42 / 47
第二章
15.手を繋いで、船上にて3
しおりを挟む
ひとまずふたりは立ちはだかる巨大な階段を上ることに決めた。上の状況が分からなければ、何をすれば良いかもわからない。
ふたりはもう一人の悪党が戻ってくる前に階段を登ることができた。自分たちの体長の二倍はある階段を、手を繋いだままどうやって上ったのか。それはマルチナの魔法だ。「鳥のごとく自由に」と唱えながら、親指と人差し指―ネズミにも指があって良かった―を擦ると、ふたりの体がふわっと浮かび上がったのだ。
「すごいね、これもルシアさんが教えてくれた魔法?」
「そうよ。お母様は魔法を教えるのがうまいから、一日で飛べるようになったの」
飛び慣れているマルチナに導かれ、無事に五段の階段を上り切ると、壁に張り付いて甲板を見回した。
甲板にいる悪党は、魔法使いの男だけだった。どうやらたったふたりで乗り込んできたらしい。この小さい船だからだろうか。
魔法使いの男は、指をパチパチ鳴らして、ロープで縛ってある人々の周りをゆっくりと歩いている。
「もうっ。大人しくしててくれれば、ロープを歯で食いちぎれるのに!」とマルチナ。
ネズミになっても、怒った時のマルチナらしい表情は変わらない。
「でも、あれって魔法のロープなんでしょう。下手に触ったら、何かあるんじゃない? 前にエンリケが言ってたよ、魔法道具は不用意に触らない方が良いって」
「うー、そうだったわね。でも、それならどうしたら良いのよう」
マルチナは髪を指にクルクル巻き付けようとして、髪がないことに驚いた顔をした。
「さっきの話だと、わたしたちが無事だって伝えられれば、カリーナさんが何とかできるかもしれないってことだよね?」
「そうね。カリーナは今我慢してると思うわ」
「それなら、ロープには触らないように気を付けて、カリーナさんのところまで行こうよ。それでわたしたちが無事だって伝えれば、何とかしてくれないかな」
「それが一番手っ取り早いわね」
そう言い終える前に、マルチナがハッとして、ソニアの胸を指さした。
「そんな素敵な時計をしてるネズミなんていないから、きっとすぐに気づくわね」
二ッと得意げに微笑まれると、ソニアもフフッと笑った。
「そうだね」
カリーナまでの経路を確認すると、ふたりは甲板の隅を走り出した。
動いていない船で良かった、とソニアは思った。
甲板はまるで雑木林のように床板の木目がけば立っていて、避けて歩かなければ串刺しにされてしまう。
「キャッ!」
手を繋いでいるマルチナがドテッと派手に転んだ。ソニアは慌てて足を止めて振り返った。
「大丈夫、マルチナ?」
「釘が出てたの。痛いわ……」
マルチナの足元には人間であれば何でもないはずの釘が、ちょっとした石のように頭を出している。辺りを見回すと他にもそういう釘はちらほらある。先を急いでいても走ると危険が多そうだ。
「ここからは歩いて行こう、マルチナ。船自体は動いてないけど、波はあるから揺れてるし、これ以上ケガはできないよ」
「……そうね。ごめん、足引っ張って」
「そんなことないよ。立てそう?」
マルチナはネズミの目に涙をためてコクンとうなずいた。
ソニアが手を貸してマルチナを立たせると、ふたりは手を繋いで、壁伝いに歩き出した。
魔法使いの悪党はというと、相変わらず指を鳴らしながらのろのろと人々の周りを歩いている。この行動にどういう意味があるのかわからないところが怖いな、とソニアは思った。
階段と向かい合う壁までたどり着くと、ようやくカリーナたちの影に隠れることができた。人間が巨木のように見えた。みんな真っ青な顔をしている。
「ここから叫ぶわけにもいかないし、アイツの目を盗んで、カリーナのところまで行く?」
「そうだね。アイツが人間側の方に移動したら、走って行こう」
ゴツゴツゴツとブーツが鳴る。ネズミのふたりには、雷のようにやかましく聞こえる。ソニアはもう一度時計を握り締めて、心を落ち着けた。
「今!」
マルチナがそう叫ぶと、ふたりは繋いでいる手の力を強めて、カリーナの方へ駆けだした。
真っ直ぐな瞳で悪党をにらみつけているカリーナは、近づいてくるふたりにまだ気が付いていない。マルチナはカリーナの隣に座る女の魔法使いの足に隠れて、カリーナのズボンを引っ張ろうと手を伸ばした、その時。
「きゃあ、ネズミだわ!」
女の魔法使いが悲鳴を上げた。すかさず魔法使いの悪党がズカズカと歩いてくる。手が、小さな二人の方に伸びてくる。
「極彩色の鏡を見せて!」
マルチナが怒鳴った次の瞬間、ソニアとマルチナは、美しいメスのヒョウに変わっていた。
二頭の黒いヒョウの重さで船がぐらりと揺れる。
「フンッ。子供騙しな魔法だ」
悪党の魔法使いはそう言い、これ見よがしに手を挙げて指を擦ろうとした。しかしその手はカリーナのたくましい腕によって阻まれた。
「マルチナ様、ソニア様、ご無事だったんですね」
「カリーナさん!」
ソニアが声を上げると、カリーナは男の腕を体の後ろで縛り付けながらにっこりと笑った。
「ソニア様の時計のおかげで、すぐに判断することができましたよ」
それからはあっという間だった。
カリーナが悪党二人を制圧し、船は無事に出発した。ただし、離島に向けて出発した。ルフブルクの港まで悪党を乗せて行くわけにはいかない。ましてや一人は魔法使いだ。カリーナが寝ずに見張りをしたとしても危険だろう。
船が戻ってくると、島中の人が集まって来て、すぐに警察もやって来た。島の警察はこんな事態は初めてだったが、責任を持って対処をすると約束してくれた。また、船は点検対象となってしまったため、ソニアたちは港の宿屋に一泊することになってしまった。
「――散々な目に合ったな」
すべての事情聴取が終わり、全員がヘロヘロで宿屋に到着すると、ラファエルが待ち構えていた。
「あれ、どうしているの?」
マルチナがソニアの手を引いて駆け寄ると、ラファエルはふたりの肩に手を乗せた。
「これだけの騒ぎになれば、森がざわつくからな」
「森が?」
ラファエルはコクッとうなずき、テオたちの方を見た。
「全員無事みたいだな」
「何とかね」とビアンカ。その顔はとてもくたびれている。島に戻る間も、事情聴取でも静かだったビアンカは、そうとう疲れがあるらしい。
「今日はこのままここに泊まるのか?」
「うん。警察がそうしろって」とマルチナ。
「調査のためか?」
「ううん。それはもう終わったわ」
「それなら早く帰りたいよな」
「まあね。でも、仕方ないわよ。船も出ないし」
「船がないせいか……」
そう言うと、ラファエルは全員を手招きした。
「俺の周りに集まって、手を繋いで円を書け」
「なあに、急に」
マルチナがワクワクしながら尋ねると、ラファエルは二ッと歯を見せて笑った。
「早く帰れるぞ」
「えっ?」
ソニアとマルチナが顔を見合わせると、ラファエルは左手の親指と小指をこすり合わせた。
「門よ、開け」
そう唱えると同時に、ソニアは強い重力を感じた。思わず目をギュッとつぶってしまう。そして、そろそろと目を開けた時、ソニアたちはルフブルクで宿泊していた宿屋の前にいた。まだ明けきらない町は、人っ子一人おらず、シンッと静まり返っている。
「こ、これは、瞬間移動、ですか?」
テオの言葉に、ラファエルはうなずいた。
「これで慣れた宿屋のベッドで寝られるぞ。ゆっくり休めよ」
そう言うと、もう一度魔法を使ってラファエルは姿を消した。
「……アイツ、こんな便利な魔法が使えるなら、大学来なさいよ!」
ビアンカの叫び声が朝靄の町に響き渡った。その怒りの雄たけびに、みんなは声を上げて笑った。
こうして船上での事件は幕を閉じた。
ふたりはもう一人の悪党が戻ってくる前に階段を登ることができた。自分たちの体長の二倍はある階段を、手を繋いだままどうやって上ったのか。それはマルチナの魔法だ。「鳥のごとく自由に」と唱えながら、親指と人差し指―ネズミにも指があって良かった―を擦ると、ふたりの体がふわっと浮かび上がったのだ。
「すごいね、これもルシアさんが教えてくれた魔法?」
「そうよ。お母様は魔法を教えるのがうまいから、一日で飛べるようになったの」
飛び慣れているマルチナに導かれ、無事に五段の階段を上り切ると、壁に張り付いて甲板を見回した。
甲板にいる悪党は、魔法使いの男だけだった。どうやらたったふたりで乗り込んできたらしい。この小さい船だからだろうか。
魔法使いの男は、指をパチパチ鳴らして、ロープで縛ってある人々の周りをゆっくりと歩いている。
「もうっ。大人しくしててくれれば、ロープを歯で食いちぎれるのに!」とマルチナ。
ネズミになっても、怒った時のマルチナらしい表情は変わらない。
「でも、あれって魔法のロープなんでしょう。下手に触ったら、何かあるんじゃない? 前にエンリケが言ってたよ、魔法道具は不用意に触らない方が良いって」
「うー、そうだったわね。でも、それならどうしたら良いのよう」
マルチナは髪を指にクルクル巻き付けようとして、髪がないことに驚いた顔をした。
「さっきの話だと、わたしたちが無事だって伝えられれば、カリーナさんが何とかできるかもしれないってことだよね?」
「そうね。カリーナは今我慢してると思うわ」
「それなら、ロープには触らないように気を付けて、カリーナさんのところまで行こうよ。それでわたしたちが無事だって伝えれば、何とかしてくれないかな」
「それが一番手っ取り早いわね」
そう言い終える前に、マルチナがハッとして、ソニアの胸を指さした。
「そんな素敵な時計をしてるネズミなんていないから、きっとすぐに気づくわね」
二ッと得意げに微笑まれると、ソニアもフフッと笑った。
「そうだね」
カリーナまでの経路を確認すると、ふたりは甲板の隅を走り出した。
動いていない船で良かった、とソニアは思った。
甲板はまるで雑木林のように床板の木目がけば立っていて、避けて歩かなければ串刺しにされてしまう。
「キャッ!」
手を繋いでいるマルチナがドテッと派手に転んだ。ソニアは慌てて足を止めて振り返った。
「大丈夫、マルチナ?」
「釘が出てたの。痛いわ……」
マルチナの足元には人間であれば何でもないはずの釘が、ちょっとした石のように頭を出している。辺りを見回すと他にもそういう釘はちらほらある。先を急いでいても走ると危険が多そうだ。
「ここからは歩いて行こう、マルチナ。船自体は動いてないけど、波はあるから揺れてるし、これ以上ケガはできないよ」
「……そうね。ごめん、足引っ張って」
「そんなことないよ。立てそう?」
マルチナはネズミの目に涙をためてコクンとうなずいた。
ソニアが手を貸してマルチナを立たせると、ふたりは手を繋いで、壁伝いに歩き出した。
魔法使いの悪党はというと、相変わらず指を鳴らしながらのろのろと人々の周りを歩いている。この行動にどういう意味があるのかわからないところが怖いな、とソニアは思った。
階段と向かい合う壁までたどり着くと、ようやくカリーナたちの影に隠れることができた。人間が巨木のように見えた。みんな真っ青な顔をしている。
「ここから叫ぶわけにもいかないし、アイツの目を盗んで、カリーナのところまで行く?」
「そうだね。アイツが人間側の方に移動したら、走って行こう」
ゴツゴツゴツとブーツが鳴る。ネズミのふたりには、雷のようにやかましく聞こえる。ソニアはもう一度時計を握り締めて、心を落ち着けた。
「今!」
マルチナがそう叫ぶと、ふたりは繋いでいる手の力を強めて、カリーナの方へ駆けだした。
真っ直ぐな瞳で悪党をにらみつけているカリーナは、近づいてくるふたりにまだ気が付いていない。マルチナはカリーナの隣に座る女の魔法使いの足に隠れて、カリーナのズボンを引っ張ろうと手を伸ばした、その時。
「きゃあ、ネズミだわ!」
女の魔法使いが悲鳴を上げた。すかさず魔法使いの悪党がズカズカと歩いてくる。手が、小さな二人の方に伸びてくる。
「極彩色の鏡を見せて!」
マルチナが怒鳴った次の瞬間、ソニアとマルチナは、美しいメスのヒョウに変わっていた。
二頭の黒いヒョウの重さで船がぐらりと揺れる。
「フンッ。子供騙しな魔法だ」
悪党の魔法使いはそう言い、これ見よがしに手を挙げて指を擦ろうとした。しかしその手はカリーナのたくましい腕によって阻まれた。
「マルチナ様、ソニア様、ご無事だったんですね」
「カリーナさん!」
ソニアが声を上げると、カリーナは男の腕を体の後ろで縛り付けながらにっこりと笑った。
「ソニア様の時計のおかげで、すぐに判断することができましたよ」
それからはあっという間だった。
カリーナが悪党二人を制圧し、船は無事に出発した。ただし、離島に向けて出発した。ルフブルクの港まで悪党を乗せて行くわけにはいかない。ましてや一人は魔法使いだ。カリーナが寝ずに見張りをしたとしても危険だろう。
船が戻ってくると、島中の人が集まって来て、すぐに警察もやって来た。島の警察はこんな事態は初めてだったが、責任を持って対処をすると約束してくれた。また、船は点検対象となってしまったため、ソニアたちは港の宿屋に一泊することになってしまった。
「――散々な目に合ったな」
すべての事情聴取が終わり、全員がヘロヘロで宿屋に到着すると、ラファエルが待ち構えていた。
「あれ、どうしているの?」
マルチナがソニアの手を引いて駆け寄ると、ラファエルはふたりの肩に手を乗せた。
「これだけの騒ぎになれば、森がざわつくからな」
「森が?」
ラファエルはコクッとうなずき、テオたちの方を見た。
「全員無事みたいだな」
「何とかね」とビアンカ。その顔はとてもくたびれている。島に戻る間も、事情聴取でも静かだったビアンカは、そうとう疲れがあるらしい。
「今日はこのままここに泊まるのか?」
「うん。警察がそうしろって」とマルチナ。
「調査のためか?」
「ううん。それはもう終わったわ」
「それなら早く帰りたいよな」
「まあね。でも、仕方ないわよ。船も出ないし」
「船がないせいか……」
そう言うと、ラファエルは全員を手招きした。
「俺の周りに集まって、手を繋いで円を書け」
「なあに、急に」
マルチナがワクワクしながら尋ねると、ラファエルは二ッと歯を見せて笑った。
「早く帰れるぞ」
「えっ?」
ソニアとマルチナが顔を見合わせると、ラファエルは左手の親指と小指をこすり合わせた。
「門よ、開け」
そう唱えると同時に、ソニアは強い重力を感じた。思わず目をギュッとつぶってしまう。そして、そろそろと目を開けた時、ソニアたちはルフブルクで宿泊していた宿屋の前にいた。まだ明けきらない町は、人っ子一人おらず、シンッと静まり返っている。
「こ、これは、瞬間移動、ですか?」
テオの言葉に、ラファエルはうなずいた。
「これで慣れた宿屋のベッドで寝られるぞ。ゆっくり休めよ」
そう言うと、もう一度魔法を使ってラファエルは姿を消した。
「……アイツ、こんな便利な魔法が使えるなら、大学来なさいよ!」
ビアンカの叫び声が朝靄の町に響き渡った。その怒りの雄たけびに、みんなは声を上げて笑った。
こうして船上での事件は幕を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
転生妃は後宮学園でのんびりしたい~冷徹皇帝の胃袋掴んだら、なぜか溺愛ルート始まりました!?~
☆ほしい
児童書・童話
平凡な女子高生だった私・茉莉(まり)は、交通事故に遭い、目覚めると中華風異世界・彩雲国の後宮に住む“嫌われ者の妃”・麗霞(れいか)に転生していた!
麗霞は毒婦だと噂され、冷徹非情で有名な若き皇帝・暁からは見向きもされない最悪の状況。面倒な権力争いを避け、前世の知識を活かして、後宮の学園で美味しいお菓子でも作りのんびり過ごしたい…そう思っていたのに、気まぐれに献上した「プリン」が、甘いものに興味がないはずの皇帝の胃袋を掴んでしまった!
「…面白い。明日もこれを作れ」
それをきっかけに、なぜか暁がわからの好感度が急上昇! 嫉妬する他の妃たちからの嫌がらせも、持ち前の雑草魂と現代知識で次々解決! 平穏なスローライフを目指す、転生妃の爽快成り上がり後宮ファンタジー!
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
図書室はアヤカシ討伐司令室! 〜黒鎌鼬の呪唄〜
yolu
児童書・童話
凌(りょう)が住む帝天(だいてん)町には、古くからの言い伝えがある。
『黄昏刻のつむじ風に巻かれると呪われる』────
小学6年の凌にとって、中学2年の兄・新(あらた)はかっこいいヒーロー。
凌は霊感が強いことで、幽霊がはっきり見えてしまう。
そのたびに涙が滲んで足がすくむのに、兄は勇敢に守ってくれるからだ。
そんな兄と野球観戦した帰り道、噂のつむじ風が2人を覆う。
ただの噂と思っていたのに、風は兄の右足に黒い手となって絡みついた。
言い伝えを調べると、それは1週間後に死ぬ呪い──
凌は兄を救うべく、図書室の司書の先生から教わったおまじないで、鬼を召喚!
見た目は同い年の少年だが、年齢は自称170歳だという。
彼とのちぐはぐな学校生活を送りながら、呪いの正体を調べていると、同じクラスの蜜花(みつか)の姉・百合花(ゆりか)にも呪いにかかり……
凌と、鬼の冴鬼、そして密花の、年齢差158歳の3人で呪いに立ち向かう──!
【完結】またたく星空の下
mazecco
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 君とのきずな児童書賞 受賞作】
※こちらはweb版(改稿前)です※
※書籍版は『初恋×星空シンバル』と改題し、web版を大幅に改稿したものです※
◇◇◇冴えない中学一年生の女の子の、部活×恋愛の青春物語◇◇◇
主人公、海茅は、フルート志望で吹奏楽部に入部したのに、オーディションに落ちてパーカッションになってしまった。しかもコンクールでは地味なシンバルを担当することに。
クラスには馴染めないし、中学生活が全然楽しくない。
そんな中、海茅は一人の女性と一人の男の子と出会う。
シンバルと、絵が好きな男の子に恋に落ちる、小さなキュンとキュッが詰まった物語。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました~異種族わちゃわちゃ冒険ものがたり~
楓乃めーぷる
児童書・童話
グラム村で変わり者扱いされていた少年フィロは村長の家で小間使いとして、生まれてから10年間馬小屋で暮らしてきた。フィロには生き物たちの言葉が分かるという不思議な力があった。そのせいで同年代の子どもたちにも仲良くしてもらえず、友達は森で助けた赤い鳥のポイと馬小屋の馬と村で飼われている鶏くらいだ。
いつもと変わらない日々を送っていたフィロだったが、ある日村に黒くて大きなドラゴンがやってくる。ドラゴンは怒り村人たちでは歯が立たない。石を投げつけて何とか追い返そうとするが、必死に何かを訴えている.
気になったフィロが村長に申し出てドラゴンの話を聞くと、ドラゴンの巣を荒らした者が村にいることが分かる。ドラゴンは知らぬふりをする村人たちの態度に怒り、炎を噴いて暴れまわる。フィロの必死の説得に漸く耳を傾けて大人しくなるドラゴンだったが、フィロとドラゴンを見た村人たちは、フィロこそドラゴンを招き入れた張本人であり実は魔物の生まれ変わりだったのだと決めつけてフィロを村を追い出してしまう。
途方に暮れるフィロを見たドラゴンは、フィロに謝ってくるのだがその姿がみるみる美しい黒髪の女性へと変化して……。
「ドラゴンがお姉さんになった?」
「フィロ、これから私と一緒に旅をしよう」
変わり者の少年フィロと異種族の仲間たちが繰り広げる、自分探しと人助けの冒険ものがたり。
・毎日7時投稿予定です。間に合わない場合は別の時間や次の日になる場合もあります。
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる