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1章 開店

5杯目 許可を貰ったのにゃ

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ウチは久しぶりにご機嫌にゃ。
それというのもお腹が一杯にゃからで、父ちゃんにも教えてみんにゃにも幸せになってもらいたくてウキウキなのにゃ。


「父ちゃん」
「おうニャースラ、今日はドリルラビットが狩れたぞ」
「凄いにゃ、流石にゃね」


1匹にゃから、みんにゃで別けるとほんとに少しにゃけど、それでもないよりはマシなのにゃ。
でもにゃ、今日はウチのお土産があるにゃから、きっとみんにゃも喜ぶのにゃ。


「父ちゃん、これお土産にゃ」
「ん、何だその大きな白い袋は?」
「お肉が入ってるのにゃ」
「な、なんだって!!」


父ちゃんの尻尾がボサボサにゃけど、袋の中を見て肩の毛まで全部立ったのにゃ。
そんでにゃ、何処で手に入れたのかと聞かれたのにゃよ。


「それがにゃ、あっちの方に洞窟があるにゃが、そこにいる透明なモンスターのメンヤに貰ったのにゃ」
「ももも、モンスターだとっ!!」
「間違えたにゃ父ちゃん、メンヤはダンジョンマスターにゃよ」
「だ、だだだダンジョンマスターだとぉぉぉーーー!!」


モンスターというよりも驚かれてしまったにゃから良い人と伝えたのにゃが、焦った父ちゃんは長の家に走ったのにゃ。
ウチのお土産も持たずに行ってしまい、ウチは仕方なく母ちゃんにお願いする事にしたのにゃ。


「母ちゃん、ただいまにゃ~」
「ニャースラお帰り、随分ご機嫌ね」
「母ちゃん、今日はお肉が沢山あるのにゃよ」


そうなの?っと、父ちゃんが取って来ると思ってるみたいにゃが、ウチは袋を渡して教えたのにゃ。
父ちゃんと同じ様にビックリした母ちゃんにゃが、みんにゃに配る事を伝えたら、喜んでくれたのにゃ。


「良かったのにゃ、父ちゃんは長の所に走って行っちゃったのにゃよ」
「あらあら、仕方のない人ね」
「そうにゃよ、ご飯をくれる人に悪い人はいないのにゃ」


母ちゃんは、そこは賛成してくれにゃいけど、ウチは絶対メンヤは良い人と思ってるのにゃ。
だってにゃ、お肉以外もウチは沢山食べ物を食べて来たのにゃ。


「母ちゃん、明日また行きたいにゃが、ニャートとケイミュも連れてって良いかにゃ?」
「そうね、シャードはしばらく掛かるだろうし、みんなの説得にも丁度良いわね」
「じゃあ良いのにゃ?」
「気を付けて行くのよ」


母ちゃんの許可を貰い、ウチは早速ふたりの家に向かったのにゃ。
肉も渡すから持っているにゃが、ニャートはきっと飛び付くと思ってニャートの家の分だけにゃ。
扉をノックしたにゃが、ニャートは出て来るなり肉の袋に飛びついたのにゃ。


「うみゃーうみゃーよこの肉」
「ニャートの分だけ持ってきて正解にゃね」
「ニャースラだったみゃか、これはどうしたのみゃ?」


ウチに気付きもしないにゃが、それだけお腹が空いてるのにゃ。
そこで、ウチはダンジョンに誘ったのにゃ。


「行くのみゃ」
「ダンジョンにゃよ?」
「ニャースラはそれでも行くみゃよね、だったらニャートも行くのみゃ」


ニャートが行く事を決め、今度はケイミュの家にゃが、ニャートも付いて来たのにゃ。
ケイミュはオスにゃから、疑り深くて来ないかもしれないのにゃが、メンヤとの約束にゃから誘うのにゃ。


「ケイミュいるのにゃ~」
「ダンジョン行くみゃ~」


ニャートが先に用件を言ってしまったにゃが、ケイミュは出て来て何の騒ぎだと怒って来たにゃ。
でもお土産のお肉を差し出したら、コロッと表情を変えてニッコニコにゃ。


「それでにゃケイミュ、ダンジョンに行けばラーメンって料理も食べれて、お肉もお土産にもらえるのにゃ」
「ケイミュも行くみゃ、3人なら沢山持って帰れるみゃ」
「おまえら、それは騙されてるニーよ」


タダで貰えるわけないとケイミュが疑って来たにゃから、ウチはお話をするのが対価と伝えのにゃ。
そんなモノが対価になるかとケイミュは言って来たにゃが、現にお肉を持ってきたのにゃ。


「確かにそうニーが、危険じゃないかニー?」
「お母ちゃんが許可をくれたのにゃ、にゃから平気なのにゃ」
「ニーチェさんが許可をしたなら、俺っちも行くニー」


やっとケイミュが決意したにゃが、ケイミュは今すぐ行くと思っているのにゃ。
にゃから明日の昼に行くことを伝えたにゃが、ビックリして尻尾がボサボサになったにゃね。


「い、今からじゃないのニー?」
「早とちりにゃ」
「急ぎ過ぎみゃね」


ウチも食べたい気持ちはあるにゃが、夜に集落を出るのは許可されてないのにゃ。
にゃから肉を持って来たわけにゃし、ケイミュは仕方ないと言って肉を一口食べたのにゃ。


「な、ななな!?」
「美味いみゃ?」
「美味いなんてモノじゃないニー」


とっても美味しかったのか、ケイミュは肩と髪の毛逆立てて驚いたのにゃ。
尻尾はさっきよりもボサボサで、大変な事になってるのにゃね。


「い、今すぐ行くのニーよ」
「行きたいにゃが」
「ダメみゃよケイミュ」


掟もあるし、大人が付いて来てくれないのにゃ。
お母ちゃんにゃら来てくれそうにゃが、掟にゃから難しいのにゃ。


「少人数ではダメなのにゃ」
「少人数って、どれだけいれば良いのニー」


ケイミュに言われ、ウチは考えたにゃが、数は5つまでしか数えられないのにゃ。
5人以上と伝えたら、ケイミュは自分の父ちゃんと母ちゃんに聞いて来るとか言って家に入って行き、頭を抱えて戻って来たのにゃ。


「殴られたにゃ?」
「うぅ~痛いニー」
「血迷ったみゃね~」


それだけ美味しいのも分かるし、食べたいのはウチも一緒にゃ。
にゃけど、夜に出るのは難しいのにゃ。


「ど、どうしてダメなのニー」
「お父ちゃんも族長に知らせに言って、ダンジョンに行かにゃいくらいにゃから、その為にも明日にするにゃよ」
「そうなのニーね」


お話しする内容も考えるべきにゃし、3人で考えるのにゃ。
ケイミュはオスにゃから、他の集落には行った事あるにゃし、きっとメンヤも喜ぶのにゃ。


「分かったニー」
「頼むみゃよケイミュ」
「そうにゃよケイミュ、ウチたちのラーメンはケイミュに掛かってるのにゃ」


頷くケイミュに、ウチとニャートは顔をスリスリとしたのにゃ。
ケイミュは赤くなったにゃが、これしきでテレるとかチョロいのにゃね。
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