53 / 219
第4章 突撃! 魔界統一編 後編
第52話 魔界統一編最終対決 魔神戦! 1
しおりを挟む「まさか……、俺様が現界できるとはな。うん? 貴様は何者だ」
巨大な魔神はキツい視線で俺を睨み、尋ねてきた。
「俺はソウ。この世界にたまたま来てる所だ。て、アンタは?」
「俺様にモノを尋ねるなど千年早いわ。
フン、この世界を牛耳ろうと思念で操っていたが、すぐにくたばりやがって。
まぁいい。現界できたからには、俺様が直接手をくだしてやろう。
そこの貴様もすぐに俺様の目の前から消えれば見逃してやってもいいぞ? 今の俺様は気分がいいんだ。グワッハッハッハッハ!」
全く、今まで会った中で一番尊大な奴だ。だが……、それを言えるだけの力を持ってそうなんだよな。コイツ。
「あいにくだが、この世界のこと、気に入ってるんだ。壊すっていうんなら、俺が相手しなきゃならん。お前こそすぐに帰ってくれれば、見逃すぜ?」
魔神は驚きに眉を上げると、
「俺様を見逃すだと? 面白い冗談だ! ならば消えるがいい!」
魔神の指先が光る。真っ黒なレーザーが一瞬にして俺の体を貫く。が、その体はすぐに消え去り、俺は近くへ躱していた。
あっぶねぇ! 残像を残してなかったらやられるところだった!
「ほぅ? 今のを躱すか。この世界の生物風情にしてはよくやる。だがな、我ら神界に棲む大神と貴様等のような下等生物は格が違うのだ。せいぜい思い知るがいい!」
なんだか長いこと宣っているが、ほんとに尊大な奴だ。もうこんな奴の相手するのはウンザリなんだがな。
魔神は指を光らせる度にレーザーを連発してきた。
俺の残像を通り抜けたレーザーは後方にある城を容赦なく破壊し、森の木々をなぎ倒す。
「いい加減にしやがれっ!」
魔神の頭部近くへジャンプし、ホーリーソードを振り下ろす。
だが、魔神はそれを軽く手で防いだ。
「ほぅ、まさか、下等生物がこれほどやるとはな。褒美にもう少し遊んでやろう」
くっ、まさか俺が遊ばれるなんて……。
魔神は腕を上げ、ただ振り下ろす。それだけの動きだが、黒い毛がどこまでも伸び、俺のいた場所を打ち付けた。
その攻撃は地割れを起こし、黒い溝が深くまで入り、底が見えない。
くっ、なんて奴だ。これでも本気じゃないなんて……。
「すばしっこい鼠だ。ふぅむ。これでどうだ?」
魔神は自分の周りに腕を幾度も振り下ろす。しかも最初の一撃より腕が太くなり、魔神の前はまるで底の見えない海溝のように、大地が消え去った。
俺は十体以上もの残像を残しつつ、なんとか躱した。
こんなに城を破壊し尽くしやがって……、レイや村長たちは大丈夫だったろうか?
しかし、いくら何でもこの地面では戦いにくい。
地面に向かってヒールを唱えると、地面が盛り上がり、元の大地に戻っていった。
「ほぅ? 面白い術だ。大地を創り出したのか? まぁ俺様には関係のないことよ」
魔神は容赦なく大地を打ち付ける。俺の残像を容赦なく捉えていき、攻撃は俺の本体に近づいてくる。
くっ、忙しいな。躱しながらヒールで地面を元に戻していかないと立つ場所すらなくなっちまう!
「ふぅむ、これでは埒があかぬか。しからば……」
魔神はついに武器を手に持った。
俺のホーリーソードと同じ、魔法の剣。だが、魔神の持つ剣は黒く妖しく光っていた。
「ぬうりゃぁ!」
魔神の一振りは半径数百メルもの長さとなって襲いかかってきた。
「こりゃマズい!」
躱そうかとも思ったが、万が一、その範囲にレイ達がいたら……、そう思うと躱すわけにはいかない。
ホーリーソードに魔力を込め、大きく太くして魔神の剣を受け止めた。
ギャリギャリギャリギャリ!!!
手に伝わるのは恐ろしいまでに強烈な振動。押さえている手もビリビリと揺らされる。剣がぶつかり合う所から暴風が巻き起こる。俺の顔に容赦ない風が吹き付けた。
キッツい!!! 顔の周りにバリヤーを張ったから今は呼吸できる。だけどマジで呼吸困難になるところだった!
「なんと、俺様の剣を受けるとは……。だが、出力不足のようだ」
魔神は俺の剣を押し切った。そのまま俺のいた場所を横に一閃。
凄まじいパワーだ。俺は辛うじて躱した。残像様々だ。
その容赦ない攻撃が続く。降り注ぐ。俺は少しでもその威力を下げなければならない。何度も打ち合う。だが、一度として俺が押し切ることは出来ない。
「どうした? そんなことでは俺様を切ることなど、不可能! 逃げてばかりいないで勝負したらどうだ?」
バカ言ってんじゃねぇ! まともに打ち合ったらその黒い剣であっという間に黒焦げじゃねぇか! そんな安い挑発、俺が乗るワケねぇだろ!
ただ、魔神も攻撃が通じないのを焦ってきたのだろう。口数が多くなっている。
「フンッ、このハエがっ。ちょこまかと動きおって。こざかしいわ!」
魔神の剣は激しさを増してくる。
どうやら俺が受け止めるのはもう無理そうだ。巻き込まれて死んじゃった人がいたらゴメン! 後で生き返らせるから少し待っててくれ!
俺は戦法を切り替えた。この強烈な攻撃も躱す。
思った通り、魔神の攻撃は遙か後方にまで衝撃が飛ぶ。数百メルも後方で爆発が起こる。震源地である、この辺りは強風が巻き起こる。常人では移動もままならないだろう。
だが、魔神の攻撃は決して洗練されているわけではない。
一撃、一撃が重いのだ。その重い攻撃の間に隙が生じる。
俺の狙いはそこしかない。
「いっけぇ!」
魔神が次の攻撃を出す瞬間、残像を残し、後ろへ回った。
そのままホーリーソードで頭からたたき切った!
手応えあり! やったか?
だが、魔神は真っ二つに割れた頭部を手で押さえた。
「この鼠がっ! もう許さん。許さんぞ!」
頭の周りを黒い霧が覆う。その一瞬で頭部はすっかり治ってしまった。
マジかよ。コイツ。回復魔法持ちか……。こりゃ長引くな……。
でも、俺はいつだってプラス思考。レベル上げ周回1万周より短いだろう! 多分! 大丈夫! 俺ならできる!
強引に自分を励まし、俺は地獄の攻撃周回へと突入していくのだった。
31
あなたにおすすめの小説
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~
ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆
ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
追放されたプログラマー、異世界をリブートせよ ~バグスキルで神システムを書き換える~
川合佑樹
ファンタジー
異世界に転生したプログラマーのリクは、神の適性判定で最弱の職業「ノービス」を与えられる。
地球でのプログラミング経験が活きず、仲間から「役立たず」と追放された彼は、戦闘中に不思議なコンソールを発見する。
それは世界の「ソースコード」を編集できるスキル「コードエディット」だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる