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05話 二日後のこと
――アリスさんとお話をした、その二日後。
「エリザベス様、お話したいことが……」
アリスさんのほうから、私と話がしたいと言って来ましたので、再び二人だけでお話をしました。
「お父様に、私と結婚するつもりだということを言って欲しいって、ウォーレン殿下にお願いしました。そしたら……」
アリスさんはどんよりとした暗い表情で、ウォーレン殿下とのやり取りを話してくれました。
「まだエリザベス様との婚約解消ができていないからって……断られました。婚約解消ができたらきちんと言うからって……。エリザベス様が婚約解消に応じないから、困っていると……」
「こちらは王家に、婚約解消を願い出ている状態なのにね……」
アリスさんの話に、私はつい溜息を吐いてしまいました。
ちなみに我が家は、ウォーレン殿下からも王家からも、婚約解消を打診されたことは一度もありません。
もし王家から打診されていたら、その瞬間に婚約解消となるでしょう。
こちらは婚約解消したいのですから。
「アリスさんは、ウォーレン殿下と結婚したいと思っていらっしゃるの?」
「……解らなくなってしまいました……」
アリスさんは虚ろな眼差しで言いました。
「ウォーレン様のことは好きです。でもウォーレン様は私のこと……本気ではないですよね……」
「ウォーレン殿下がアリスさんを好きだという気持ちは本当だと思うわ。恋をしているのでしょう。でもそれは自分のための恋愛ね」
相手のことなど考えず、ただ感情的に気分良くなるためだけの恋愛。
恋愛とはそういうものなのかもしれませんが……。
「ウォーレン殿下はアリスさんの幸せは考えていないわ。バード男爵の承諾を得ずアリスさんをこっそり連れ出して、街歩きをして、アリスさんに身持ちの悪い娘という悪評が立ってもおかまいなしよ。ウォーレン殿下は自分の楽しみのために、平気でアリスさんを傷つけている」
「……え?」
「この間、言ったでしょう。未婚の娘が、婚約者でもない男性と外出したら白い目で見られると。それにウォーレン殿下に婚約者がいることは皆が知っているわ。アリスさんは、婚約者がいるウォーレン殿下に横恋慕する身持ちの悪い娘として周囲に見られているの。この貴族学院でもね……」
「……!」
アリスさんは何か思い当たることがあったのか、気付いたような顔をしました。
「ウォーレン殿下が今なさっていることはアリスさんの評判を下げることよ。仮にウォーレン殿下が私と婚約解消したとしても、アリスさんとウォーレン殿下の結婚を国王陛下は認めないと思うわ。だってアリスさんは男爵家の養女で身分が足りない上に、悪評が立ってしまっているのですもの。アリスさんに悪評が立った原因はウォーレン殿下にあるけれど……」
「……」
「身分もなく評判も悪い娘という状態では、王族との結婚は無理よ。貴族との結婚も難しいと思うわ。アリスさんが、ウォーレン殿下との恋は火遊びだと割り切っていて、世間に身持ちの悪い娘と罵られてもかまわないというのであれば、付き合い続けても良いと思うけれど……。そうでないなら、もうお止めなさい」
「……」
可哀想なアリスさんはその可憐な顔を歪めて、言葉を失くしてしまいました。
「アリスさんはウォーレン殿下とのお付き合いのことを、お父君のバード男爵に打ち明けましたの?」
「いいえ、まだ……」
「お父君に相談なさい」
その翌日、アリスさんは学院をお休みしました。
そしてそのまま退学しました。
おそらくアリスさんは、ウォーレン殿下とのお付き合いについてお父君に相談したのでしょう。
そしてお父君の判断で王立貴族学院を退学して、ウォーレン殿下から距離を取ることにしたのでしょう。
「エリザベス様、お話したいことが……」
アリスさんのほうから、私と話がしたいと言って来ましたので、再び二人だけでお話をしました。
「お父様に、私と結婚するつもりだということを言って欲しいって、ウォーレン殿下にお願いしました。そしたら……」
アリスさんはどんよりとした暗い表情で、ウォーレン殿下とのやり取りを話してくれました。
「まだエリザベス様との婚約解消ができていないからって……断られました。婚約解消ができたらきちんと言うからって……。エリザベス様が婚約解消に応じないから、困っていると……」
「こちらは王家に、婚約解消を願い出ている状態なのにね……」
アリスさんの話に、私はつい溜息を吐いてしまいました。
ちなみに我が家は、ウォーレン殿下からも王家からも、婚約解消を打診されたことは一度もありません。
もし王家から打診されていたら、その瞬間に婚約解消となるでしょう。
こちらは婚約解消したいのですから。
「アリスさんは、ウォーレン殿下と結婚したいと思っていらっしゃるの?」
「……解らなくなってしまいました……」
アリスさんは虚ろな眼差しで言いました。
「ウォーレン様のことは好きです。でもウォーレン様は私のこと……本気ではないですよね……」
「ウォーレン殿下がアリスさんを好きだという気持ちは本当だと思うわ。恋をしているのでしょう。でもそれは自分のための恋愛ね」
相手のことなど考えず、ただ感情的に気分良くなるためだけの恋愛。
恋愛とはそういうものなのかもしれませんが……。
「ウォーレン殿下はアリスさんの幸せは考えていないわ。バード男爵の承諾を得ずアリスさんをこっそり連れ出して、街歩きをして、アリスさんに身持ちの悪い娘という悪評が立ってもおかまいなしよ。ウォーレン殿下は自分の楽しみのために、平気でアリスさんを傷つけている」
「……え?」
「この間、言ったでしょう。未婚の娘が、婚約者でもない男性と外出したら白い目で見られると。それにウォーレン殿下に婚約者がいることは皆が知っているわ。アリスさんは、婚約者がいるウォーレン殿下に横恋慕する身持ちの悪い娘として周囲に見られているの。この貴族学院でもね……」
「……!」
アリスさんは何か思い当たることがあったのか、気付いたような顔をしました。
「ウォーレン殿下が今なさっていることはアリスさんの評判を下げることよ。仮にウォーレン殿下が私と婚約解消したとしても、アリスさんとウォーレン殿下の結婚を国王陛下は認めないと思うわ。だってアリスさんは男爵家の養女で身分が足りない上に、悪評が立ってしまっているのですもの。アリスさんに悪評が立った原因はウォーレン殿下にあるけれど……」
「……」
「身分もなく評判も悪い娘という状態では、王族との結婚は無理よ。貴族との結婚も難しいと思うわ。アリスさんが、ウォーレン殿下との恋は火遊びだと割り切っていて、世間に身持ちの悪い娘と罵られてもかまわないというのであれば、付き合い続けても良いと思うけれど……。そうでないなら、もうお止めなさい」
「……」
可哀想なアリスさんはその可憐な顔を歪めて、言葉を失くしてしまいました。
「アリスさんはウォーレン殿下とのお付き合いのことを、お父君のバード男爵に打ち明けましたの?」
「いいえ、まだ……」
「お父君に相談なさい」
その翌日、アリスさんは学院をお休みしました。
そしてそのまま退学しました。
おそらくアリスさんは、ウォーレン殿下とのお付き合いについてお父君に相談したのでしょう。
そしてお父君の判断で王立貴族学院を退学して、ウォーレン殿下から距離を取ることにしたのでしょう。
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