レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野

文字の大きさ
7 / 219
第1章 初の異世界!

第7話 初のボス戦!

しおりを挟む


「うーん、そろそろここも限界かなぁ」

 このメイジスケルトン狩りを始めてどれくらいの時間が経ったのか、すでに俺もわからない。恐らくではあるがゆうに一年以上は経っているはずだ。

 俺は地面に寝転びながら、アンデッドに囲まれるのを待ち、エリアヒールを唱えるだけの簡単な作業を延々と続けてきた。

 だが、もういくら倒してもレベルが上がっていかないのだ。

 まだレベルはたったの238だというのに。

「仕方がない。他の場所を探さなきゃな」

 この場所でのレベルアップを諦め、次の場所を探しにいくことにする。

 すっかり重くなった腰を上げて、俺はまた走り始めた。

「おっ? また軽くなってるぞ。すごい、敵がいても瞬く間に後ろをとれる」

 俺は途中にいたスケルトンナイト(鎧を着込んだスケルトンを便宜上、こう呼んでいた)の後ろに回り込む。

 スケルトンナイトは目の前から消えた俺を探すように左右をキョロキョロと見回し始めた。

「今となってはただの雑魚だな」

 俺は素手でその鎧にパンチを放つ。鎧はベッコリとヘコみ、スケルトンナイトは凄まじい勢いで吹き飛んだ。

 そして壁にクレーターのようなヘコみを作って骨が粉々に砕けた。

「もうヒールも必要ないかもな。パンチ打ったほうが早いや」

 そこからはダンジョンで出会う敵は全てパンチ一発で吹き飛ばしながら進んでいくことが出来た。

 そうして狩りまくったところ、道の奥に光りが見えてきた。

「なんだろう?」

 近づいていくと、視界が一気に広がった。ホールのように広いフロアーだったのだ。見上げるほどに高い天井と野球場よりも広い広大な空間だった。そして、そこに寝ていたのは巨大なドラゴンの骨だった。

「あれは……、ドラゴンの骨なのか? まさか起きたりしないよな? っていってもこのフロアーはアンデッドばっかりだったし。念の為、ヒールを自分にかけ続けながら近づくことにした。

「ヒール、ヒール、ヒール、……」

 少しづつ、ドラゴンの骨との距離が詰まってくる。

 もう少しでエリアヒールの範囲だ……。そこまで近づけば、

 と思った瞬間だった。

 寝ていたドラゴンの頭部が突然起き上がり、そしてブレスのようなものを吐き出した。

 そのブレスはドス黒く、俺の体にベットリとくっつくと、体がまるで酸をかけられたかのように熱くなる。

 ジュワ~~~ッッ!!

「こ、こりゃまずい! ヒール、キュアー、ヒール、キュアー……」

 体がどんどん溶けていくのを防ぐようにヒールとキュアーを交互にかけ、酸が収まるのを待つ。

 しかし、ドラゴンの骨はさらに酸を吐き出してきた。

「バリヤー!」

 白く薄い膜にベットリと黒い酸がかかる。

 驚くべきことにバリヤーからシュワ~っと白い煙が上がっていき、バリヤーが溶かされてきた。

「うそ? バリヤーを溶かすのかよ?」

 辺りは一面に酸がたまり、俺の腰の高さまである。

 こりゃまずい、バリヤーが溶け切る前にアイツを倒さないと……。

「一か八か、また神聖魔法に頼るしか無い。ホーリービーム!」

 唱えてみたが何もでない。言葉とイメージのどちらかが違うのだろうか? 詳しいことは全くわからない。神聖魔法の取扱説明書なんてないのだ。

「ホーリーレイ!」

 またしても何も出ない。

「ホーリーソード!」

 俺は手から飛び道具がでるのを期待していたのだが、ベルトに差していたナイフが白く輝き始めた。

「ん? なんだこれは……」

 ナイフを持つと光る白い刀身が長くなっていき、剣のような形に変わっていった。

「今は使えなさそうだけど、これは凄い」

 剣を振り回してみると、白い衝撃波が飛んでいき、ドラゴンの骨に直撃した。

 ドラゴンの骨は崩れ落ち、砂のようになって消えていく。

「あ、倒しちゃったのか。にしても凄い威力だな。」

 力が湧き上がり、レベルアップしたことがわかると、すぐにステータスを確認した。

「お? レベル856だって? あのドラゴンの骨、すごい経験値だ!」

 走ってみると、自分の残像を残せるほどに早く走れることに気付いた。

 一瞬止まった所で残像を残すことができ、最大で十体まで出せるようだ。

 俺はホーリーソードの威力や射程を確かめるべく、岩に向かって検証することにした。

「ふぅむ、射程は五十メートルはありそうだな。威力も岩がスパっと切れるくらいだし、問題なさそうだ。これからの主力武器になりそうだな」

 検証を終えて先に進もうとした時だった。あのドラゴンの骨が復活していたのだ。

「うお!? マジかよ……。あの強さで雑魚と同じようにまた出てくるってのか……」

 ドラゴンの骨の手前に残像を残しつつ、後ろに回り込んだ。

 ドラゴンの骨は残像に向かってブレスを吐き出したが、俺はもうそこにはいない。

 ホーリーソードを横に一振りすると、骨に光の筋が入っていき、ドラゴンの形が崩れ去っていくのだった。

「よし、ここでまたレベルあげるぞ!」

 俺は意気揚々とこの場に居座るのだった。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~

ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆ ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

処理中です...