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一番星は泡沫を泳ぐ
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しおりを挟む女性と違って、面白みのないその場所に律が萎えたりしないか不安になる。愛撫なんてしなくていいから、律の熱が冷めないうちに早く挿れてくれればいいのに。そんなことを考えていれば、叱るように胸の尖りを摘まれる。
「……んッ」
「かわいい」
思わず漏れた声に律は嬉しそうにしているけれど、僕はそれどころじゃない。
触れられる度にどんどん熱が上がっていく気がした。
僕の反応に気を良くしたのか、何の躊躇いもなしに律は薄桃色のそこを口に含む。普段は何も感じないその場所も、律に苛められていると思えば簡単に性感帯に変わってしまう。
「んん……そこばっかり、やだ……」
蚊の鳴くような声で嫌がれば、顔を上げた律の欲望剥き出しの視線に射抜かれた。本気で嫌がってるわけじゃないのを見透かされているみたい。執拗に苛められて、上向きに主張しているそこが恥ずかしい。
「あっつ」
額に汗を滲ませた律が着ていたシャツを脱いで、適当にぽいと後ろに投げた。邪魔だと言わんばかりの荒々しい仕草に男らしさを感じて胸が高鳴る。
覆いかぶさってきた律と唇を合わせれば、お互いの体温が混じり合って溶けてしまいそう。
気持ちいい。心も身体も満たされていく。頭の中が快楽で埋め尽くされて、バカになっちゃったみたいに思考が鈍る。
「……あっ」
心構えしていないうちに下着の上から触れられる。すっかり反応しきったそこはだらだらと先走りを零して、下着の色を変えてしまっていた。
慣れた手つきであっという間に最後の砦も取り払われて、ローションを纏った指先がすりすりと数度窄まりをなぞった後、いよいよ侵略を開始する。
自分で慣らしたことがあるとはいえ、やっぱり異物感は拭えない。だけど前も後ろも同時に弄られると、少しずつ快感を拾ってしまう。
「……ッ、」
律の愛撫は止まらない。僕なんかの喘ぎ声を聞いたら律を萎えさせてしまうんじゃないかと不安になって、唇を噛んで耐えていた。
自分がどんな顔をしているかも分からないけれど、酷い顔をしていることだけは分かった。
普段から平凡な顔を晒していることに抵抗があるのに。こんな顔、顔面国宝の彼に見られたくない。僕は両腕で顔を隠して、表情を見られないように必死だった。
「紡」
「……っ」
「顔見せて」
敏い律はそんな僕にすぐに気がついて動きを止めた。腕を掴まれるけれど、強引に退けようとはしないところに優しさを感じる。
だけど、見られたくない気持ちは変わらない。いやいやと幼子のように首を振れば、宥めるように頭を撫でられる。
「こわい?」
「ちがう」
返事を聞きながら、身体中の至るところに何度も唇を落とされる。顔を見せたくない気持ちは変わらないけれど、気遣ってくれていることが伝わってきて、このまま変に誤解させたくないと思った。
「律みたいに綺麗じゃないから、こんな僕の顔を見ても萎えるだけだよ」
せっかくここまできたのだ、自分の地味な顔なんかで萎えさせたくない。そう思って白状すれば優しかった律は引っ込んで、強引に腕を退かされてしまった。
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