レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野

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第9章 勇者RENの冒険

第170話 応酬

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 ギガースの放った鎖は5体のグレンに次々と襲いかかった。

 だが、その鎖はことごとく空を切った。鎖が命中するとグレンの体は霧散するように消え去るのだ。

 そして、ギガースの鎖が5体目のグレンを攻撃すると、グレンの体は舞台から消え去った。

「こ、これはーーーっ! 一体グレンはどこにーーーッッッ!!!」

 あわてたように左右を見回すギガース。そして、足元に見つけたのは、自らの足から吹き上がる血だった。

 そして、吹き上がる血がグレンの体を濡らし、ようやくグレンの位置が判明するのだった。そこはギガースのすぐ足元。グレンは口を開き、ニマァっと顔を喜ばせると、すぐに消えるように移動した。

 ブシューーーーーッッッ!!!

 吹き上がる血潮。それは反対側のギガースの足からだった。ここでギガースは両足を切られ、バランスを崩す。

ズドオオオオォォォォォンッッッ!!!

 倒れ込む巨体。舞い上がる土煙、響き渡る重低音、グラグラと縦に揺れる観客席。全てが相まって観客たちは驚愕の眼差しでグレンを見張った。

「た、倒れたーーーッッッ!!! 難攻不落の巨人、ギガースがなんとッ!ダウンですッ!」

「驚きましたね! まさかあの巨人からダウンを奪うとは……、しかもこのまま勝負を決めにいく気配ですよ!」

 グレンはその場からスッと姿を消すように移動する。

 ギガースもそれに気づいていたように自らに魔法を放った。

「おっと? ギガースの肌の色が変わっていきます!!! 一体何が起きているんでしょうか? 肌色からどんどん黄土色のように変化してますね」

「あれこそギガースの土魔法の真骨頂、アースプロテクトです! 土の中の金属成分を体に吸収することにより防御力が飛躍的に上がる魔法なんですよ」

「ということは、グレンの刀は通るんでしょうか?」

 グギイイイィィィンッッッ!!!

 金属が擦れ合うような音が鳴り響く。ギガースの首にはグレンの刀が当たっていた。

「グ、グレンの刀が首に当たっているーーーッッッ! だが、ギガースはそのまま立ち上がったッ! こ、これはっ? 傷口が塞がっていることはもちろん、無傷ッ! 無傷ですッ! 何ということでしょう! あれだけ切られたにも関わらず全くダメージを残していませんッッッ!!!」

「さすがギガースとしか言いようがありませんね。ドラゴンと永年ケンカしてるだけあってその防御力はずば抜けて高いんですよ。いやー、ダウンしたときはビックリしましたが、ここからがギガースの本気ということでしょうね」

 グレンは起き上がったギガースの足に再度の攻撃を試みる。

 ギンッッッ!! ギンッッッ!! ギンッッッ!!!

 だが、切れるのはギガースの皮のみ、内部を切り裂くことが出来ずにその僅かな傷もすぐに再生されてしまう。

「グ、グレンの攻撃が効きませんッッッ!!! これほどの連撃がッ! まるで鉄の壁に攻撃しているかのようですッ!」

 ギガースはグレンが暴れているのを見下し、そして、手に持っていた鉄球を投げつけた。

 ズドオオオォォォンッッッ!!!

 地面にぶつかった鉄球は舞台に大穴を開ける。グレンはすぐに回避していたが……、

「凄まじい鉄球の威力ですッッッ! お? なんでしょうか? 鉄球が動き始めました! 何でしょうかこの動きは? 鉄球がグレン目掛けて追いかけるように飛んでいきますッッッ!!!」

 グレンが現れた箇所へ鉄球が飛んでいく。グレンが残像を残し、消えていても、鉄球は新たに現れた箇所へ方向を転換するのだった。

「ギガースの鉄球も魔力で動いていますからね。いやー、初めて見ますが本当に生きているみたいですよね」

 次々と残像を消し飛ばしながら飛び回る鉄球はついにグレンの本体を捉える。

 グレンは鉄球をその刀で受けた。

「おっと? ついにグレンの本体に当たったようです! グレンは刀で受けていますが……、押しているのは鉄球です! グレンの足がジリジリと押されていくーーーッッッ!!!」

 グレンと鉄球の鍔迫り合いは完全に鉄球が押していた。グレンは踏ん張っていたが、足がズルズルと支えきれずに後退していく。

「あああーーーッ、ついにグレンが弾き飛ばされましたーーーッッッ!!!」

 鉄球の勢いはとどまるところを知らず、グレンの体を弾き飛ばした。グレンは宙を20メル以上も吹き飛ばされ、地面を転がった。

「こ、今度はグレンがダウンですッ! これは激しいダウンの応酬になってきましたね! ローファンさんはどう見ますか?」

「グレンの最初の攻撃は良かったですね。ですが、ギガースが本気になってからはグレンがちょっとついていけてない感じがします。これでダウンは一回ずつですが……、ギガースが有利ではないでしょうか?」

「お? ギガースが歩いてグレンに近づいていきます!」

 ギガースは足元に転がっているグレンに追い打ちをかけるように鉄球を投げつける。

 グレンもすぐに起き上がり、刀で鉄球を受け止めた。が……、

「あああーーーッッッ!!! またしてもグレンが鉄球を受け止めましたッ! しかし、また体ごと吹き飛ばされていきますーーーッッッ!!!」

 グレンの体はまたしても吹き飛ばされ、舞台にゴロゴロと転がされるのであった。


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