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第6話 オワスの村その2
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「大変な事になってますねー」
耳をピョコピョコと動かしながら村から少し離れた大樹の太い枝に腰掛けて居るアルセリスの膝に座り大量の兵士と青年、オーゲストが戦っている様子を楽しそうに眺めるユーリ、その様子をアルラは唇を噛み締め恨めしそうに眺めて居た。
「うーむ……あの男は正直どうでも良いがガールフレンドの事を考える生かした方がいいのか……分からんな」
口元に手を当て悩む、一応眠り草はアルラによって発見出来たが何とも不思議な状態だった。
テニスコート一面分に生えて居たが探知の魔法で情報を見るとオーゲストと親しいと言うアミーシャにのみ育てられるらしく、どうあがいても俺達には育てられない様子だった。
何でもアミーシャと言う少女は固有職業の植物士と言うジョブの持ち主らしかった。
植物士、聞いたこともないジョブ……この世界になってから職業に関しても変化がある様子だった。
自分の知っているアダマストでもあるが知らない部分も多い……新しいゲームをやっている様な気分で少し楽しかった。
「アルセリス様、オーゲストと言う男が死にそうです」
アルラの言葉に村の方を見る、確かにかなり追い込まれている様子だった。
彼が死んでアミーシャがショックを受けて貰っても困る……ここは一つ、恩を売っておく必要がありそうだった。
「ユーリ、退いてくれるか」
「はーい!」
膝に乗って居たユーリを退かせると右手を黒い空間に突っ込む、そして杖と2メートルはある大剣を掴むと大剣を肩に担ぎ杖を枝の上で突いた。
その瞬間に隼人はオーゲストの目の前に転移する、そして杖を消すと大剣でオーゲストに目掛け振り下ろされた剣を受け止めた。
「な、何者だ貴様!」
黒く禍々しい鎧を身に付け圧倒的な威圧感を感じ取った貴族達の表情は一瞬にして恐怖に支配されて居た。
その様子を見て隼人は心の中で笑った。
皆が恐れている、向こうの世界ではこき使われる会社員でしか無かったこの自分が……気持ち良かった。
「俺はアルセリス、お前達を滅ぼす者だ」
そう言って大剣を一振りする、するとその瞬間に大剣から物凄い突風が吹き荒れ、貴族達を草原の地面ごと何処かへと吹き飛ばした。
その様子を見て隼人は首を傾げた。
何故これ程の風圧が……ふと剣を見ると取り出そうと思っていた剣とは違う物という事に気が付いた。
風神の大剣……この世界に置いて貴重なワールドウェポンの一つ、超高難易度クエストをクリアした者にのみ与えられる戦士職の最強装備の一つだった。
遠くに飛んで行った貴族達の行方を眺めると大剣を肩にかける、結果的にはオーゲストも死なずに済んだ様で結果オーライだった。
「あんたは一体?」
オーゲストの声が震えている、この姿に……いや、圧倒的過ぎる力に恐怖心を抱いている様子だった。
「俺は……」
名を名乗ろうとしたその時隼人の口が止まった、此処で名を名乗っていいのか……この世界での知名度はまだ分からない、今後の活動も考えると中々に判断が難しかった。
とは言え眠り草はアルカド王国として欲しい、アルセリス個人では無く……この村をアルカド王国の保護下として迎え入れるのも良さそうだった。
この村は一応はセルナルド王国の領土含まれるが情報によるとオワスの村は殆ど外の繋がりがない様子……今後の事も考えると保護下に入れるのが得策だった。
「俺はアルカド地下王国の王、アルセリスだ」
「アルカド……地下王国?」
オーゲストの反応はあまりパッとしない様子だった。
この反応を見る限りあまり知られてない様子だった。
ゲームの時代はアルセリスと言えばSKO内でも五本指に入る程の冒険者、プレイヤーでは知らない人は居ない程の有名人、だが彼の反応を見るからにその知名度はNPCには浸透してない様子だった。
「オーゲストだったか……これからどうするつもりだ?」
「どうするとは何がだ?」
「村の事だ、俺はお前を助けたが貴族達は殺して居ない、仕返しにやって来るかも知れないぞ?」
「確かにそうだが……」
どうしようもない、そんな表情をするオーゲスト、予想通りだった。
「そこで提案だ、我が王国の保護下に入らないか?」
「王国の保護下……?」
「そうだ、アルカド王国の精鋭を1人か2人ばかしこの村の警備に当たらせる、あんな貴族なんて小指で倒せるくらいのな」
その提案に驚いた表情をするオーゲスト、だが直ぐにある事に気が付いた。
「そうなると俺はこの村に必要ないのか?」
「捉え方によってはそうだが……」
そう言ってオーゲストの後ろを指差す、するとそこには涙をボロボロと流して居るアミーシャが走り寄って来て居た。
「アミーシャさん……」
「生きてて良かったです……本当に……」
目の前で抱き合う2人、あまりこう言う状況は好きでは無いのだがまぁ致し方無いだろう。
暫く抱き合うとアミーシャが顔をアルセリスの方へと向けた。
「貴方は?」
「アルセリス、アルカド王国の王だ」
アルセリスの見た目を見ても恐れないアミーシャに少しだけ驚いた。
「アルセリスさん……助けてくれてありがとうございます」
「気にするな……と言いたいとこだが助けたのは見返りの為だ」
その言葉に首をかしげるアミーシャ、隼人は続けて話した。
「俺はこの村で取れる眠り草が欲しくてな、殺して奪い取っても良いがそれだと数が限られる、だからこの村を守ると引き換えに眠り草を定期的に売って欲しいんだ」
「売る……と言うことはお金を払って下さるのですか?」
「眠り草は程の貴重品だ、それぐらいの条件は普通だろう」
その言葉にオーゲストとアミーシャは顔を見合わせた。
「どうするんですかオーゲストさん?」
「村長が決めることだが……俺はそれで良いと思う、俺はあの兵士からこの村を守れなかった……次に来たら間違い無くこの村は消える、その為ならこれ程の好条件は無い筈です」
「それなら……なんでそんなに暗い表情なの?」
浮かない表情をしているオーゲストにアミーシャは問い掛けた。
「そうなると俺はこの村には居られなくなる……」
「な、なんで?」
「俺はこの村に助けられた、存在意義と言えばモンスター達から守る事ぐらいだった……アルセリスさんの精鋭が来るならもう必要ない、この村に入れないんだ……いや、居たらダメなんだ」
その言葉にアミーシャの目から再び涙が滝のように溢れて来た。
「なんで……なんでそう言う事言うんですか!」
叫ぶアミーシャ、突然の事にオーゲストは体を震わせて驚いた。
「オーゲストさんを必要としてる人も居るんです!それなのに存在意義が無いとか……言わないでください!」
「必要な人……」
「はい……オーゲストさんが何もせずにこの村に居るのは申し訳ないと思うなら私が農業を教えます……だから何処にも行かないでください」
大泣きしながら抱きつくアミーシャ、その2人の光景に隼人は溜息を吐いた。
早く次の話に進みたいのだが完全に蚊帳の外の様だった。
その時背後で気配がした。
「誰だ」
「ふーん、気がつくのが早いね」
アルセリスが殺気を出すと声の主は少し遠ざかった。
そして後ろを振り向く、そこには軽量化重視の大事な部分しか守って居ない鎧にコートを羽織った白髪ボブの少女が立って居た。
両手に短剣にしては長く、普通の剣にしては長い剣を持っている……見た所この世界では強い部類の様子だった。
「アルセリス様!!」
少女の出現から少し遅れてアルラが空から降って来る、そしてアルセリスの隣に立つと刀を抜いた。
「やる気満々ね……だけど今日は挨拶だけだから」
そう言って剣をしまう、2人と見るや不利と踏んだのだろう。
その言葉だけを残し消える少女、それを見てアルラは辺りを見回した。
「ステルスじゃ無いぞアルラ、あれは転移だ……透明化の魔法を使って居た奴があいつの隣に居たからな」
「透明化ですか……何となく気配は感じてましたが、流石アルセリス様です」
あの少女ともう1人の魔導師……何の用があって来たのかは知らないがかなり情報が早い様子だった。
「少し俺は地下に戻る、アルラは2人から交渉の続きをしてくれ」
「分かりました……交渉が終わり次第ユーリを残して帰還致します」
その言葉を聞くと隼人は杖を出す、そして地面を突くと王国へと転移した。
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「うーむ……あの男は正直どうでも良いがガールフレンドの事を考える生かした方がいいのか……分からんな」
口元に手を当て悩む、一応眠り草はアルラによって発見出来たが何とも不思議な状態だった。
テニスコート一面分に生えて居たが探知の魔法で情報を見るとオーゲストと親しいと言うアミーシャにのみ育てられるらしく、どうあがいても俺達には育てられない様子だった。
何でもアミーシャと言う少女は固有職業の植物士と言うジョブの持ち主らしかった。
植物士、聞いたこともないジョブ……この世界になってから職業に関しても変化がある様子だった。
自分の知っているアダマストでもあるが知らない部分も多い……新しいゲームをやっている様な気分で少し楽しかった。
「アルセリス様、オーゲストと言う男が死にそうです」
アルラの言葉に村の方を見る、確かにかなり追い込まれている様子だった。
彼が死んでアミーシャがショックを受けて貰っても困る……ここは一つ、恩を売っておく必要がありそうだった。
「ユーリ、退いてくれるか」
「はーい!」
膝に乗って居たユーリを退かせると右手を黒い空間に突っ込む、そして杖と2メートルはある大剣を掴むと大剣を肩に担ぎ杖を枝の上で突いた。
その瞬間に隼人はオーゲストの目の前に転移する、そして杖を消すと大剣でオーゲストに目掛け振り下ろされた剣を受け止めた。
「な、何者だ貴様!」
黒く禍々しい鎧を身に付け圧倒的な威圧感を感じ取った貴族達の表情は一瞬にして恐怖に支配されて居た。
その様子を見て隼人は心の中で笑った。
皆が恐れている、向こうの世界ではこき使われる会社員でしか無かったこの自分が……気持ち良かった。
「俺はアルセリス、お前達を滅ぼす者だ」
そう言って大剣を一振りする、するとその瞬間に大剣から物凄い突風が吹き荒れ、貴族達を草原の地面ごと何処かへと吹き飛ばした。
その様子を見て隼人は首を傾げた。
何故これ程の風圧が……ふと剣を見ると取り出そうと思っていた剣とは違う物という事に気が付いた。
風神の大剣……この世界に置いて貴重なワールドウェポンの一つ、超高難易度クエストをクリアした者にのみ与えられる戦士職の最強装備の一つだった。
遠くに飛んで行った貴族達の行方を眺めると大剣を肩にかける、結果的にはオーゲストも死なずに済んだ様で結果オーライだった。
「あんたは一体?」
オーゲストの声が震えている、この姿に……いや、圧倒的過ぎる力に恐怖心を抱いている様子だった。
「俺は……」
名を名乗ろうとしたその時隼人の口が止まった、此処で名を名乗っていいのか……この世界での知名度はまだ分からない、今後の活動も考えると中々に判断が難しかった。
とは言え眠り草はアルカド王国として欲しい、アルセリス個人では無く……この村をアルカド王国の保護下として迎え入れるのも良さそうだった。
この村は一応はセルナルド王国の領土含まれるが情報によるとオワスの村は殆ど外の繋がりがない様子……今後の事も考えると保護下に入れるのが得策だった。
「俺はアルカド地下王国の王、アルセリスだ」
「アルカド……地下王国?」
オーゲストの反応はあまりパッとしない様子だった。
この反応を見る限りあまり知られてない様子だった。
ゲームの時代はアルセリスと言えばSKO内でも五本指に入る程の冒険者、プレイヤーでは知らない人は居ない程の有名人、だが彼の反応を見るからにその知名度はNPCには浸透してない様子だった。
「オーゲストだったか……これからどうするつもりだ?」
「どうするとは何がだ?」
「村の事だ、俺はお前を助けたが貴族達は殺して居ない、仕返しにやって来るかも知れないぞ?」
「確かにそうだが……」
どうしようもない、そんな表情をするオーゲスト、予想通りだった。
「そこで提案だ、我が王国の保護下に入らないか?」
「王国の保護下……?」
「そうだ、アルカド王国の精鋭を1人か2人ばかしこの村の警備に当たらせる、あんな貴族なんて小指で倒せるくらいのな」
その提案に驚いた表情をするオーゲスト、だが直ぐにある事に気が付いた。
「そうなると俺はこの村に必要ないのか?」
「捉え方によってはそうだが……」
そう言ってオーゲストの後ろを指差す、するとそこには涙をボロボロと流して居るアミーシャが走り寄って来て居た。
「アミーシャさん……」
「生きてて良かったです……本当に……」
目の前で抱き合う2人、あまりこう言う状況は好きでは無いのだがまぁ致し方無いだろう。
暫く抱き合うとアミーシャが顔をアルセリスの方へと向けた。
「貴方は?」
「アルセリス、アルカド王国の王だ」
アルセリスの見た目を見ても恐れないアミーシャに少しだけ驚いた。
「アルセリスさん……助けてくれてありがとうございます」
「気にするな……と言いたいとこだが助けたのは見返りの為だ」
その言葉に首をかしげるアミーシャ、隼人は続けて話した。
「俺はこの村で取れる眠り草が欲しくてな、殺して奪い取っても良いがそれだと数が限られる、だからこの村を守ると引き換えに眠り草を定期的に売って欲しいんだ」
「売る……と言うことはお金を払って下さるのですか?」
「眠り草は程の貴重品だ、それぐらいの条件は普通だろう」
その言葉にオーゲストとアミーシャは顔を見合わせた。
「どうするんですかオーゲストさん?」
「村長が決めることだが……俺はそれで良いと思う、俺はあの兵士からこの村を守れなかった……次に来たら間違い無くこの村は消える、その為ならこれ程の好条件は無い筈です」
「それなら……なんでそんなに暗い表情なの?」
浮かない表情をしているオーゲストにアミーシャは問い掛けた。
「そうなると俺はこの村には居られなくなる……」
「な、なんで?」
「俺はこの村に助けられた、存在意義と言えばモンスター達から守る事ぐらいだった……アルセリスさんの精鋭が来るならもう必要ない、この村に入れないんだ……いや、居たらダメなんだ」
その言葉にアミーシャの目から再び涙が滝のように溢れて来た。
「なんで……なんでそう言う事言うんですか!」
叫ぶアミーシャ、突然の事にオーゲストは体を震わせて驚いた。
「オーゲストさんを必要としてる人も居るんです!それなのに存在意義が無いとか……言わないでください!」
「必要な人……」
「はい……オーゲストさんが何もせずにこの村に居るのは申し訳ないと思うなら私が農業を教えます……だから何処にも行かないでください」
大泣きしながら抱きつくアミーシャ、その2人の光景に隼人は溜息を吐いた。
早く次の話に進みたいのだが完全に蚊帳の外の様だった。
その時背後で気配がした。
「誰だ」
「ふーん、気がつくのが早いね」
アルセリスが殺気を出すと声の主は少し遠ざかった。
そして後ろを振り向く、そこには軽量化重視の大事な部分しか守って居ない鎧にコートを羽織った白髪ボブの少女が立って居た。
両手に短剣にしては長く、普通の剣にしては長い剣を持っている……見た所この世界では強い部類の様子だった。
「アルセリス様!!」
少女の出現から少し遅れてアルラが空から降って来る、そしてアルセリスの隣に立つと刀を抜いた。
「やる気満々ね……だけど今日は挨拶だけだから」
そう言って剣をしまう、2人と見るや不利と踏んだのだろう。
その言葉だけを残し消える少女、それを見てアルラは辺りを見回した。
「ステルスじゃ無いぞアルラ、あれは転移だ……透明化の魔法を使って居た奴があいつの隣に居たからな」
「透明化ですか……何となく気配は感じてましたが、流石アルセリス様です」
あの少女ともう1人の魔導師……何の用があって来たのかは知らないがかなり情報が早い様子だった。
「少し俺は地下に戻る、アルラは2人から交渉の続きをしてくれ」
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