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03話 誤解があるようだったので
「こちらが王家に対して婚約解消を申し出ていることは、私の父コールドウェル公爵に確認すれば解ります」
私がウォーレン殿下を愛しているという、とんでもない誤解をされて眩暈を起こしながらも。
私はアリスさんに言いました。
「お父君のバード男爵から、私の父コールドウェル公爵に確認してもらいなさい」
「だって、ウォーレン様は……。エリザベス様が婚約を解消してくれないって……。エリザベス様がウォーレン様に執着しているからって、言っていました」
「王家との婚約に、私の望みなど関係ないのです」
私は大前提を言いました。
「王太子であるウォーレン殿下の結婚相手を決めるのは、国王陛下よ。公爵の娘でしかない私が、王太子殿下の結婚相手を勝手に決められるわけがないでしょう?」
王太子は、国王の跡継ぎ、次代の国王です。
その結婚相手は、未来の国王の母となります。
公爵家の娘が、未来の国王の母を、好き勝手に指名できるわけがありません。
お決めになるのは国王陛下。
当たり前ですね。
「ウォーレン殿下の結婚相手は、国王陛下がお決めになったの」
「……!」
アリスさんははっとした顔をしました。
王太子の結婚は、私の一存では決められないことを解っていただけたようです。
「私がアリスさんに話したかったのも、その件についてよ。ウォーレン殿下がアリスさんと親密にしている件も添えて、こちらは王家に婚約の解消を願い出たの。そしたら王家は『学生時代の火遊びくらい許してやってくれ』と言って婚約解消に応じなかったのよ」
「……」
顔色を悪くしたアリスさんに、私は念を押すように、大事な部分もう一度言いました。
「ウォーレン殿下とアリスさんの関係を、国王陛下は『学生時代の火遊び』と言っていたの」
「そんな……酷い……」
可哀想なアリスさんは悲愴な表情を浮かべました。
アリスさんが見ている美しい夢を壊してしまうことには気が引けますが。
真実を知らなければ、現実が悲惨なことになりますから、知ったほうが良いでしょう。
「少なくとも国王陛下は、アリスさんのことをウォーレン殿下の火遊びの相手としか見ていないわ。だって国王陛下は、私とウォーレン殿下を結婚させるおつもりですもの」
アリスさんにとって厳しいであろう現実を、私は提示しました。
「ウォーレン殿下は貴族学院を卒業したらアリスさんと別れるか、もしくは、アリスさんを秘密の愛人にするか、どちらかでしょう」
既婚の夫人を愛人にすることは、不道徳ではありますが、大人の関係として見逃されます。
国王であれば、愛人である既婚夫人に公妾という身分を与えることもできます。
教会の反発はありますが、大人の事情で概ね黙認されています。
しかし未婚の貴族令嬢を愛人にしたとあっては大問題です。
国王であっても皆に一斉に非難されるような非道で不埒な行いです。
それをするとなれば秘密にせざるを得ないでしょう。
「そんな……だって……」
「可哀想に……」
私はアリスさんに同情しました。
私がウォーレン殿下を愛しているという、とんでもない誤解をされて眩暈を起こしながらも。
私はアリスさんに言いました。
「お父君のバード男爵から、私の父コールドウェル公爵に確認してもらいなさい」
「だって、ウォーレン様は……。エリザベス様が婚約を解消してくれないって……。エリザベス様がウォーレン様に執着しているからって、言っていました」
「王家との婚約に、私の望みなど関係ないのです」
私は大前提を言いました。
「王太子であるウォーレン殿下の結婚相手を決めるのは、国王陛下よ。公爵の娘でしかない私が、王太子殿下の結婚相手を勝手に決められるわけがないでしょう?」
王太子は、国王の跡継ぎ、次代の国王です。
その結婚相手は、未来の国王の母となります。
公爵家の娘が、未来の国王の母を、好き勝手に指名できるわけがありません。
お決めになるのは国王陛下。
当たり前ですね。
「ウォーレン殿下の結婚相手は、国王陛下がお決めになったの」
「……!」
アリスさんははっとした顔をしました。
王太子の結婚は、私の一存では決められないことを解っていただけたようです。
「私がアリスさんに話したかったのも、その件についてよ。ウォーレン殿下がアリスさんと親密にしている件も添えて、こちらは王家に婚約の解消を願い出たの。そしたら王家は『学生時代の火遊びくらい許してやってくれ』と言って婚約解消に応じなかったのよ」
「……」
顔色を悪くしたアリスさんに、私は念を押すように、大事な部分もう一度言いました。
「ウォーレン殿下とアリスさんの関係を、国王陛下は『学生時代の火遊び』と言っていたの」
「そんな……酷い……」
可哀想なアリスさんは悲愴な表情を浮かべました。
アリスさんが見ている美しい夢を壊してしまうことには気が引けますが。
真実を知らなければ、現実が悲惨なことになりますから、知ったほうが良いでしょう。
「少なくとも国王陛下は、アリスさんのことをウォーレン殿下の火遊びの相手としか見ていないわ。だって国王陛下は、私とウォーレン殿下を結婚させるおつもりですもの」
アリスさんにとって厳しいであろう現実を、私は提示しました。
「ウォーレン殿下は貴族学院を卒業したらアリスさんと別れるか、もしくは、アリスさんを秘密の愛人にするか、どちらかでしょう」
既婚の夫人を愛人にすることは、不道徳ではありますが、大人の関係として見逃されます。
国王であれば、愛人である既婚夫人に公妾という身分を与えることもできます。
教会の反発はありますが、大人の事情で概ね黙認されています。
しかし未婚の貴族令嬢を愛人にしたとあっては大問題です。
国王であっても皆に一斉に非難されるような非道で不埒な行いです。
それをするとなれば秘密にせざるを得ないでしょう。
「そんな……だって……」
「可哀想に……」
私はアリスさんに同情しました。
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