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2章 宣伝

30話 真実の行方は

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「宴はそんな感じで終了したにゃん、ユニーシャ様も満足してくれたと思うにゃんシンジ様」


ユニーシャ様の接待を済ませ、クロネオたちを連れてダンジョンに入ったにゃん、シンジ様はわたいのご報告を聞いて嬉しそうに頷いているにゃん、膝の上のクロネオをブラッシングしながらだからとても良い笑顔にゃん、羨ましいと思ってしまうにゃんよ。


「それは良かったよミャオサー・・・これで魔王領の統一が出来ると良いんだけど、いるんだろうね」


シンジ様が不穏な事を言っているにゃん、確かにそう言った噂は聞いた事があるにゃん、でもシンジ様は知らないはずにゃんよ。


「きっと平気にゃんよシンジ様、宴の最後でユニーシャ様が何か策を考えてる表情でしたにゃん、あれはシンジ様と同じで本物の天才にゃん」

「僕はどうか知らないけど、そうだといいね・・・それでクロネオ、機械族たちの方は上手くいったのかな?」


わたいからの報告は終わりにゃん、後は明日にしっかりと話し合って今後の作戦を決めるにゃん、ブラッシングをしているクロネオの報告は少し問題でもあるにゃん、機械族とは全身が鉱物で出来た変わった種族にゃん、わたいたちの様に植物で食事をしてなかったのにゃん、オオガラスたちが困って帰って来たにゃんよ、だからクロネオたちに今後どう言った物が必要か調べに行って貰ったのにゃん、クロネオとシロチーはうれしそうに分かったことを報告をしてるにゃん。


「スライムの鉱石を分析してすごく喜んでいたにゃ」

「それは良かったよ、まさか鉱石を食べて栄養を取っている種族がいるとはね、僕も困ってたけど、鉱物もスライムで作って置いて良かった」


機械族は北に住んでいて、全身鎧を纏っている様な容姿の種族にゃん、それ以外は謎に包まれているにゃんよ、シンジ様がそれを聞いた時、率先して接触する事になったのにゃん、2回目の輸送もオオガラスを優先して送ったほどにゃんよ、なんでも陸路を強化するのに使えるかもって話にゃん、オオガラスたちは頭があまり良くないにゃん、クロネオたちに同行してもらったのも交渉できる者が必要だったからにゃん、他にも必要な物を聞いてきたにゃんが色々欲しい物があって納得にゃん。


「次はもっと上位の鉱物や金属も欲しいそうにゃ、シンジにゃんのにゃらきっと喜ぶのにゃ」

「1回目が不発だったから急いだけど、インゴットも喜んでもらえたんだね、食事として摂る時の様子も見たい所だけど無理だよね・・・分かったよクロネオ準備しておくよ、それでもう一つの方はどうだった?」


シンジ様がまた興奮しているにゃん、珍しいと思ってわたいは見てるにゃん、機械族の事を聞いた時にも同じ様になったにゃん、機械族の胸か背中をよく見る様にクロネオとシロチーに伝えていたのにゃん、そこに亀裂の様な継ぎ目があればシンジ様の狙い通りらしいにゃん、クロネオはしっかりと確認して亀裂はあったと言ってるにゃん、シンジ様はそれを聞いて喜んだにゃん、その興奮はクロネオのブラッシングが荒れる程にゃん、クロネオは驚いて飛び上がってしまってシンジ様が我に返って謝ってるのにゃんよ。
わたいはどういうことか説明を求めたにゃん、シンジ様はゴーレムと同じか、それとも鎧の中に何者かがいるのではと予想したそうにゃん、わたいたちはゴーレムという単語に首を傾げたのにゃんよ。


「この世界にゴーレムはいないんだね・・・要はね、スライムの様に核を持った鉱物で動いているのか、中に小さな生き物が入って操作しているのかを確かめたかったんだ、機械族は後者の可能性が高いと分かったんだよ」


そう言いながら座り直したクロネオをブラッシングしていますにゃん、でも継ぎ目があるからと言ってそれが分かるのかと聞いてみたにゃん、シンジ様は頷いて説明をされたにゃん、関節部分に継ぎ目があるのは生物として当たり前にゃん、でも動かす必要のない部分にあるのはおかしいと言う事らしいにゃん。


「まぁそれが間違ってても、鉱物を自分たちの思い通りに動かしているのは変わらない、その力を使って陸を早く走る乗り物を作ってもらうんだ、成功すればすごく助かるんだよ」


また興奮してブラッシングをしてしまいクロネオが飛び上がったのにゃん、シンジ様がまた謝ってるにゃんがそれでもクロネオは膝に行くのにゃん、出来れば変わってほしいと頭をよぎったにゃんね。


「鳥種族以外にも輸送手段を作るのですにゃんね、魔王様も喜びそうですにゃん」

「そうなんだ、だから出来るだけ早く友好関係を結びたい、クロネオたちには両方の線で次の輸送を頼んでいいかな」


スライム袋をミント様が持ってきたのにゃん、それにはミスリルインゴットが入っているにゃん、もちろん油などもにゃんよ、そしてどうしてか武器も入れてあると話しているにゃん、わたいはどうしてなのか聞いたのにゃん。


「オオガラスたちの報告で、機械族が使ってるのは細めの剣だって話を聞いたんだ、ちょっと変わったのを作ってみたんだよ、僕の知ってる剣の中でこれに勝る切れ味のモノは無いよ」


ミント様から剣を受け取ったシンジ様は鞘から抜いたのにゃん、凄く細い刀身でサーベルの様に刃が片方にゃん、でも不思議な輝きを放ってるのにゃん、シンジ様は拳くらいの石を刀身に落としたのにゃん、すると石は抵抗もなく真っ二つに切れて落ちたのにゃん、わたいはすごくビックリにゃん。


「これは鉱物を叩いて圧縮させて作った刀って言うんだ、斬る事に特化しててすごく純度が高いんだよ、機械族たちにこの技術を理解してもらえば更に協力的になると思うんだよ」


シンジ様が刀を【アメノムラクモ】と命名していたにゃん、実はクロネオたちには同じ技術で作っていた【ササニシキ】という刀を既に渡して機械族に送ったそうにゃん、試作品だった前回と違い、今回は自信作だと言って大小二つの大きさを渡す事にしたそうにゃん。


「神のカタナという訳にゃね・・・でもシンジにゃん、カタナは分かるにゃが水はどうして入れてるにゃ?向こうにも井戸があるにゃ、いらないにゃよ」

「クロネオ、水にもアルカリ性や電解水って感じで色々種類があるんだよ、機械族が前者なら油を好むはずなんだ、でも井戸があると言う事は冷却水なんかも必要なのかもしれないって思ってね、色々試しに使ってもらおうと思ったんだよ、だめだったら次は運ばないけどね」


壷にそれぞれ文字を記入して袋に入れてるにゃん、クロネオが袋を受け取るとやっとわたいの髪を解かす番にゃん、この時がわたいの至福の時間にゃんね。


「んにゃぁ~」

「ワタシも幸せ」


最近はミント様も一緒にブラッシングしてもらうにゃん、ミント様と同じ位置にいると思うとうれしいにゃんよ、出来ればミント様にはその先を行ってほしいにゃん、助言もしてるけどまだまだ掛かりそうにゃん。


「まったく、二人は甘えん坊だね」

「シンジ様だからにゃんよ~」

「うん、ワタシもそう、シンジちょっと顔貸して」


シンジ様の膝の上から頭を少し起こしてミント様の唇がシンジ様の唇に重なったのにゃ、わたいはよしよしって思っているにゃよ。


「ミント、それはよしなさいって言ったでしょ」

「んふふ、シンジが照れてる可愛い」


わたいの教育が進んでいると喜んだにゃん、目線を逸らさない二人を眺めてニヤニヤにゃん、シンジ様は後手だからあれくらいしないとダメにゃん、次はわたいにゃんよ、ミント様には早く先に行ってほしいと目線を送るにゃん。


「可愛いのはミントでしょ、ほら子猫たちがお風呂からあがったからブラッシングよろしくね、もう夜遅いけど新作のアイスも冷蔵庫に入ってるから、ブラッシングの後に一緒に食べるといいよ」

「ほんと!?やったー!」


ミント様が膝から飛び起きて走って行ってしまったにゃん、わたいはそれを見て、まだまだどころか相当掛かりそうとがっかりにゃん。


「さてミャオサーくん、ちょっとミントの件でお話をしようか」

「はにゃ?シンジ様・・・ちょっと顔が怖いにゃんよ」


わたいの顔を両手で押さえて膝の上から起きあがれないにゃん、見かけによらず力があるにゃんねと惚れ直してしまうにゃん。
それからわたいは、ミント様たちがお風呂から出てくるまでそのままの状態で説教をされたのにゃん、ミント様は娘の様な存在だから、あの様に接触はしてはいけませんとよく分からない事を言われたにゃん、優秀な子孫を増やす為なのだから関係ないはずにゃん、どういった考えがあるのかにゃん。
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