ダンジョンマスターのお品書き、スライム産業から始める女神反抗作戦、みんなで一緒にいただきます!

まったりー

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4章 繁盛

62話 奪還作戦

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「ああどうしよう!ついにこの時が来てしまったわ、クレスどうしたらいいの」


ワタシはクレスに抱き付いて泣きました、あれからお父様も、何とかしようと城に何度も行ったけど、結局国王陛下は考えを変えてくれませんでした、ハイヒューマンの損害が少なく利益が十分に得られるからです、ワタシも力になろうとヒューマンの勇者に手紙を送ろうとしたの、でもそれはお父様によって却下されてしまったわ、今他の種族に知られると大変な事になるからです、そして他にツテのないワタシは、泣くばかりで1月が過ぎてしまった、無力な子供なんだと散々泣きました。


「最初に領主のいる街を狙うには綿密な計画が必要です、狙いは叔父様ですよターシャ様、急ぎ向かいましょう」


クレスも不測の事態だと顔色が悪いわ、ワタシを支えながらお父様の仕事部屋に急ぎ向かったの、屋敷の中はかなり騒がしくて大変な事態なのが分かります。
仕事部屋の前に来たワタシとクレスは、中の声を聞いてノックするのを躊躇ってしまいました。


「まさか、これほど早く動くとは、どうしたものか」


街を陛下の軍が包囲しているそうです、ワタシとクレスは顔を見合ってしまいました、陛下の軍と言ったら、10剣王が率いてて前魔王を倒した最強の軍です。
部屋の中ではクレスの父上もいるみたい、あきらめるべきか、それとも力の限り抵抗するべきか聞いています、そして今なら、ふたりの首を陛下に献上すれば済むかもしれないとか、協力してくれた者たちも爵位は落ちるけど、はく奪まではいかないだろうとか聞こえます、クレスがそれを聞いて扉を開けようとします、ワタシはそれを止めて話を聞いたの、今のままで飛び込んでも、お父様たちの判断を狂わせるだけです。


「ここで私が諦めたら、他の種族に愛想をつかされる、今までの苦労は全て泡となるだろう、そうなればこの先誰も信じてくれなくなる、それだけは防がねばならん」


お父様は自分たちを犠牲にする判断をしたみたいです、ワタシはそこで扉を開け二人にやめてくださいと言ったの、ふたりがいなくなったら、それこそハイヒューマンの行く末を思う人はいなくなるわ。


「しかしなターシャ、もうこれしかないのだ、私たちがいなくてもいつか誰かが立ち上がってくれる、私の失敗を繰り返さぬように考えてくれるのだ、今ここで終わらせるわけにはいかんのだよ」


お父様の大きな手がワタシの肩に乗り、悲しそうな笑顔を見せてくれました、隣ではクレスが叔父様と抱きしめ合っているわ、もうこれが最後になる、ワタシはそう思って泣きながらお父様に抱き付いたの、お父様は力いっぱい抱きしめてくれた。
部屋を出るように言われ、ワタシとクレスは部屋を出て扉の前で動きません、お父様たちに逃げるように言われたけど、何処に逃げればいいのか分からないわ。


「ねぇクレス、もうこれで最後になるわよね」

「そうですね・・・もう何もかもお終いです、ハイヒューマンは間違いを正さず、他の種族と戦争を始めてしまう」


クレスの言葉に、ワタシはある人の声が聞きたくなりました、それは今まで我慢してきた事です、このまま逃げても、きっとワタシたちでは捕まり終わってしまうわ、それなら最後に声くらい良いわよね。
ワタシはリングを起動させました、いつものプルル~っと音がします、それが2回する前に彼の声がしました、4秒くらいの短い時間なのに、今はその時間がとても長く感じたわ。


「もしもしターシャ?やっと連絡出来たよ、こっちから掛けても出ないしさ、この1月どうしてたの?」


シンジの声を聞いて、ワタシは返事が出来なくなる程に嬉しくて仕方なかったわ、シンジが返事が無くて困ってるのに、涙が止まらなくてどうしようもなかったの、ほんとは声を聞くだけだったんだけど、どうしても言いたくなってしまったの。


「シンジ、お願い助けて」


ワタシは言ってしまいました、辛くて苦しくてたまらないの、遠くにいるシンジに言ってもどうしようもないわ、シンジの返事だって、無理だって返ってくると分かっていたわ、でも言わずにはいられなかった。


「分かったよ」

「そうよね、無理を言ったわごめんなさい・・・あれ?今何て言ったのシンジ?」


ワタシは聞き間違いかと思って聞き返したの、シンジのいる魔族大陸からここまで早いグレイプニルを使っても10日、途中には海もあるから更に10日は掛かるわ。
あの時、ワタシたちを運んだハーピーは、普通のハーピーじゃなかったから短時間で移動が出来た、普通は無理なのよ。


「今から行くからねターシャ、戦わないで時間を稼ぐよう領主さんに伝えて」

「い、今から行くって、ダメよシンジ!来ちゃダメ!街の周りには兵士が囲んでるの、あなたが標的になったら」


ワタシはそこまで言って止めました、だってそんな事が分からない彼ではないからです、それを分かっていて助けに来ようとしてくれる、ワタシの為に来てくれると言ってくれたの、それが分かってすごくうれしくて、顔が熱くなったわ。


「勘違いしているよターシャ、僕たち魔族は初めから標的なんだ、だからここで重要なのは君たちが生き延びる事だよ」

「で、でもどうやって来るのよシンジ、そこからじゃすごく時間が、あのハーピーたちでも半日は掛かるのよ」


ワタシたちが送ってもらった時、大体6時間は掛かりました、今から6時間となるとさすがに持ちません、街の外壁を攻撃されてる音がし始めました、外も騒がしいので避難しているんです。


「僕が行くだけならすぐなんだよ、丁度そっちに道を繋げていたから、案内だけになるけどね、その間の時間を稼ぐのはスライムたちがするから、ターシャたちは指示した所に逃げるんだ」


シンジが言うには、街のある場所に地下通路を伸ばしているらしいわ、輸送に使ってたのとは違うみたいです、そこに逃げれば助かる、そう言ってます。
更にシンジは言います、ここで逃がす人選はしっかりとするようにと、それは必要だとワタシは即答したわ、そして後ろの扉を開けてお父様に報告です。


「お父様!信頼できる人を集めてください、一緒に逃げますわよ!」


部屋に再度入るとお父様と叔父様が驚いてるわ、クレスも同じ様に言ってくれたの、そして今は驚いている場合ではないと言いました。


「な、何を訳の分からないことを言ってるんだターシャ、理由を言ってくれ、そうでなければ」

「そんな時間はありません!まずは信じられる人たちを集めるんです、早くして下さいお父様!」


今は説明している時間はありません、だからワタシは少し迫力を出して叫びました、お父様たちは迫力に負けて返事をしてくれたんですよ、これできっと間に合いますわ。
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