ガチャ召喚士〜ガチャを使って目指すは最強の王国〜

餅の米

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第7話 次の目的

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「眠り草も手に入れたし今のところは順調か」


自室のベッドに座り込み現状を再確認する、ただあの少女が何者なのか……少し気掛かりではあった。


この王国を脅かす脅威では無いがあの村が襲われても困る……早急にアウデラスに調査させた方が良さそうだった。


『アウデラス聞こえるか?』


耳元に手を持って来て交信魔法を使う、すると少しの雑音が入った後にアウデラスの声が聞こえて来た。


『どうなさいましたかアルセリス様?』


『実は調べて欲しいことがある』


『何なりとお申し付け下さい』


『強さは恐らくプラチナからダイヤ級、相方は転移魔法を使える冒険者だ、髪色は白、背丈はそれほどでかく無い……調べられるか?』


『情報は少ないですがやってみます、分かり次第報告致します』


その言葉を最後にアウデラスとの交信が切れる、我ながら優秀なキャラを当てたものだった。


しかし眠り草を作成する人材を取得したのは良いが問題はこれからどうするかだった。


プレイヤーを探すにしてもこの世界はそこそこに広い、アルセリスの名を響かせるにしても直ぐ有名になったのでは少し面白くなさそうだった。


この国の守護者達、つまりは部下達はアルセリス……俺が世界を征服するつもりで居ると思って居るらしいが正直な所突然この世界に連れてこられた故どうすれば良いか分からなかった。


不安要素もいくつかある、まず一つはもしもこれがゲームだった場合のケースだった。


ログアウト及びメニューボタンがなくなって居る事から異世界転移の類と思い込んで居たがもし何らかの理由で無いだけであり、仮想現実のままだとすれば俺の身体は向こうにあるという事だった。


もしそうだった場合……死ぬ可能性があった。


会社を辞め、実家から遠い東京で働いて居る俺に身内や友達など居ない……このまま行くと5日、長く見積もって一週間以内には死が訪れるはずだった。


とは言え、現状を見るからに仮想現実が現実に変わったという可能性の方が高い気がして居た。


理由はいくつかある、まずNPCに人格が芽生えて居る事、守護者だけでなく村人までもが喜怒哀楽の表情をしている……これをゲームで表現するのは今の技術じゃ到底無理なレベルだった。


それに加えて身体的な事も無効に比べて遜色がないレベルにリアル、地面を踏みしめる足の感触に剣を握った時の重量感……まるで現実だった。


手を組み考え込んで居たその時、ふと腹の音がなる音が聞こえた。


「空腹感が……あるな」


この世界に来て約5~6時間、お腹はかなり空いて居た。


ゲームの世界とは言え空腹感は現実とリンクしている、まだ区別はつかなかった。


『アルセリス様、アウデラスでございます』


不意に入った交信に応答する、アウデラスの声色は少し申し訳無さげだった。


『何か分かったか?』


『すみません、ウルス様の広範囲探索魔法が突如使えなくなりまして……』


『ウルスに何かあったのか?』


『いえ、魔法開発の代償に一時期だけ使えなくなるとの事です……お役に立てず申し訳ありません』


アウデラスの言葉に少し安堵した、ウルスがもし殺されればこの地下王国は大きな損害を被る……何と言っても最高の魔術師、彼を失うのはステータス共有面でも仲間としても痛かった。


『アウデラス、ウルスにも伝えて置け、気に止むことはないとな』


『誠に申し訳ありません……しかし一つだけ、オーリエス帝国1の都市、アルセンテで白髪の冒険者を最後の探知で発見致しました』


『オーリエス帝国の都市アルセンテか……分かった、守護者を王座に集めてくれ、話がある』


『直ちに……』


その言葉を残しアウデラスとの交信は途切れる、そろそろ王アルセリスでは無く、冒険者アルセリスとして行動もしておいた方が良さそうだった。


「タグはどこだっけな……」


鎧の胸元を手探りで探す、いつもは胸に掛けているのだが何処にも無かった。


もしかすると落としたのか……だがその線は考え難い、そもそもこの世界に来て冒険者ランクが引き継がれて居ない可能性もあった。


「まじか……アダマスト級冒険者まで行くのに苦労したんだけどなぁ」


SKO時代の苦労を思い出しながら無くなったアダマストタグを恋しく思う、だが今の実力ならさほど苦労は要らない筈だった。


『アルセリス様、皆が集合致しました』


『今向かう』


アウデラスの言葉が聞こえると杖を取り出し慣れた手つきで転移を行う、そして玉座の真横に転移すると杖をしまい椅子に腰を下ろした。


目の前には全守護者及び守護者補佐までが玉座に集まって居た。


「あ、アルセリス様!」


一番最初に金髪のこの地下王国では珍しい人間の青年と目が合った。


エリス・ランスロット。


マリスが守護する第3階層の守護者補佐の青年だった。


ランスロットはアルセリスに手を振るとすっと隣を見る、隣には眠たそう……?な表情をしているマリスがボケーっと立って居た。


「マリス様、アルセリス様が居るんですからシャキッと」


「分かってる、それ以上言うと嫌いになるよ」


マリスの放った一言にランスロットの表情は真っ青になった。


「そ、そ、そんな!?」


この反応を見ての通り、彼はマリスが大好きだった。


ランスロットのスキルは『特別なる愛』と言いランスロットとの親密度が高い女性キャラ限定で近くに居ると全てのパラメータが数十倍にアップという破格の強さを誇るスキルを持って居た、それ故にマリスの居る3階層に配置して居たのだ。


一つ気の毒な事はマリスからランスロットへの好感度は精々2~3程度という事、だが本人も幸せそう故特に問題は無さそうだった。


「ちょっと!リリィ様の目障りよ、ランスロット、視界に入らないで頂戴!」


「あ、ごめんなさい……」


明るい金色の髪色をした少し短めの派手めな服を着て1人の人物がランスロットにキツめな罵声を浴びせた。


マール=シュトラルフ、それが『彼』の名前だった。


エルフ族のモンスターテイマーであり男と言う濃いめな設定のマール、彼が言うには可愛い服が好きなだけとの事だった。


現に彼の補佐階層は1、2階層、フェンディルの部下なのだが常にリリィに付き纏っている、恋愛対象は女性と言う訳だった。


「あらあら、皆さんアリエス様の前ですよー」


収集が付かなくなって来たその場を収めようとマリスの隣にいた胸以外の見た目はかなり似ているアホ毛がないマリス見たいな少女がお淑やかに場を宥め様とした。


シェリル・アストロフ、ユーリの妹であり獣人族の少女だった。


ただ彼女の場合は殆ど人間の血が多く、ユーリの実の妹でも無い、その証拠に獣要素は見た目には無く、身体能力ぐらいだった。


彼女は聖職者の様に動きづらいローブを見に纏って居るが職業は武術家、バリバリの脳筋だった。


「相変わらず騒がしいな」


「リリィ様ぁ……」


リリィの一言にマールの表情が蕩けた。


「アルセリス様……心中お察し致します」


隣に音も無くスッと現れるとアルラは同情するかの様な表情で頭を下げ言った。


何と言うか……自分がどう言う立ち位置なのか分からなかった。


俺は確かにアルセリスとして国を作った、そして国王としてここに居る……だが目の前の守護者達は敬意と言うものを払っていない、払って居るとすればアウデラスやアルラぐらい……社会人ならあり得ない状態だった。


「お前達……静かにしろ」


アルセリスの一言で騒がしかった辺りは一瞬にして静まり返った。


「一つ言っておく、上司と部下……その関係はあまり好きでは無い、だからお前達は砕けた態度で俺に接して貰っても構わない……だが時と場合を考えろ」


その言葉に守護者達は無言で頷いた。


「良し、本題に入る……まずこれからの目標について説明をする」


「これからの目標と言いますと……世界征服では?」


アルラが不思議そうな表情でそう尋ねる、確かにそれも一つだが世界征服は飽く迄も最終目的、当面の目的は別にあった。


それはプレイヤーの存在の有無だった。


プレイヤーが存在するかしないか、それを探れるだけでいい……仲間にするなんて考えは恐らく甘い、見つけたとしても友好的な可能性は極めて低い、むしら敵対して欲しかった。


この世界で生きる事を決めた隼人にとってもう現実世界に未練は無い、むしろこの世界を楽しんですら居る……どうせ世界征服するならば他のプレイヤーも存在し、強敵が居た方が面白そうだった。


だがそれにも段階と言うのがあるってものだった。


「取り敢えず……当面の目標はこの王国の存在を隠し、水面下で動く事だ」


「成る程……!」


アルセリスの言葉にアウデラスは何かを感じ取ったのか、手を叩き感心した。


「水面下で動く事によって行動範囲は広がる……この国の存在を公にすると最悪の場合三ヶ国を敵に回す、その事を考えアルセリス様は一カ国ずつ潰すのですね!」


アウデラスの深読みに周りは感心する、流石脳筋守護者ばかりでアウデラスとウルス以外全く気が付いて居ない様子だった。


正直に言ってそこまで考えては居ない、公にすると直ぐに戦争が起き、あっという間に世界征服しそうだったからだった。


「その通り、まだこの国も準備が万端な訳では無い……それ故に一番人間に近しいマールは俺と冒険者となり情報収集に出掛ける、他の守護者に関しても追って任務を与える」


「かしこまりました!」


守護者達は跪き頭を下げる、そして返事をすると各々の階層へと戻って行った。


「あ、アルセリス様……」


1人残ったマールはオーラスにとって居た態度とは全く違い、少し恥ずかしそうな表情をして居た。


「どうしたマール」


「実は私外の世界初めてで……服装とか見てもらえませんか?」


「構わんぞ」


「それなら是非こちらに!」


アルセリスの言葉にパッと嬉しそうな表情をするマール、そして手を引かれるとアルセリスはマールの部屋へと連れて行かれた。
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