビーが本当に修道院でお勉強したいなら寄付金くらい喜んで出すわ。でも一つ条件があるわ」
私はルビーを見据えて言いました。
「ルビー、もし修道院が嫌になったら、すぐに私に知らせて。すぐに迎えに行くわ。だから修道院で我儘を言ったり、他人の持ち物を強引に取り上げたりしないって約束して」
「そのくらい解ってますよーだ。ルビーは牢屋に入れられたんですからね。外でお行儀悪くするとどうなるかなんて、お姉様よりルビーのほうが知ってるんですから!」
たしかにそうです。
ルビーには王宮で捕らえられた実体験がある分、私より具体的に知っていることでしょう。
「じゃあ約束できる?」
「約束しますぅ!」
「それなら修道院へ行くことを許可するわ。寄付金も出してあげる」
私がそう言うと、ルビーはぱっと明るい笑顔を浮かべました。
「やったぁ!」
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