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5章 コスの人生
90話 みんなに見られたくない
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「がんばれアルミク」
孤児院の屋根に身を隠し、僕は下で緊張しながら彼女を待つアルミクを応援します、彼は今日男になるんだ。
僕も本当の体が出来る来年、ふたりの女性に告白します、その為にも見ておきたいんだ、もちろん誰にも言わないよ。
「こんな所に呼んで、いったい何の用よアルミク」
ケンカ腰のサーヤとは違い、アルミクはオドオドしています、いつもと違う様子にサーヤも変だって感じてるんです、段々心配し始めたのか聞き方が柔らかくなりだします。
ここで言うんだアルミク!っと屋根の上で握りこぶしに力が入ります、アルミクは何も言えず下を向いている始末です。
「ほんとにどうしたのアルミク?あんたらしくないわよ」
「そうだな、俺らしくないよな・・・じゃあ言うぜサーヤ聞いてくれ」
勇気を貰ったのか、アルミクは燃えるような目をしてサーヤに好きだって伝えました、そして付き合ってくれとお願いしたんです、サーヤはそれを聞いてキョトンとしてるよ。
どうしてそんな反応なのか、それは次のサーヤの言葉で理解したよ。
「付き合うって、アタシたちいつも一緒じゃない」
屋根の上で僕はカクッと体勢を崩したよ、そう言う問題じゃないんだよサーヤっと、ツッコミを入れずにはいられませんでした。
アルミクもそうだよなっとか言い出しています、このままじゃそれで済んでしまう、それは振られたみたいなモノです、アルミクが可哀そうですよ。
何とかしてあげたい、そう思っているんだけど、屋根の上にいる僕にはどうする事も出来ません、空気は既に冷め話は終わりそうです。
「でしょ、成人してもここから出勤するのよ、変わらないわ」
「いや違うぞサーヤ、俺達は成人したら会えなくなる、一緒じゃ無くなるんだ」
それぞれの仕事で一緒にはいられない、アルミクはそれを強調します、そして会えない間にサーヤが誰かの物になるのが我慢できないと真剣です、その勢いで結婚しようとまで言ってしまいました。
サーヤもさすがに顔を真っ赤にして恥ずかしそうです、僕はその勢いを聞いてすごいと思ったよ、僕にはまねの出来ない勇気を見たんだ。
「けけ、結婚は早いわよアルミク」
「そうでもないだろ、俺達は良く知ってる仲なんだ、付き合ってるなら結婚まで飛んでもいい、俺と結婚しようぜサーヤ」
ちょっと雰囲気の無い言葉だけど、僕には十分良い言葉でした、サーヤも十分気持ちを受けとめたみたいで頷いています。
良かったねっとアルミクとサーヤを祝福しました、そして僕はもうふたりの待つ場所に向かいます、そこにはドミノンとミーオが待っていました。
「お待たせ、準備はいいかな?」
「「ん、いつでも良い」」
ふたりが同時に言ってきたよ、手を繋ぎ見つめ合ってます、僕は牧師の格好に変化して誓いの言葉を唱えます。
ふたりは誓いの言葉を復唱し口づけをかわします、これでふたりは結婚しました、リュウである僕が後見人です。
「ふたりみたいに素直なら、アルミクもここにいたのにね」
ふたりは既に告白を済ませていたんだ、アルミクが決闘を挑んだ後に頼まれたんです、みんなに祝福してもらった方が良いと提案したんだけど、アルミクたちの事もありこんな夜に3人で開いたんです、それにふたりは恥ずかしいっと意見を揃えていました、無口なふたりが恥ずかしがってるのは可愛いと思ったよ。
「成人したら、僕からの贈り物も使ってよね」
「「ん、ちゃんと使う」」
4人には大きめの家を用意しています、孤児院に帰って来る予定ではるんだけど、準備してあるのとないのでは気持ちが違うんだ、個室もあるし夫婦の嗜みも考えないとね。
4人にはまだ早いかもしれないっと、最後の方は説明してないです、でもいつかそれは必要になる、その時は孤児院が寂しくなるけど、それは表情には出してはいけません、笑顔で送ってあげないといけないんです。
それを伝え、木の橋から僕たちは孤児院に向かったんです、3人で手を繋いで仲良く帰るのは、何だか家族みたいで良かったよ。
「でも、ふたりがアルミクたちに助言してれば、今頃4人で式をあげれたんじゃない?」
「「そ、それは」」
手を繋いでいたふたりが顔をそむけました、これはみんなに祝福されるのを嫌がって言わなかったんだと、ふたりの心の声が聞こえました、そんなに嫌なの?っとすごく疑問です。
歩きながら、結婚式はふたりが思うほど恥ずかしいモノじゃない、とても楽しく幸せなモノだと話したんだ、僕が経験した事じゃないけど、みんなに祝福されてると感じれば、きっとそれはほんとになるはずです。
「そうかな?」
「絶対そうさドミノン、恥ずかしいのは分かるけど、幸せな気持ちになるからやろうよ」
「「絶対やだ」」
説得はしたけど結局ダメでした、もう一押しな気もしますけど、僕にはこれ以上の説得は無理です、だってね、嫌だと言ったふたりは、どうしてか僕の腕に抱き着いて歩いて来るんだ、今でも十分幸せだと言いたいんだよ。
ここまでされたら僕からは言えません、この後みんなを支えるのが僕たちの仕事です。
「じゃあせめて、お祝いの料理を食べよう」
「「それは賛成」」
即答を貰ったので、僕は頑張ろうと思います、成人してからなのでまだ時間もありますからね、素材から厳選したいと思います。
孤児院の屋根に身を隠し、僕は下で緊張しながら彼女を待つアルミクを応援します、彼は今日男になるんだ。
僕も本当の体が出来る来年、ふたりの女性に告白します、その為にも見ておきたいんだ、もちろん誰にも言わないよ。
「こんな所に呼んで、いったい何の用よアルミク」
ケンカ腰のサーヤとは違い、アルミクはオドオドしています、いつもと違う様子にサーヤも変だって感じてるんです、段々心配し始めたのか聞き方が柔らかくなりだします。
ここで言うんだアルミク!っと屋根の上で握りこぶしに力が入ります、アルミクは何も言えず下を向いている始末です。
「ほんとにどうしたのアルミク?あんたらしくないわよ」
「そうだな、俺らしくないよな・・・じゃあ言うぜサーヤ聞いてくれ」
勇気を貰ったのか、アルミクは燃えるような目をしてサーヤに好きだって伝えました、そして付き合ってくれとお願いしたんです、サーヤはそれを聞いてキョトンとしてるよ。
どうしてそんな反応なのか、それは次のサーヤの言葉で理解したよ。
「付き合うって、アタシたちいつも一緒じゃない」
屋根の上で僕はカクッと体勢を崩したよ、そう言う問題じゃないんだよサーヤっと、ツッコミを入れずにはいられませんでした。
アルミクもそうだよなっとか言い出しています、このままじゃそれで済んでしまう、それは振られたみたいなモノです、アルミクが可哀そうですよ。
何とかしてあげたい、そう思っているんだけど、屋根の上にいる僕にはどうする事も出来ません、空気は既に冷め話は終わりそうです。
「でしょ、成人してもここから出勤するのよ、変わらないわ」
「いや違うぞサーヤ、俺達は成人したら会えなくなる、一緒じゃ無くなるんだ」
それぞれの仕事で一緒にはいられない、アルミクはそれを強調します、そして会えない間にサーヤが誰かの物になるのが我慢できないと真剣です、その勢いで結婚しようとまで言ってしまいました。
サーヤもさすがに顔を真っ赤にして恥ずかしそうです、僕はその勢いを聞いてすごいと思ったよ、僕にはまねの出来ない勇気を見たんだ。
「けけ、結婚は早いわよアルミク」
「そうでもないだろ、俺達は良く知ってる仲なんだ、付き合ってるなら結婚まで飛んでもいい、俺と結婚しようぜサーヤ」
ちょっと雰囲気の無い言葉だけど、僕には十分良い言葉でした、サーヤも十分気持ちを受けとめたみたいで頷いています。
良かったねっとアルミクとサーヤを祝福しました、そして僕はもうふたりの待つ場所に向かいます、そこにはドミノンとミーオが待っていました。
「お待たせ、準備はいいかな?」
「「ん、いつでも良い」」
ふたりが同時に言ってきたよ、手を繋ぎ見つめ合ってます、僕は牧師の格好に変化して誓いの言葉を唱えます。
ふたりは誓いの言葉を復唱し口づけをかわします、これでふたりは結婚しました、リュウである僕が後見人です。
「ふたりみたいに素直なら、アルミクもここにいたのにね」
ふたりは既に告白を済ませていたんだ、アルミクが決闘を挑んだ後に頼まれたんです、みんなに祝福してもらった方が良いと提案したんだけど、アルミクたちの事もありこんな夜に3人で開いたんです、それにふたりは恥ずかしいっと意見を揃えていました、無口なふたりが恥ずかしがってるのは可愛いと思ったよ。
「成人したら、僕からの贈り物も使ってよね」
「「ん、ちゃんと使う」」
4人には大きめの家を用意しています、孤児院に帰って来る予定ではるんだけど、準備してあるのとないのでは気持ちが違うんだ、個室もあるし夫婦の嗜みも考えないとね。
4人にはまだ早いかもしれないっと、最後の方は説明してないです、でもいつかそれは必要になる、その時は孤児院が寂しくなるけど、それは表情には出してはいけません、笑顔で送ってあげないといけないんです。
それを伝え、木の橋から僕たちは孤児院に向かったんです、3人で手を繋いで仲良く帰るのは、何だか家族みたいで良かったよ。
「でも、ふたりがアルミクたちに助言してれば、今頃4人で式をあげれたんじゃない?」
「「そ、それは」」
手を繋いでいたふたりが顔をそむけました、これはみんなに祝福されるのを嫌がって言わなかったんだと、ふたりの心の声が聞こえました、そんなに嫌なの?っとすごく疑問です。
歩きながら、結婚式はふたりが思うほど恥ずかしいモノじゃない、とても楽しく幸せなモノだと話したんだ、僕が経験した事じゃないけど、みんなに祝福されてると感じれば、きっとそれはほんとになるはずです。
「そうかな?」
「絶対そうさドミノン、恥ずかしいのは分かるけど、幸せな気持ちになるからやろうよ」
「「絶対やだ」」
説得はしたけど結局ダメでした、もう一押しな気もしますけど、僕にはこれ以上の説得は無理です、だってね、嫌だと言ったふたりは、どうしてか僕の腕に抱き着いて歩いて来るんだ、今でも十分幸せだと言いたいんだよ。
ここまでされたら僕からは言えません、この後みんなを支えるのが僕たちの仕事です。
「じゃあせめて、お祝いの料理を食べよう」
「「それは賛成」」
即答を貰ったので、僕は頑張ろうと思います、成人してからなのでまだ時間もありますからね、素材から厳選したいと思います。
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