神さまに捧ぐ歌 〜推しからの溺愛は地雷です〜【完】

新羽梅衣

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神さまの思し召し

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 「さて今年は年末にファイナルが行われるということで、これから更に盛り上がりを見せるJTO! 次のスターは今テレビをご覧になっているあなたかもしれません! それでは、ファイナルでお会いしましょう! さようなら~!」
 「……はい、カット! 撮影は以上となります。お疲れ様でした!」


 紙吹雪が舞う中、司会者がカメラに向かって大きく手を振る。出演者全員が同じように手を振る姿をカメラがズームアウトしながら捉えている。

 そして、プロデューサー・田島さんの声を合図に番組の収録が終わった。
 
 出演者、スタッフさんがお疲れ様でしたと挨拶を交わすスタジオで、茫然自失状態ではあるものの、なんとか笑顔を貼り付けた僕は無事に収録が終わったことにまずはほっとした。

 芸能人になりたいとか、CDを出したいだとか。
 そんな明確な夢がない僕なんかよりも、あの子が優勝する方が絶対に良かった。

 そう自分に言い訳するけれど、時間が経てば経つほど、じわじわと悔しさが湧いてきてたまらなくなる。

 参加を決めた時は、正直こんなに結果を気にするなんて思ってもいなかった。だけど、それはサプライズゲストで律が出てくるなんて知らなかったから。

 すべては律だ。
 僕のすべては律に直結しているから。
 彼に初めて会って、欲が出てしまったんだ。

 ひと仕事終えたと足取り軽く控え室に向かう参加者たち。僕はずんと沈んだ気持ちを抱えたまま、その最後尾をついていこうと、後片付けに追われるスタッフさんの間を通り過ぎる。


 「あ、吉良くん」


 すると、スタジオの入口の前で、田島さんに声をかけられた。


 「今回の結果は残念だったけど、そんなに落ち込まないで。君の才能は世間が絶対に放っておかないよ」
 「……ありがとうございます」
 「こんなところで終わる男じゃないって、期待してるからね」


 田島さんは僕の肩をポンと叩くと、スタッフさんに指示を出しながら歩いていく。
 その頼もしい後ろ姿を数秒見つめた後、僕はまたとぼとぼと歩き始めた。


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