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第一章 短し0日目
契約と能力。
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「言い忘れてたけど、ハルトとアルテミアはまだ契約完了してないんだ」
そうだったのか!?と胸中で驚きつつ、ノルンの話に耳を傾けた。
「エルフと人間の契約は、普通は教会で行うんだけど、お柱様と風属性の人間様なのでねぇ。少々厄介なんだよ……そこで、私の力。2人の契約を取り持ってあげましょう……」
「助かるわ、ノルン」
アルテミアは申し訳なさそうに、ノルンを見て、感謝を表した。
アルテミアは素晴らしく純粋だ。
「ありがとな。ノルン」
俺もノルンに対し、敬意、真意をもって感謝した。
「いやいやー。これも呪いの償いって思って!」
ノルンは謙遜したが、通常は教会でやることがノルンもできるって思うと、ノルンの力が何か強大なものに感じられ、途端に怖くなってきた。
そもそもこんなトントン拍子で契約とかそんな大事そうな事なんてやってもいいのか……?俺は不安に苛まれた。
「じゃあこの服を着て」
ノルンに差し出されたのは、白いローブだった。
襟のところに金の刺繍がされており、何か神々しいものを感じた。
俺はローブを身にまとった。いよいよ始まってしまうのか……
ローブに身を通した2人に、ノルンが手をかざす。
「2人とも、目を瞑って」
俺は言われるがまま目を瞑る。
ノルンがいる方向から、眩い光が放たれている。
ノルンは術を唱え始めた。
やがて、何も聞こえなくなっていき、目を開けると、薄暗く、何も無い空間の中にいた。前には目を瞑っているアルテミアがいた。
目を閉じようとした瞬間、視界がもとの102号室に戻り、ノルンが声を発した。
「はい、契約完了! 誓のキスを…… なんて!」
とにかく、契約が完了したらしい。
よく分からないまま、俺は異世界で妖精使いになった。
「エルフと契約すると、なにか一つ、潜在能力が覚醒するんだ」
ノルンがそう教えてくれた。
「俺は何の能力を手に入れたんだ…?」
俺は思った事がそのまま口から出てしまった。それをきっかけにして、アルテミアは
「風神の能力よ」
と教えてくれた。
「風神の能力とは、簡単に言えば、風を起こすことが出来るようになる能力。微風から終末をもたらす風まで様々なの。小さい能力に聞こえるけど、人間でこの能力を持つのはハルトだけだよ」
アルテミアは俺に説明した。
緑の瞳には期待の色が見えた。
「人間で……1人!」
俺はアルテミアの言葉に僅かながら勇気を取り戻した。
「それに、風属性は潜在能力が数え切れない程にあるの。そこに人間としての潜在能力、ハルトとしての潜在能力も合わせると、エルフの私でも覚醒できないくらい能力もあるわ。何回も言うけど……」
アルテミアには俺の気持ちが分かるのか……? アルテミアに元気づけられ、俺は次第にみんなに追いついたような気になった。
「よろしくね。ハルト」
「ああ、よろしくな、アルテミア」
そうだったのか!?と胸中で驚きつつ、ノルンの話に耳を傾けた。
「エルフと人間の契約は、普通は教会で行うんだけど、お柱様と風属性の人間様なのでねぇ。少々厄介なんだよ……そこで、私の力。2人の契約を取り持ってあげましょう……」
「助かるわ、ノルン」
アルテミアは申し訳なさそうに、ノルンを見て、感謝を表した。
アルテミアは素晴らしく純粋だ。
「ありがとな。ノルン」
俺もノルンに対し、敬意、真意をもって感謝した。
「いやいやー。これも呪いの償いって思って!」
ノルンは謙遜したが、通常は教会でやることがノルンもできるって思うと、ノルンの力が何か強大なものに感じられ、途端に怖くなってきた。
そもそもこんなトントン拍子で契約とかそんな大事そうな事なんてやってもいいのか……?俺は不安に苛まれた。
「じゃあこの服を着て」
ノルンに差し出されたのは、白いローブだった。
襟のところに金の刺繍がされており、何か神々しいものを感じた。
俺はローブを身にまとった。いよいよ始まってしまうのか……
ローブに身を通した2人に、ノルンが手をかざす。
「2人とも、目を瞑って」
俺は言われるがまま目を瞑る。
ノルンがいる方向から、眩い光が放たれている。
ノルンは術を唱え始めた。
やがて、何も聞こえなくなっていき、目を開けると、薄暗く、何も無い空間の中にいた。前には目を瞑っているアルテミアがいた。
目を閉じようとした瞬間、視界がもとの102号室に戻り、ノルンが声を発した。
「はい、契約完了! 誓のキスを…… なんて!」
とにかく、契約が完了したらしい。
よく分からないまま、俺は異世界で妖精使いになった。
「エルフと契約すると、なにか一つ、潜在能力が覚醒するんだ」
ノルンがそう教えてくれた。
「俺は何の能力を手に入れたんだ…?」
俺は思った事がそのまま口から出てしまった。それをきっかけにして、アルテミアは
「風神の能力よ」
と教えてくれた。
「風神の能力とは、簡単に言えば、風を起こすことが出来るようになる能力。微風から終末をもたらす風まで様々なの。小さい能力に聞こえるけど、人間でこの能力を持つのはハルトだけだよ」
アルテミアは俺に説明した。
緑の瞳には期待の色が見えた。
「人間で……1人!」
俺はアルテミアの言葉に僅かながら勇気を取り戻した。
「それに、風属性は潜在能力が数え切れない程にあるの。そこに人間としての潜在能力、ハルトとしての潜在能力も合わせると、エルフの私でも覚醒できないくらい能力もあるわ。何回も言うけど……」
アルテミアには俺の気持ちが分かるのか……? アルテミアに元気づけられ、俺は次第にみんなに追いついたような気になった。
「よろしくね。ハルト」
「ああ、よろしくな、アルテミア」
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