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1章 開店
4杯目 ダンジョンラーメン屋開業
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「じゃあ、明日も来るのにゃ」
ニャースラは両手に袋を持ってダンジョンを出て行き、俺たちは入り口で手を振って見送った。
ちょっと外に出ようとした俺は、見えない壁に阻まれ頭を打ったからだが、かなり焦ったよ。
「俺って、ここから出れないんだな」
「それはそうですわよ、マスターの本体はあの玉です」
「そうか、納得だ」
俺の身体はここにあるが、幽霊みたいなモノで本体はあの台座に乗ってる玉なんだ。
本当に俺は変わってしまったようだが、あまり落ち込む事はなく、早くラーメンを食べたくなったんだ。
「オーロラ、明日の為にも沢山作ってくれるか?」
「勿論ですわ、お任せください」
レベルを上げる為にも、オーロラに煮干しダシの塩ラーメンを作り続けて貰い、最初の1杯は俺に捧げてもらった。
食べながらラーメンの材料を出していくが、さすがにMPが切れてしまったよ。
「300杯も作ったが、レベルは上がらないな」
「恐らく回数が足りないんですわ」
「レベル上げは地獄と聞いていたから納得だな」
室井もゲームで苦労している事を話してくれたが、俺もその地獄を味わうのが決まった。
しかし、ラーメンさえ食べれるなら問題はないっと軽い気持ちに聞こえるかもしれないが、ラーメンは俺の命なんだ。
「さて、MPが回復するまでどうするか」
「でしたら、このお部屋を広くしてはいかがですか?」
「店にするにも、確かに必要だがポイントが」
そこまで言って、ニャースラが入ったことを思い出し、ポイントになっているかもと画面を出したんだ。
【ニャースラ】
レベル5
侵入時間
2:30分
【1250P】
画面にはログが表示され、ニャースラのレベルと滞在時間が分かったよ。
ポイントが増えた事で、部屋を大きくするために500Pを使ってみた。
「30m四方に広くなったけど、台座側に厨房を陣取るか」
「他のお部屋を作る手もありますが、台座を守るのは良いと思いますわ」
「じゃあ移動するか」
オーロラにも手伝ってもらい、俺は気材をアイテムボックスにしまっては移動して出す作業を繰り返し、俺の店が整理され部屋が広くなった。
カウンター席とテーブル席も10個置き、4人が座れるちゃんとした店になったよ。
「ニャースラがどれだけ連れて来るか分からないが、これで足りるかな?」
「集落と言っていましたが、他の集落の数を言えなかった子供ですからね」
「足りなければ更に追加すれば良いだろう」
水を入れるピッチャーやコップも交換してアイテムボックスにしまい、開店の準備が出来たんだが、夕食の時間には早いのかニャースラはまだ来ない。
「なぁオーロラ、夕食にニャースラは来ないのかな?」
「マスター夜は集落からは出れませんよ、危険ですからね」
「そうなのか?」
ネコは夜行性のはずなんだが、森だからそうなのかと納得はした。
MPが回復して、ラーメンをオーロラに作って貰う事を再開したんだが、壁に取り付けた時計が8時になってもニャースラは来なかった。
「600杯作って、やっと2レベルか」
「恐らくですが、500杯で上がっていたでしょうね」
「なるほどな」
500杯分ならば、次も楽しみになるモノで、早く上がって欲しいと思ったよ。
しかし、それ以上にレベルが上がったのだからと、画面を開いて確認だ。
「おお、出せる機材に【ボロい】が無くなってる」
「良かったですねマスター」
「ああ、オーロラも使いにくかっただろう」
オーロラはそうでもないとか言って来るが、カタカタと取っ手が壊れそうだったり、デコボコの鍋だった。
そして、麺が中細麺が出せるようになり、スープは醤油が増えて【まあまあ】と言う文字が【普通】になっていた。
「ダシは、野菜だな」
「野菜ですか?」
「こちらでは珍しいかオーロラ?」
「はい、ダシ自体取りませんわ」
なるほどっと思いながら、トッピングも確認したが漬物が増えていたよ。
他にも生活用品が増え、これなら従業員を雇っても良いと思ったな。
「しかし、MPが無くなるのは心配だな」
「そうですわね、ダンジョンのレベルを上げなくてはいけませんわ」
「俺のレベルはダンジョンと一緒なのか?」
オーロラは当然と言ってくれて、ニャースラ頼みなのが発覚した。
明日が楽しみであり心配でもあったが、お土産のチャーシューも用意する事にしたんだ。
「チャーシューだけと言うのも味気ないか?」
「獣人は好き嫌いが多いですから、来店してから聞くと良いですわね」
「そうか、頼りになりなオーロラは」
「あ、ありがとうございます」
どうしてかオーロラがお礼を言って来たが、正直オーロラがいなければ俺は諦めていただろう。
それだけラーメンを食べれないのは辛いし、死んでしまっても良いと思っただろう。
「そう言えば、ラーメンの味はどうなんだろうか?」
「作って見ましょうマスター」
「じゃあ、ダシと味も増えたから4種作ってくれ、勿論オーロラも食べてくれよ」
「はいマスター」
オーロラの負担が増えるが、本人はとてもやる気を出してくれて、俺は4種のラーメンを捧げてもらい食べたんだ。
最初からある塩ラーメンも味が良くなっていたし、野菜ダシの塩ラーメンは、煮干しダシとまた違った美味しさを持っていたよ。
「醤油も良いなぁ~」
「ほんとに美味しいですわ」
「これは餃子が欲しくなるね」
「ギョウザ?」
2レベルでも交換できない品は多く、まだまだ上がるんだと期待している。
チャーハンも食べたいし、どんどん作ろうとオーロラに頼んだんだ。
「各100杯作ったけど、上がらないな」
「チャーシューも出しましたし、まだ足りないのでしょう、焦らず行きましょうマスター」
「そうだな、積み重ねが大切だな」
オーロラも頷いてくれて、俺は他の品もアイテムボックスに入れ、いつでも出せるようにしたんだ。
店を出すならテーブルにも置きたい品はあり、ラーメンだけでなく用意して店の質をあげて見た。
「爪楊枝にお酢に醤油」
「マスターこの布はなんですの?」
「それはおしぼりと言って、手を拭く為のモノだ」
ラー油もテーブルに置き、箸置きはフォークを入れた箱に変えた。
ティッシュペーパーも置いて、店の端にゴミ箱も用意すると、やっとお店らしくなったんだ。
「そうだよな、俺は食べに行くことしかしてなかったが、店を出すなら他にもいるんだよな」
これからは食べてもらう側なのだから、質を上げる為にも店を良くしていこうと、小皿やお椀も準備したんだ。
そして、準備が出来たタイミングでニャースラが他の子供を2人連れてきてくれたが、いつの間にか次の日の昼になっていたよ。
ニャースラは両手に袋を持ってダンジョンを出て行き、俺たちは入り口で手を振って見送った。
ちょっと外に出ようとした俺は、見えない壁に阻まれ頭を打ったからだが、かなり焦ったよ。
「俺って、ここから出れないんだな」
「それはそうですわよ、マスターの本体はあの玉です」
「そうか、納得だ」
俺の身体はここにあるが、幽霊みたいなモノで本体はあの台座に乗ってる玉なんだ。
本当に俺は変わってしまったようだが、あまり落ち込む事はなく、早くラーメンを食べたくなったんだ。
「オーロラ、明日の為にも沢山作ってくれるか?」
「勿論ですわ、お任せください」
レベルを上げる為にも、オーロラに煮干しダシの塩ラーメンを作り続けて貰い、最初の1杯は俺に捧げてもらった。
食べながらラーメンの材料を出していくが、さすがにMPが切れてしまったよ。
「300杯も作ったが、レベルは上がらないな」
「恐らく回数が足りないんですわ」
「レベル上げは地獄と聞いていたから納得だな」
室井もゲームで苦労している事を話してくれたが、俺もその地獄を味わうのが決まった。
しかし、ラーメンさえ食べれるなら問題はないっと軽い気持ちに聞こえるかもしれないが、ラーメンは俺の命なんだ。
「さて、MPが回復するまでどうするか」
「でしたら、このお部屋を広くしてはいかがですか?」
「店にするにも、確かに必要だがポイントが」
そこまで言って、ニャースラが入ったことを思い出し、ポイントになっているかもと画面を出したんだ。
【ニャースラ】
レベル5
侵入時間
2:30分
【1250P】
画面にはログが表示され、ニャースラのレベルと滞在時間が分かったよ。
ポイントが増えた事で、部屋を大きくするために500Pを使ってみた。
「30m四方に広くなったけど、台座側に厨房を陣取るか」
「他のお部屋を作る手もありますが、台座を守るのは良いと思いますわ」
「じゃあ移動するか」
オーロラにも手伝ってもらい、俺は気材をアイテムボックスにしまっては移動して出す作業を繰り返し、俺の店が整理され部屋が広くなった。
カウンター席とテーブル席も10個置き、4人が座れるちゃんとした店になったよ。
「ニャースラがどれだけ連れて来るか分からないが、これで足りるかな?」
「集落と言っていましたが、他の集落の数を言えなかった子供ですからね」
「足りなければ更に追加すれば良いだろう」
水を入れるピッチャーやコップも交換してアイテムボックスにしまい、開店の準備が出来たんだが、夕食の時間には早いのかニャースラはまだ来ない。
「なぁオーロラ、夕食にニャースラは来ないのかな?」
「マスター夜は集落からは出れませんよ、危険ですからね」
「そうなのか?」
ネコは夜行性のはずなんだが、森だからそうなのかと納得はした。
MPが回復して、ラーメンをオーロラに作って貰う事を再開したんだが、壁に取り付けた時計が8時になってもニャースラは来なかった。
「600杯作って、やっと2レベルか」
「恐らくですが、500杯で上がっていたでしょうね」
「なるほどな」
500杯分ならば、次も楽しみになるモノで、早く上がって欲しいと思ったよ。
しかし、それ以上にレベルが上がったのだからと、画面を開いて確認だ。
「おお、出せる機材に【ボロい】が無くなってる」
「良かったですねマスター」
「ああ、オーロラも使いにくかっただろう」
オーロラはそうでもないとか言って来るが、カタカタと取っ手が壊れそうだったり、デコボコの鍋だった。
そして、麺が中細麺が出せるようになり、スープは醤油が増えて【まあまあ】と言う文字が【普通】になっていた。
「ダシは、野菜だな」
「野菜ですか?」
「こちらでは珍しいかオーロラ?」
「はい、ダシ自体取りませんわ」
なるほどっと思いながら、トッピングも確認したが漬物が増えていたよ。
他にも生活用品が増え、これなら従業員を雇っても良いと思ったな。
「しかし、MPが無くなるのは心配だな」
「そうですわね、ダンジョンのレベルを上げなくてはいけませんわ」
「俺のレベルはダンジョンと一緒なのか?」
オーロラは当然と言ってくれて、ニャースラ頼みなのが発覚した。
明日が楽しみであり心配でもあったが、お土産のチャーシューも用意する事にしたんだ。
「チャーシューだけと言うのも味気ないか?」
「獣人は好き嫌いが多いですから、来店してから聞くと良いですわね」
「そうか、頼りになりなオーロラは」
「あ、ありがとうございます」
どうしてかオーロラがお礼を言って来たが、正直オーロラがいなければ俺は諦めていただろう。
それだけラーメンを食べれないのは辛いし、死んでしまっても良いと思っただろう。
「そう言えば、ラーメンの味はどうなんだろうか?」
「作って見ましょうマスター」
「じゃあ、ダシと味も増えたから4種作ってくれ、勿論オーロラも食べてくれよ」
「はいマスター」
オーロラの負担が増えるが、本人はとてもやる気を出してくれて、俺は4種のラーメンを捧げてもらい食べたんだ。
最初からある塩ラーメンも味が良くなっていたし、野菜ダシの塩ラーメンは、煮干しダシとまた違った美味しさを持っていたよ。
「醤油も良いなぁ~」
「ほんとに美味しいですわ」
「これは餃子が欲しくなるね」
「ギョウザ?」
2レベルでも交換できない品は多く、まだまだ上がるんだと期待している。
チャーハンも食べたいし、どんどん作ろうとオーロラに頼んだんだ。
「各100杯作ったけど、上がらないな」
「チャーシューも出しましたし、まだ足りないのでしょう、焦らず行きましょうマスター」
「そうだな、積み重ねが大切だな」
オーロラも頷いてくれて、俺は他の品もアイテムボックスに入れ、いつでも出せるようにしたんだ。
店を出すならテーブルにも置きたい品はあり、ラーメンだけでなく用意して店の質をあげて見た。
「爪楊枝にお酢に醤油」
「マスターこの布はなんですの?」
「それはおしぼりと言って、手を拭く為のモノだ」
ラー油もテーブルに置き、箸置きはフォークを入れた箱に変えた。
ティッシュペーパーも置いて、店の端にゴミ箱も用意すると、やっとお店らしくなったんだ。
「そうだよな、俺は食べに行くことしかしてなかったが、店を出すなら他にもいるんだよな」
これからは食べてもらう側なのだから、質を上げる為にも店を良くしていこうと、小皿やお椀も準備したんだ。
そして、準備が出来たタイミングでニャースラが他の子供を2人連れてきてくれたが、いつの間にか次の日の昼になっていたよ。
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